
市が尾駅の周辺に、ユニークな彫刻が点在していることをご存知でしょうか。「市ケ尾彫刻のプロムナード」と呼ばれ、散歩コースになっています。全長は約1.8kmなので、気軽な散歩にちょうどいい距離感です。今回は、このプロムナードに設置されている11体の彫刻を探しつつ、歩いてみました。
「市ケ尾彫刻のプロムナード」とは?
そもそもなぜ、こんなに彫刻が点在するエリアがあるのでしょうか。「市ケ尾彫刻のプロムナード」ができたのは、1991年のこと。市が尾駅から当時の緑区役所北部支所までの約360mの区間に、「身近で魅力ある街並みをつくろう」という趣旨のもと、彫刻が設置されました。その後、青葉区総合庁舎の竣工に合わせて、区役所への新たなルート上に一部の彫刻が移設され、さらに新たな彫刻が加わり、現在のプロムナードが完成したのです。

「あ、いた!」見つけたときの喜びが、思わず声に
では、いよいよ散策スタート。出発地点は市が尾駅西口です。西口を出ると、正面にバス停が見えます。そのバス停越しに彫刻らしきものが…。

(1)本を読むネコ
バス停の左手に行くとすぐに横断歩道があるので、渡って彫刻に近づいてみました。

「本を読むネコ」です。あぐらをかいて、分厚い本を読んでいます。何を真剣に読んでいるのかしらと思い、本をのぞいてみると…。

魚が描かれている本でした。左ページに魚全体、右ページは骨だけが描かれていたので、魚の図鑑でしょうか。大好物の魚の研究をしているのかもしれませんね。
(2)塔
次は進行方向に歩いて行き、横断歩道を渡ります。

居酒屋さんや焼き鳥屋さんの前を通ってしばらく歩くと「市ケ尾駅前公園」にたどり着きました。

「塔」がありました!

塔のてっぺんにはおじぎをしているような姿の人が立っています。

台座の裏に回ってみると、英語で何か書いてありました。
「SPITTING FROM A HIGH PLACE TO TEST THE LAW OF GRAVITY」
直訳すると「重力の法則を確かめるために高い所から唾を吐くこと」でした。重力を確認しているのですね。
(3)「魚 風景 Poisson-Paysage」

「塔」を鑑賞した後、再び横断歩道に戻って渡り、右手の歩道橋をあがります。

商店街のような雰囲気で、通り沿いにはいろいろな店が並んでいます。そのまま、まっすぐ進んでふたつ目の交差点に出ます。

「市ケ尾おさかな広場交差点」です。かわいい名前の交差点ですよね!

交差点を左折してすぐ左側にあるのが「市ケ尾おさかな広場」。ここに設置されているのが「魚 風景 Poisson-Paysage」です。

魚の胴体が空洞になっていて、景色が見える…。ということでしょうか。

ここには小さい恐竜もいましたよ! どこにいるか探してみてくださいね。
(4)「このまちはぼくたちのもの We own this town」

「市ケ尾おさかな広場」を出たら、坂道を下っていきます。けっこうな坂道です。

下りきった先には「青葉区総合庁舎」前の交差点があります。総合庁舎の敷地内に入ってすぐ右に曲がって歩いて行くと、2体の彫刻が見られるのですが、この日はあいにく工事中で、彫刻の前まで行けませんでした。

なので、外側の歩道から撮影してみました。彫刻の裏側になります。裏側から見ても、ちょっとワクワクするような彫刻ですよね!
(5)緑の朝(あした)

そのまま進行方向に歩いて行くと、フェンス越しに何やら見えてきました。

美しい立ち姿の女性像です。濃い緑の葉に守られるように堂々と立っていました。見ているこちらも、背筋がスッと伸びるような気持ちになります。
(6)田園ふあんたじい
次は隣接する「青葉スポーツセンター・青葉公会堂」へ進みます。


かわいらしい彫刻を発見しました。向かい合って座っているヘビとネコの間に、開いたままの大きな本が置かれている作品です。本のタイトルが作品名になっています。

ヘビは「蛇助」、ネコは「猫太」という名前なんですね。世の中がどんなに変わっていっても、自然の恵みを感じて未来へ希望を抱こう!ということだと思いましたが、みなさんはどう感じますか?

ひょうきんな表情の蛇助。

お行儀よくきちんと足をそろえて座っている猫太。

本の内側。見事なモザイクタイル作品でした。
(7)FRIENDS

「青葉スポーツセンター・青葉公会堂」の入口前を通って、道路に出たら左折します。「青葉消防署前」の交差点に出るので、左折しまっすぐ歩いて行くと「青葉スポーツセンター・青葉公会堂」の正面玄関側に出ます。


なんともユニークな彫刻がありました。傘を被っている人が、巨大化した右手で魚やヒト、得体のしれない生きものたちをすくいあげているように見えます。生きているものはみんな友だち、ということなのかもしれませんね。
(8)アリア

そのまま道路沿いにまっすぐ歩いて行き、「青葉区総合庁舎前」の横断歩道を渡ります。次に「市ケ尾」交差点に差しかかるので、こちらも渡ります。90mほど歩くと、見えてくる彫刻がありました。


オペラ歌手を思わせる佇まいです。それもそのはず、青葉区の説明によると「大自然への感謝、人類の平和、明日への活力の祈りをこめて詠唱する姿です。」とありました。声高らかに歌っている様子がうかがえますね。
(9)きら星からにばる、(10)イチガオ・スウィング、(11)ユニコーンのいるバードテーブル


さて、また歩みを進めて「市が尾駅入口」交差点を左折します。坂道を上って80mくらいでしょうか。左手に「市ケ尾第三公園」があらわれます。ここに残り3体の彫刻が設置されています。

公園の入口には、こんなにかわいいタイル作品があります。よく見ると、彫刻作品の場所が描かれています(実際の設置場所は1か所にまとまっているわけではなく、園内に点在しています)。

子馬に乗った少年が、空を仰ぎながら楽器を弾いています。子馬の頭には小さな角が生えているので、ユニコーンの子どもでしょうか。やさしげなメロディーが聴こえてきそうです。

ベンチに座ってサックスを吹いているかっぷくのいい男性。気持ちよさそうな表情から、穏やかな曲を奏でているように感じます。

バードテーブルを頭に載せた少女が立っています。モニュメント本体はモザイクタイル作品。小鳥や楽器らしきものが描かれています。小鳥たちが集まってくる様子を想像して、少し華やかな気持ちになりました。

少女もおしゃれをして赤い口紅を差していますよ。
これで11体の彫刻巡りを完了しました! 少し迷ったものの、彫刻を見つけたときは「あ、いた!」と思わず声に出してしまうくらい、夢中になっていました。
そして、気づいたらちょうどお昼の時間。さて、どうしようかと考えたとき、市が尾駅入口交差点から市ケ尾第三公園までの道の途中、通りの反対側でしたが、かわいいパン屋さんがあるのを思い出しました。よし、パンを買って帰ろう!ということで、立ち寄ってみました。
こぢんまりとしたかわいいパン屋さん「HYGGELIG BAKERY」(ヒュッグリーベーカリー)

ヒトコブラクダがパンをくわえている看板が目印。中に入ると焼き立てパンのいい匂いに包まれます。店名は北欧の言葉「Hygge(ヒュッゲ)」が由来。「居心地のいい空間」「心地よいひととき」という意味が込められています。その名の通り、一歩足を踏み入れると、ホッとした気持ちにさせてくれます。



店内にはスイーツ系のパンやおかずパン、バゲットなどバラエティー豊かなパンが並んでいました。人気のパンは「タルティーヌ」という、フランス式のオープンサンドイッチ。この日は「季節のタルティーヌ(タコスミート・夏野菜)」や「タルティーヌ 長芋&明太子」、「タルティーヌ アボカド&スモークサーモン」がありました。私は残り1つになっていた「タルティーヌ 長芋&明太子」を購入。

悩んだ末に追加で購入したのは季節限定の「オレンジブリオッシュ」と「ソーセージフランス」です。「タルティーヌ 長芋&明太子」は長芋のシャキシャキ感が絶妙。「オレンジブリオッシュ」は柑橘系の香りが豊かでほんのりとした酸味が美味。「ソーセージフランス」はずっしりと重量のあるソーセージが入っていて、食べ応えがありました。
旬の食材を取り入れ、手作りで焼かれるパンは、おいしさもひとしお。散策の後、ホッとひと息つくときのお供にもってこいです。ランチタイムにもティータイムにも、ぴったりのパンが見つかりますよ!
楽しみながらアートに触れられる散歩道を歩こう!
彫刻を探しながら歩くのは、とてもワクワクして時間を忘れて散策してしまいました。ひとつひとつの作品の表情やモチーフをじっくり見るのも楽しみのひとつです。私はちょっと迷いつつ歩き回ったので、1時間半ほどかかってしまいましたが、この記事を参考に回ってもらえれば、1時間くらいで制覇できると思います!
少しくらい迷っても、それはそれで新しい発見があるかもしれません。ぜひ、散策コースとしてご活用ください!
<市ケ尾彫刻のプロムナード>
・住所:神奈川県横浜市青葉区市ケ尾町1150〜1157番地および市ケ尾町31番地周辺
・アクセス:田園都市線「市が尾」駅、散策コース1周徒歩約1時間
・TEL:045-978-2216(青葉区区政推進課)
https://www.city.yokohama.lg.jp/aoba/kurashi/machizukuri_kankyo/machizukuri/default20221026.html
<HYGGELIG BAKERY>
・住所:神奈川県横浜市青葉区市ケ尾町1155-2
・アクセス:田園都市線「市が尾」駅徒歩約3分
・TEL:045-500-9275
・営業時間:8:30~19:00
・定休日:月曜、日曜、祝日
https://www.instagram.com/hyggelig_b/
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取材・文:ヒラマツアユコ
編集:MaW
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