魅惑のカフェタウン。大倉山にすてきなカフェが集まる理由を探しに行きました
東急公式サイト編集部
2026/9/6

「行ってみたくなるカフェが、なぜ大倉山に多いのか」。そんな疑問が湧いてくるほど、大倉山には素敵なカフェが集まっています。その数、チェーン店を除いて20軒以上。どちらかといえば大倉山=住宅地というイメージだったのですが、「大倉山公園」をはじめ緑や見どころも多く、散策しやすい場所なので行って損はなし。ということで、気になる5軒のカフェを訪ねてみました。
ブックカフェ élever

「雑音のない空間。“心の余白”をつくりに来ていただく場所。そんなカフェを目指しています」というオーナーのメッセージ通り、「ブックカフェ élever(エルヴェ)」は、美しい建築の中で自分の時間を過ごす、おしゃべり禁止の静かなブックカフェです。
建物好き注目。「大倉山集合住宅」の一角にあるブックカフェ
建築家ユニットSANAA(サナア)の妹島和世氏が手掛けた有名デザイナーズマンション、大倉山集合住宅を堪能できる「ブックカフェ élever」。曲線、光、余白が交差する空間の中で、自己と向き合う時間を提供することがお店のコンセプトです。
選書はというと、お店に共感する方からの寄贈がほとんどということで、洋書からZINE(自主出版の小冊子)まで幅広いラインナップ。寄贈者の哲学的思考からでしょうか。ニッチなお題のちょっと変わった本もあります。



おしゃべり禁止。静かな時間と空間がメニューのひとつ
「ブックカフェ élever」のドリンクメニューは14種20バリエーションと多彩。スイーツや軽いフードメニューも揃っています。大倉山集合住宅の無機質なコンクリート建物をイメージした「黒パフェ」が有名ですが、今回は限定1日5食の「抹茶ガトーショコラ」と、冷たい「白茶」をいただきました。ねっとり濃厚な口あたりと、すっきりとしたアイスティーのコントラストが満足感を誘います。
なお、「ブックカフェ élever」は利用料600円(税込)+ワンドリンク制を採用しています。ご来店の際は、“静かな時間と空間を提供する”というお店のコンセプトにご協力ください。

感性を育む場所
フランス語で「育む」という意味を持つélever(エルヴェ)。オーナーの堀内さんは美容師としても店を持っており、「美容院を広げるよりも、いろいろなことをしたいという気持ちが強くて5年前にカフェをオープンしました。大きな目標にしているのが街の活性で、『チャレンジしたいけれど一歩が踏み出せない人の、何かをはじめるきっかけに』という思いもあり、クリエイターを招いてのワークショップや展示なども開催しています」とのこと。インテリアや蔵書、店内でのクリエイターの小物販売などから幅広い人脈が窺えます。ZINEにはオーナーが寄稿した冊子もあったりして、まさに「育む」という言葉がぴったりです。


<ブックカフェ élever>
・住所:神奈川県横浜市港北区大倉山3-5-11
・アクセス:東横線「大倉山駅」より徒歩約3分
・TEL:045-298-3555
・営業時間:12:00~18:00(L.O.17:00)※土日祝は2時間制となります
・定休日:火曜日、木曜日+不定休
https://www.instagram.com/804_elever
ichigoichie

「来てくださったお客さまに、味、器、インテリア、人、話題。なんでもいい、何かしらの“出会い”があればいいなと思っています」というオーナー。普通の会社員のコーヒー好きが高じて、とうとう2024年にオープンしたという「ichigoichie(いちごいちえ)」は、元住吉「MUI」焙煎のコーヒーと自家製焼き菓子のお店です。
あんこ×コーヒーの組み合わせ
お店のオーナー高清水さんは、無類のあんこ好き。お店で提供するあんこも愛情いっぱい、店内で炊いています。「あんことコーヒーの組み合わせをもっと楽しんでほしい」と、月に一度「あんこの日」という、あんこのお菓子が増えるイベントを開催しています。
『それならばあんこは欠かせない!』と、この日オーダーしたのは定番「あんバタースコーン」と一番人気の「季節のタルト」。そしてハンドドリップコーヒー。あんことコーヒーの相性は、間違いありませんでした。
「季節のタルトは頻繁に変わります。食材の充実する秋は、カキ、クリ、イチジク…しょっちゅう変えるので大変(笑)。今回のブルーベリーは無農薬で、大野菜(おおのな)さんから仕入れています」とのこと。農家から直接仕入れた新鮮野菜が評判の、地元・大倉山の八百屋さんです。


オーナーの好きが詰まった、こだわりの空間
店内のテーブル、椅子は、ひとつひとつがちょっとずつ異なるFLANGE plywoodのもの。席ごとに合板の模様の違いを見つけつつ、ほどほどの統一感を味わえるのが素敵です。どの席に座るかによって見える景色や座り心地も異なり、いつも決まった席に座るお客さんもいるそう。また、器はイイホシユミコさんのシリーズ。シンプルで温かみのあるテーブルウェアはお店の雰囲気にぴったりです。オーナーの“好き”が詰まっていますね。
テイクアウトよりも、お気に入りの味と空間を楽しむイートインの方が多いというのも頷けます。


港北区役所の近くにあります
今回ご紹介するカフェの中では駅から一番距離があったものの、徒歩約7分。まったく苦にならないうえに、港北区役所のすぐ裏手と、とてもわかりやすいロケーションです。区役所での用事のついでに寄る方も結構多いとか。オーナーの座右の銘「一期一会」が店名になったこだわりのカフェで、ひとつの出会いを見つけてみてください。


<ichigoichie>
・住所:神奈川県横浜市港北区大豆戸町61 グリーンピア 101
・アクセス:東横線「大倉山駅」より徒歩約7分
・TEL:045-900-0383
・営業時間:金・土・日/10:00〜19:00(L.O.18:30)、月・火/10:00〜18:00(L.O.17:30)
・定休日:水曜日、木曜日
https://ichigoichie-2024.com/
https://www.instagram.com/ichigoichie.2024
OTTOTTO COFFEE

昼間はカフェ、夜は居酒屋という二足の草鞋を履く「OTTOTTO COFFEE(おっとっとコーヒー)」。「カフェでも居酒屋でも、旬の食材、健康にいいものを意識しています」と、ソルトコーディネーターの資格を持つオーナーの川井さんは、三足目の草鞋、身体にやさしいデリのテイクアウト店を準備中なのだとか。
古民家風の味わいが、“カワイイ”
創業43年という老舗居酒屋「飲み喰い道楽 男魚魚(おっとっと)」の、昼の顔「OTTOTTO COFFEE」。オープンのきっかけはコロナ禍での時短営業やアルコール提供の制限で、もともとパティシエをしていたスタッフがいたことも、大きかったそう。
お店は、宮大工の技術により釘を使わずに内装が施されたシブい古民家風。海外からのお客さんにはなぜか“カワイイ”と言われるようです。夜の来店でスイーツや締めのコーヒーに喜んだお客さんが昼に、ランチやカフェを堪能したお客さんが夜に…と来店することも。カフェタイムにもお酒が飲めるので、「お酒&スイーツ」で楽しむ方もいます。



ソルトコーディネーターがこだわる、素材とビジュアル
今回いただいたスイーツの盛り合わせのうち、2種はパティシエスタッフによるもので、米粉のキャロットケーキは定期的にカフェタイムに“間貸し”をしている「KOMBUCHA STAND」のものだそうです。また、ソルトコーディネーターのオーナー川井さんが吟味したという塩梅干しの話を聞いてしまい、思わず「大倉山梅干しソーダ」もオーダー。梅干しがドン!と乗った斬新な姿は、チューハイではありません(笑)
コーヒーは、居酒屋らしく酒米・雄町をイメージした「男魚魚OMACHIブレンド」と、梅のまち大倉山をイメージした「大倉山UMEMACHIブレンド」。元住吉「MUI」で開発した2つのオリジナルブレンドがおすすめです。
なお、お店の看板ランチは「極上無添加さばの塩焼き定食」。小麦粉を使わずスパイスから仕上げる週末限定のスパイスカレーなど、多彩なメニューが並びます。「魚や野菜など、普段から足りていないであろう栄養素をワンプレートにして出しているのが、こだわりです」と川井さん。八節(立春、秋分など、季節の変わり目のこと)を意識し、塩使いや盛り付けなどにもこだわったメニュー作りです。


旬と健康にこだわり続け、新店出店へ

ランチもスイーツも、居酒屋メニューも“身体にやさしい”が原則。お店をより知っていただく意味も込めて、現在、大倉山エルム通り商店街に「ととすたんど」というデリのお店を準備中です(2026年8月現在)。コンブチャとグルテンフリーのお食事を出す「KOMBUCHA STAND」との共同出店で、“身体にやさしい”がテイクアウトできるようになります。
※ちなみにコンブチャは、お茶に糖類と酵母菌などを合わせた発酵飲料。“腸活ドリンク”として、韓国などでも人気がありますね。果物を漬け込んだコンブチャは見た目もおしゃれでとっても美味しいと評判です。
<OTTOTTO COFFEE>
・住所:神奈川県横浜市港北区大倉山1-18-26
・アクセス:東横線「大倉山駅」より徒歩約3分
・TEL:045-543-6508
・営業時間: 12:00〜15:00
・定休日:月曜日、火曜日
https://www.instagram.com/ottotto_andcoffee
TERA COFFEE 大倉山店(TERA COFFEE and ROASTER)

大倉山に「カフェ」イメージを定着させた立役者、と言っても過言ではありません。2012年のオープン以来、一般の方へはもちろん、コーヒー豆の卸し販売やコンサルティングも行ない、多くのカフェの御用達。お気に入りのお店のオリジナルブレンドもここで生まれているかも。
コーヒーの香りを求めて駅徒歩約1分
「大倉山店」と「白楽店」はともに駅から徒歩約1分と至近で、「妙蓮寺店」も駅徒歩約4分と近く。コーヒー好きの東横線ユーザーには有名なお店です。
「大倉山店」は、入口のドアを開けると店内いっぱいにアロマが満ち、スペシャルティコーヒーの豆がズラリと並んでいます。20種類は優に超えており、選ぶのが難しく感じますが大丈夫。知識豊富なスタッフさんが、好みに合わせた豆選びの相談に、やさしく応えてくれます。よい香りに包まれながら選ぶひと時はとっても幸せな時間ですね。



豆へのこだわり
世界各地の農園に足を運び、生産者と向き合い、よい生豆を仕入れる。豆の魅力を最大限に引き出す焙煎を見つけて、毎日お店で丁寧にロースト。これらを実現しているからこその、信頼されるコーヒー店なのです。近隣でも多くのカフェがこちらのコーヒー豆を使用しています。
「TERA COFFEE」 の特徴は、どちらかというと深煎りが多め。豆が黒いです。バランスのよい「TERA'S ハウスブレンド」も、モカの独特な香りで港をイメージした人気の「横浜ブレンド」も、しっかりとした味わいです。

イートインでスイーツも堪能
コーヒー豆の横には、コーヒーを引き立てる手作りスイーツが並びます。スコーン、クッキー、マフィン、ケーキなど20種類ほどと、想像以上に充実。コーヒー豆と同様、季節を考慮しているので期間限定となるスイーツも多いです。
来店時、どのコーヒーをいただくか、どのスイーツにするかと、長い時間悩んでしまったのですが、その間も豆を買う方、テイクアウトする方、イートインで味わう方と、お客さんはひっきりなしです。スタッフさんは忙しい中、手際よく接客しつつ待ってくれて、結局『コーヒー店で“モカ”がついた商品なので』、と期待して「モカチーズケーキ」をオーダーしました。


<TERA COFFEE 大倉山店(TERA COFFEE and ROASTER)>
・住所:神奈川県横浜市港北区大倉山1-3-20
・アクセス:東横線「大倉山駅」より徒歩約1分
・TEL/FAX:045-541-6016
・営業時間:10:00〜19:30
・定休日:年中無休(年始と夏季休暇、マシンメンテナンス休業あり)
https://teracoffee.jp
https://www.instagram.com/teraokurayama
STAY FRESH COFFEE&FOODS

「日常にちょうどいい“新鮮さ”を」というのがお店のテーマ。大倉山駅より徒歩約1分、白亜の「大倉山エルム通り商店街」にマッチした真っ白な建物の「STAY FRESH」にあるのは、“カフェと古着と美容室”です。
仲間とともにはじめた“STAY FRESH”
フランス菓子のお店、猿田彦珈琲でのバリスタと、カフェを開くために進んできたような職歴の、オーナー船山さん。このお店の建物との直感的な出会いで、とんとん拍子に話が進んだといいます。同級生と気の合う3人で、それぞれに得意なこと、やりたいことを持ち寄ってはじめた「STAY FRESH」は、1・2階がカフェ、2階の一部に古着屋さんで、3階が美容室。4階にはテラスもあります。壁を塗り、棚を作り、デッキを張って、2024年オープン。DIYとは思えないセンスとクオリティは、持ち前の器用さと、“スリーピース経営”の仲間がいるからこそ実現しました。
コンセプトや仕事にはしっかりと芯があり、若い店主の感性がカッコいい、オリジナルスタイルのフレッシュなカフェです。

カフェフロアは1・2階&大空広がるテラス
3つのフロアに席が分かれているので、客同士の空間共有はそれほど多くありません。そのときの気分や入店した人数で居場所が選べて、会話の声が重なることも少なく、快適だなと感じます。



豊富なデリ・カフェメニュー
「ドリンクは最後の一滴まで、フードも最後のひと口まで美味しく、というのがメニュー作りで最も意識しているところ。強すぎない味を心掛けています」という船山さん。“COFFEE&FOODS”の店名通りフード系も充実しており、今回は人気のブリトーをいただいてみました。生地に工夫があるそうで、3種の粉をブレンドして、パサつかずしっとり食感。なんとオーダー後に生地を焼きます。お肉は自ら市場で競りを行なう大倉山の有名精肉店・肉のヤマザキで仕入れており、とってもジューシーです。せっかくなのでテラスを利用しましたが、程よいスパイシー感が屋外の空気に合いました!
「STAY FRESH COFFEE&FOODS」は、ケーキ屋さんではなく“カフェでこそ出会えるメニュー”を常に考えているそうです。定番人気スイーツ「ドッチモ」は、スコーンとプリンどちらも食べたいから“どっちも”と命名。スコーンは週替わりで、この日は香ばしさが際立つ焼きとうもろこしとピーカンナッツ入りの生地です。固めのプリンが大変好みでした。


<STAY FRESH COFFEE&FOODS>
・住所:神奈川県横浜市港北区大倉山3-2-31 フォーチュン大倉山
・アクセス:東横線「大倉山駅」より徒歩約1分
・TEL:045-834-4300
・営業時間:月・水・木・日/11:00~21:00、金・土/11:00~22:30
・定休日:火曜日
https://www.instagram.com/stayfresh_service/
大倉山カフェ文化。発展の礎は人と人とのつながり

今回のカフェ巡り取材でわかったのは、お店同士の“横のつながり”が想像以上にあること。情報交換で互いを認め、高め合う姿が印象的です。また食材の仕入先ひとつにも地元愛を感じます。記事内に入りきらなかった情報で、「仕入先が地元」というお話がとても多かったです。
魅力のあるお店づくりやメニューの提供は、間違いなく個のチカラ。でも“つながり”によって無意識のうちにさらに実力を高めていることが、大倉山に多くのカフェが生まれる理由でもあるのかな。ユーザーにとっても有益で、なんだか元気と勇気がもらえます。
BGMのあるお店、ないお店。静かにいたいお店、おしゃべりしたいお店。まずはお好きな場所を探しに、大倉山へ足を運んでみてください。
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取材・文:haruta kana
編集:MaW
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