
かつて電車が走っていた線路の跡地につくられた「東横フラワー緑道」。東横線・東白楽駅から横浜駅まで、約1.4キロメートルある緑豊かな遊歩道です。
実際に歩いてみたところ、まるで線路の上を歩いているかのような不思議な気持ちになれるうえ、随所に鉄道の歴史を感じられる、“エモい”散歩道でした!
鉄道関連の見どころと、撮影スポットをピックアップしてご紹介します。
東横フラワー緑道ができるまで

東横フラワー緑道の場所にはもともと、東横線の電車が地上を走っていました。1983(昭和58)年頃、横浜港に面した地域の再開発計画「みなとみらい21事業」にあわせて、東横線の反町(たんまち)駅と横浜駅が地下へ引っ越しすることになります。
それに伴い、当時は地上駅として営業していた東横線の高島町駅と桜木町駅は営業終了が決定。最終営業日が近づくと、それらの駅は名残を惜しむ市民や鉄道ファンで大混雑しました。

その跡地を遊歩道にしようと、横浜市が2005(平成17)年に工事をはじめ、2011(平成23)年に完成。名前は、一般公募からアイデアを募り「東横フラワー緑道」に決まりました。そして現在に至るまで、市民のお散歩道として愛されています。
<関連ページ>東急線ヒストリー 東横線の歴史
<関連ページ>東急100年史 第7章 第2節 第2項 両端で工事が進む東横線
【東白楽駅】スタート地点までのアクセス
東横フラワー緑道は、東横線・東白楽駅と横浜駅のどちらからでもスタートできますが、今回は東白楽駅をスタート地点としてご案内していきます。
スタート地点までのルートは次の通りです。
まずは東横線・東白楽駅へ。駅を出たら、目の前の大きな道(神奈川県道12号 横浜上麻生線)を渡ります。


ちなみに昔は、この県道を横浜市電六角橋線が走っていました。当時は自動車が今ほど普及していなかったため、通勤・通学に市電を使う人も多かったそうです。

道を渡ったら、高架にある「けた下4.2M」の文字に向かって進みます。

そのまま進み続けると、3方向の進路を示す看板が現れます。

東横フラワー緑道を示す矢印は「まっすぐ進んでから右手に曲がる」という意味なので、看板の右にある道に行ってしまわないよう注意。
看板のすぐ左にある道をまっすぐ進み、それから右に曲がってください。
そうすれば、東横フラワー緑道のスタート地点に到着です!

【東白楽駅】東横線 観賞スポット

東横フラワー緑道のスタート地点から少し歩くと、広場が現れます。近隣の幼稚園児や保育園児にとっておなじみの遊び場のようで、子どもたちの歓声があがっていました。
今回は、広場の手前にある坂道を上ります。

上りきった場所では、ちょうど地下区間に入っていく直前の東横線が見られます。そのほか、東京メトロ10000系や17000系、西武6000系・40000系なども走りますので、電車好きの方はここでしばし電車を眺めながらのんびりするのがおすすめです。

ここからはいよいよ、昔の線路跡を歩く道のりです!

【東白楽駅~反町駅】新太田町駅 跡地

道なりに進むと、今度は小さな広場が。かつて東白楽駅から反町駅の間に存在した、新太田町(しんおおたまち)駅の跡地です。
新太田町駅は1926(大正15)年に東横線の開業と同時に開設され、1945(昭和20)年の横浜大空襲で被災したことにより、翌年に廃止となりました。
しかし1949(昭和24)年、現在の反町公園付近で「日本貿易博覧会」が開催。多くの来場者が見込まれたため、臨時駅の「博覧会場前駅」として一時復活することに。

「日本貿易博覧会」は、戦後の日本が貿易によって経済を立て直そうとしていた時代に、その産業や製品を紹介する目的で開かれた催しです。来場者数は約320万人と、戦後まもない時期にもかかわらず非常に多くの人が訪れ、戦後日本の復興ムードを象徴するイベントになりました。
そんな日本の復興を支えた新太田町駅(博覧会場前駅)は現在、東横フラワー緑道の一部となっています。跡地には、かつて高架下に残っていた乗り場の案内表示を模した記念碑が。


また広場内には、東横フラワー緑道ができた際に関係者や地域住民が植えた記念の桜の木があります。

【反町駅~横浜駅】線路上を歩く

さらに横浜駅方面へ向かって進むと、かつて地上を走っていた東横線の線路が敷かれています。
レール部分については当時のものがそのまま使われているそうで、その上を歩くと自分自身が電車になったような、不思議な気持ちを体験できます。

冬の間も緑量が多い場所なので、冬に行かれる方はこのあたりで写真を撮ると良さそうです。ところどころある花壇ではチューリップが咲き始めていて、いじらしい様子に思わずパシャリ。

先へ進むと、歩道橋があるので上ります。こちらがちょうど反町駅付近で、東横フラワー緑道のほぼ中間地点になります!


ちなみにこの地下を東横線が走っており、そのための換気口が近くにあるので、たまに電車のゴーッという音が地下から聞こえてきます。
【反町駅】旧反町駅 跡地

階段を上ると、横浜駅まで続く遊歩道があります。これは国道1号線に架かる鉄橋で、地上線の頃に東横線が走っていたものがそのまま、東横フラワー緑道に転用されたもの。そしてその時代の旧・反町駅の跡地でもあります。


こちらでは定期的にフリーマーケット「東横フラワー緑道フェスタ」も開催されていて、グルメから本、衣料品、植物まで多彩なお店が出店しています。行った日に開催されていたらぜひ覗いて見てください。

東横フラワー緑道にはいくつかベンチが点在していますが、個人的にはこの旧反町駅跡地にあるベンチが、花々が眺めやすくておすすめです。

ベンチでひと休みしたら、いよいよ1番の目玉、高島山トンネルへ!
【反町駅~横浜駅】高島山トンネル
高島山トンネルは、1926(大正15)年に東横線の線路として建設された鉄道トンネルです。高島台の丘を貫き、反町・神奈川・横浜方面を結ぶ区間として、長年にわたり電車が走っていました。


その後、東白楽駅から横浜駅間が地下化したことにより、鉄道トンネルとしての役割は終えましたが、東横フラワー緑道の一部として第2の人生を始めています。
つまり、かつて電車が通っていたトンネルをそのまま、歩いて通り抜けられるというわけです!鉄道好きにはたまりません。


高島山トンネルの通行可能時間は、午前6時から午後9時30分まで。朝は地元の方が愛犬とのお散歩道や通勤路として利用しているため、通勤ラッシュの時間を過ぎてから行くのが良いかもしれません。
イチオシの撮影スポットは、横浜側の出口付近。通行人に十分配慮して撮影する必要がありますが、撮影する人が多い反町駅側の入口前よりも、トンネル内で横浜側に向かってカメラを構えるのがおすすめです。

トンネルの向こうに緑がのぞき、有名な「トンネルを抜けると雪国であった」というフレーズを思わせるような、日常から非日常へとつながる雰囲気の写真を撮ることができます。
【横浜駅】はまレールウォーク
静かな高島山トンネルを抜けると、再び緑道が現れます。


一気に横浜駅周辺の、活気あるムードになってきました。
東横フラワー緑道はここで終点ですが、せっかくなので東横線が地上を走っていた頃の、横浜駅の跡地を見に行きましょう!


横断歩道を渡ってすぐのビル「CIAL横浜ANNEX」のエスカレーターを上り、横浜駅の標識に従って進むと、ビルの外に歩行者デッキが現れます。こちらが「はまレールウォーク」です。

「はまレールウォーク」には東横線の線路がそのまま残されており、横浜駅の線路を見下ろしながら歩けることから、鉄道ファンにも人気のスポット。ずらりと並ぶ線路を電車が行き交う様子は、なかなかの迫力です。
以上で、東横フラワー緑道の散策はフィニッシュ!
最初から最後まで、鉄道の歴史と風景を楽しめる散策路でした。

1.4キロメートルに渡る東横フラワー緑道の道のりを歩くと、ちょうどお腹も空いてくる頃。横浜駅周辺には、有名なラーメン店からゆったり休憩できるカフェまで、魅力的なお店が数多くそろっています。
散策に行かれる方は、ぜひ締めくくりに横浜グルメも楽しんでみてくださいね。
<東横フラワー緑道>
・住所:神奈川県横浜市神奈川区二ツ谷町14-4付近から神奈川区台町付近
・通行可能時間:終日(高島山トンネルは午前6時から午後9時30分まで)
https://www.city.yokohama.lg.jp/kanagawa/kurashi/machizukuri_kankyo/jimusho/koen/parklist/touyokohurawa.html
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取材・文:山﨑彩恵子(東急公式サイト編集部)
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