【世田谷美術館】アート、緑、建築美に触れて、豊かな自分時間にひたる

東急公式サイト編集部

2026/8/19

東急線沿線にはさまざまなジャンルの美術館が点在していますが、今回は「砧公園」の一角にある「世田谷美術館」をご紹介します。

同館は、アンリ・ルソーなど素朴派、世田谷区ゆかりの作家、また書や器・美食とさまざまな分野で才能を発揮した北大路魯山人などの作品を柱に、約18,000点もの作品を収蔵。収蔵品はミュージアム コレクションとして、テーマ毎に異なる作品を観賞でき、イベントや講座も人気です。

自然環境と調和した建物にレストラン・カフェも併設した、気持ちの良いアートとの出会いの場。公園散策やランチなどと合わせて、気軽に、そしてゆったりと楽しむのが良さそうです。

「砧公園」内にある美術館。館内をひと巡り

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約39万平方メートル、東京ドーム約8個分の広さがある「砧公園」

「世田谷美術館」は、広大な「砧公園」の北側に位置しており、公園内でも特に“桜の名所”として知られるファミリーパーク区域のすぐそば。スポーツなどほかの目的で訪れるよりも、散策やのんびりピクニックを楽しむ方の多いエリアにあります。

戦前からの大緑地が前身である「砧公園」は、1966(昭和41)年に開園。時を重ねた約5,000本の主要な樹木はどれも樹齢60年以上で、樹形の威容はただただ圧巻です。現在も樹木医の診断を受けつつ、深緑が清涼な癒やしを届けます。

<関連記事>砧公園の楽しみ方完全ガイド!遊具や施設を紹介

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“都立”砧公園の敷地内にあるため間違えやすいのですが、美術館自体は区立施設。目前の樹林との調和を考えられた地上2階建てで、木立の中に美しく現れます

芸術を“心の健康を維持するもの”と位置付ける「世田谷美術館」は、幅広い視野を持って、さまざまな企画を提供しています。展示は通常、「企画展」と「ミュージアム コレクション」の2本立て。「ミュージアム コレクション」はいわゆる常設展ではなく、テーマに沿って定期的に所蔵作品を入れ替えるのが大きな特徴です。

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エントランスホールの受付。当日チケットはこちらで購入します。ミュージアム コレクションは一般220円、企画展は内容によって料金が異なります。1階には展示室のほかに区民ギャラリー、トイレ、休憩スペース、回廊の先にレストランなどがあります
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印象的な回廊が企画展へと誘います。訪問日の企画展は、「ふたりのアフリカ、手仕事の宇宙――人類学者・川田順造と陶芸作家・小川待子のコレクション」(会期:2026年7月11日〜9月6日)でした
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1階展示室の印象的な空間。曲線壁の部分は窓の開閉により公園の景色と一体化した演出もできるそうです
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器や儀礼用の楽器、藍や泥で染めた布など、精緻でダイナミックなアフリカンコレクションがゆったり観覧できました。1階の展示室は1,025平方メートルあります
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2階展示室は、細長い長方形の空間がメイン。「ミュージアム コレクション」会場で、訪問時は武蔵野をモチーフとした作品展(会期:2026年5月2日〜7月26日)でした。古くは“武蔵野”と呼ばれた世田谷。世田谷ゆかりの芸術家・作品が非常に充実した同館ならではの展示ですね
※大型展の第2会場となる場合もあります
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2階展示室の出口にあった美術館模型。ここでやっと建物の全容がつかめたと思う程度に、実はちょっとだけ迷宮でした

2階には、「アートライブラリー」もあります。ここは、収蔵する“素朴派”をはじめ国内外の近現代の作家、世田谷にゆかりのある作家の画集やカタログなど、約2,000冊もの資料を所蔵、公開する専門図書室です。

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本職の傍らや引退後など、専門的な美術教育を受けずに独学で絵を描いた画家たちを“素朴派”と称しています。その代名詞ともいえるアンリ・ルソーの描いた肖像画イラストパネルがお出迎え
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利用に特別な手続きは必要ありませんので、レファレンスサービスだけでなく、気軽に入室してみてください。企画展の関連資料も充実しています
※自由に閲覧できますが閲覧場所は室内のみ、貸出は行なっていません
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1階ミュージアムショップ。ここでしか手に入らないオリジナル商品、企画展グッズ、展覧会図録などが揃っています
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定番商品、ルソーのイラスト入りmaruman(R)のスケッチブック。赤のほかに青・黄・ピンク・黒と5種類あり、どれにしようか迷ってしまいました(631円)

リピーター続出の名物企画は要チェック

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ふたりのアフリカ展関連イベントの100円ワークショップで作られたカラフルなタッセルチャーム。開催中だった企画展にちなんでいますね

「世田谷美術館」の恒例企画のひとつに、「100円ワークショップ」があります。こちらは、その名の通り材料費100円で参加できるワークショップ。毎週土曜日と8月中の金・土、13:00~15:00に開催されています。定期的に変わるクリエイティブな作品テーマが好評!スタッフ・ボランティアさんが毎回、知恵を絞っているそうで、リピーター続出の人気イベントです。

区民をはじめさまざまな人々の創作活動をサポートする創作室・創作の広場が地下にあり、日常生活と美術のむすびつきを基本テーマに、多彩な催しや講座が実施されています。

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屋外での講座やイベントに使用される、創作の広場

建築家・内井昭蔵の名建築を堪能

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ガラス天井が緩やかな曲線を描くエントランスホール。階段下部は波紋をイメージし、静寂な空間に動きを表現しています

「世田谷美術館」の建物は、1986(昭和61)年開館。日本を代表する建築家の一人である、内井昭蔵氏によって設計されました。多用された“波”と“正三角形”のモチーフが特に印象的で、いくつもの棟を回廊でつなぐ構成など、キリスト教の教派のひとつである「正教会」の信者だったという思想や目にしてきた空間が、建物に反映されているようです。また低層の佇まい、一見素朴に見える風合い豊かな外壁などが、「砧公園」の緑景を踏まえて調和し、美術鑑賞だけでなく、建物探訪の価値もあります。

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建物を印象的なものにしている、正三角形を連続させた柱廊。パーゴラに這わせた緑の蔓は縁起の良い“不老長寿の実”がなる郁子(ムベ)の木だそうです
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回廊のベンチにも“波”を感じます。壁を飾るタペストリーは、インテリアデザインの専門家である内井乃生氏(昭蔵氏の妻)のものだそうです
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1階展示室の裏、回廊に向かう空間は教会のよう。光が射し、とても静かで休憩にぴったりです
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レストランに向かう中庭「くぬぎ広場」。公園の緑と連続しつつ、多くの彫刻作品が展示されています

築40年を経て、2027年4月より改修工事の予定

「世田谷美術館」は改修工事にともない2027年4月から休館を予定しています。建替えではなく改修工事(空調等の設備の更新および改修がメイン)のため、現存の建物の躯体は活かし、中の設備をアップデートするそう。1986年の開館時から築40年の重みを大事にし、この後も継続して残していくための工事だそうです。

美術館に入場しなくても楽しめる、レストラン&カフェ

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砧公園の緑を眺めるレストラン「ル・ジャルダン」

美術館の建物内には、レストランとカフェがあります。どちらも、展覧会のチケットがなくても入れるので、ランチに、公園散策の休憩にと親しまれています。緑や彫刻作品、建物の醸し出す雰囲気が、ここで過ごす時間を贅沢に演出。常連になりたいと感じてしまうほど素敵な、フラリと立ち寄りたい2店です。

フランス料理レストラン「ル・ジャルダン」

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鑑賞後に、こちらでアフタヌーンティーをいただきました。優雅な時間のしめくくりです(2,000円/1名※写真は2名分)
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一面ガラス張りで、世田谷美術館“らしさ”が凝縮した柱廊や公園の緑が望めます
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パーティーやウエディングまで対応するフレンチレストラン。このロケーションは、ゲストを招くイベントには特にぴったりですね

<ル・ジャルダン>
・住所:東京都世田谷区砧公園1-2
・TEL:03-3415-6415
・営業時間:Lunch/11:00~14:00(L.O.14:00)、Tea/14:30~18:00(L.O.17:00)、Dinner/17:00~22:00(L.O.20:00)※Dinnerは完全予約制です(予約は2営業日前まで)。
・定休日:月曜日(祝日の場合は営業。翌平日休業)、年末年始
https://foodservice.setagaya.co.jp

ガレットやタルトが人気「SeTaBi Café (セタビカフェ)」

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ランチで人気のガレット(目玉焼き・ハム・チーズ。1,500円)。ほかにもおしゃれなカフェメニューが並びます
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砧公園側からテラスを経由して直接入店でき、また1階ミュージアムショップ前の階段を降りると、こちらのカフェ店内に入れます
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テラス席も50席以上あり、ペット連れOK。公園散策の立ち寄りでもよく利用されています

<SeTaBi Café (セタビカフェ)>
・住所:東京都世田谷区砧公園1-2 世田谷美術館地下1階
・TEL:03-3416-2250
・営業時間:10:00~18:00(ランチタイム11:00~14:30、L.O. 17:30)
・定休日:月曜日(祝日の場合は営業。翌平日休業)、年末年始
https://www.setagaya.co.jp/setabi

緑とアートと散歩道。「世田谷美術館」へ行こう

田園都市線「用賀駅」から「美術館行」の東急バスで、のんびりとお出かけするのがおすすめです。今回はこちらのバスルートで訪問してみました。1時間に1〜2本の運行本数なので、事前に調べてから行くのがおすすめです。

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用賀駅北口のエスカレーターを上がって、振り向くと大屋根のあるバス停「1番のりば」。日除け・雨除けになっており、待ち時間も快適でした
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バスの所要時間は約16分。行きも帰りも同じバス停での乗降です
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バス停正面に「世田谷美術館前」信号が見えます。美術館はこの木立の遊歩道「歴史と文化の散歩道」を進んで徒歩約3分。写真左手には233台とかなり大きな規模の「砧公園駐車場」がありました

徒歩ルートは、「用賀駅」から約17分です。そしてこのアプローチが実はとても素敵。駅から砧公園、世田谷美術館へと向かう「用賀プロムナード」といい、瓦を敷き詰めたところから「いらか(瓦)みち」の愛称があります。四季折々の花木や水路が整備され、瓦の造形が美しく、楽しく歩いているうちに美術館へ到着してしまいます。

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百人一首が彫られた路面。順番にたどりたくなりますよね。実際に、たどれます
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文化・アートに触れるプロローグにぴったりの道です

<関連記事>瓦と百人一首が散りばめられた遊歩道。用賀の「いらかみち」を歩く

<世田谷美術館>
・住所:東京都世田谷区砧公園1-2
・アクセス:田園都市線用賀駅より東急バス[用22系統]「美術館」行き、「美術館」下車徒歩約3分/田園都市線用賀駅より徒歩約17分
・TEL:03-3415-6011
・開館時間:10:00〜18:00(展覧会入場は17:30まで)
・休館日:月曜日(祝休日の時はその翌平日)、年末年始(12月29日〜1月3日)※展示替えの期間中は、企画展・ミュージアム コレクション展示室の両方を閉める場合があります。
・観覧料:ミュージアム コレクション/一般220円・65歳以上110円・大高生170円・中小生110円、企画展/内容によって料金は異なります。
※取材時の企画展は一般 1,400円・65歳以上 1,200円・大高生 800円・中小生 500円
※20名以上の団体は料金が異なります。事前に電話でお問い合わせください。
※世田谷美術館は、2027年4月~2030年1月(予定)の期間、大規模改修工事のため休館します。これにともない、レストラン・カフェも2027年3月31日をもって営業を終了します。
※記事内の情報は2026年7月取材時点のものです。また、価格はすべて税込です。

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取材・文:haruta kana
編集:MaW

掲載店舗・施設・イベント・価格などの情報は記事公開時点のものです。定休日や営業時間などは予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。

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