ゲーム「FORTNITE」に渋谷を再現!東急の新しいまちづくりとその未来

東急公式サイト編集部

2026/1/21

世界中で人気を誇るオンラインゲーム「FORTNITE(フォートナイト)」。その舞台に、東急株式会社(以下、東急)が再現した「渋谷」が存在することをご存じでしょうか。

この取り組みは、「東急線沿線新サービス開発プログラム2024」のアイデアソンから生まれたもの。今回は、渋谷開発事業部でまちブランディング企画を担当するMさんに、その狙いや可能性を伺いました。

※こちらの記事は2025年6月時点の情報をもとに作成しています。

<関連記事>渋谷をアゲる。仲 里依紗さんが登場する「東急×渋谷」新CM&サイトをチェック!

渋谷をメタバースで表現する意味とFORTNITEが持つ可能性

――まず、このプロジェクトを始めたきっかけを教えてください。

フォートナイト.jpg
渋谷開発事業部でまちブランディング企画を担当するMさん

Mさん:出発点は、2024年度の「東急線沿線新サービス開発プログラム」のアイデアソンです。私は当初「シェア型企業寮」というアイデアを持ち込んだのですが、ディスカッションを重ねる中で「都市連動型メタバース」という発想にたどり着きました。そこから「FORTNITE」に渋谷を再現する取り組みが始まったんです。

東急の渋谷開発事業部の使命は、ソフト面から渋谷駅と周辺エリアの魅力を高め、持続的な都市圏の成長を支えることです。まちイベントや展示に加え、今回のようなデジタル空間での挑戦も、その延長線上にあります。

※「東急線沿線新サービス開発プログラム」:東急の中期3か年経営計画で掲げたビジョンワード「Creative Act. 」の実現を目指して実施されている、東急線沿線の価値を高める新サービス開発プログラム。東急線沿線が「住み続けたい街・訪れたい街・働きたい街」であり続けるためのアイデアを広く連結各社従業員から募り、アイデアソンを経て、採択された案件の社会実装に向けた検討をおこないます。

――「FORTNITE」を選んだ理由は?

00.png

Mさん:「FORTNITE」は全世界で6.5億人、日本だけでも270万人がプレイする巨大なプラットフォームです(2025年6月現在)。ユーザーが自由にマップを制作できる「クリエイティブモード」があり、オリジナルの都市や建物を再現できる点が大きな魅力です。

また、収益化の仕組みも整っており、Epic Games社がクリエイターに利益の約40%を還元しています。ユーザー、クリエイター、企業が共に価値を享受できるエコシステムが形成されつつあると感じました。

渋谷マップ制作の舞台裏

――実際の制作はどのように進められたのでしょうか。

Mさん:ベースには国土交通省の3D都市モデル「プラトー」を活用しました。そこに手作業で建物のテクスチャーや看板を加え、渋谷スクランブルスクエアや渋谷ヒカリエ、渋谷マークシティなどを精密に再現しています。

看板については著作権や商標の観点から調整も必要でした。例えば「天津甘栗」を「天津辛栗」に変えるなど、遊び心を交えながら工夫しています。

スクランブルスクエア.png
再現された渋谷スクランブルスクエア
ヒカリエ.png
再現された渋谷ヒカリエ
MAGNET.png
再現されたMAGNET by SHIBUYA109

マップを“インフラ”にする発想

――マップの役割をどのように考えていますか。

Mさん:渋谷マップを単なるPRではなく“インフラ”として整備したいと考えています。縦軸には「時間」、横軸には「エリア」という2つの概念を置いています。

時間軸では、過去の渋谷や未来の再開発計画を再現できます。空襲前の街並みや東急文化会館(渋谷二丁目にあった複合商業施設。2003年閉業)があった時代など、今では知る人の少ない風景をデジタルで残すことも可能です。エリア軸では、東急百貨店の跡地や施設内部など、現実では入りにくい場所も表現できます。

こうして縦横に広げていくことで「東急フォートナイトランド」のような、過去・現在・未来を自由に行き来できる渋谷が描けると考えています。

n_13344.jpg
1967年当時の東急文化会館

事業化の壁から、防災・教育・地域連携へ

――事業化の見通しはいかがですか。

Mさん:正直に言えば、FORTNITE事業だけで黒字化するのは簡単ではありません。強力なIP(知的財産権で保護された、アニメ、ゲーム、キャラクター、ブランド、ロゴ、音楽などの創作物)を持つわけではないため、収益化の壁は厚いと感じました。

ただ、都市開発における「模型」の代替や補完として活用することは可能です。模型は高額で修繕も大変ですが、デジタルマップなら短期間・低コストで制作でき、複数人で同時に体験できます。こうした点で、模型とゲームマップを組み合わせた新たなプレゼン手法も検討しています。

――事業以外の活用可能性についてはどうでしょうか。

Mさん:次の3つの領域に注目しています。

  1. クリエイター支援:正確な渋谷マップを基盤として提供し、ゲーム開発者の負荷を減らす。
  2. レジリエンス(防災):浸水や避難シミュレーションを落とし込み、防災教育に役立てる。
  3. 教育連携:探究学習の授業で活用し、若い世代に渋谷や東急への親しみを持ってもらう。

SusHi Tech Tokyo 2025(アジア最大級のスタートアップカンファレンス)で披露した際にも、自治体の方々から強い関心を寄せていただきました。

未来に向けた展望

――今後の構想について教えてください。

Mさん:まずはクリエイターとの共創を進めたいと考えています。ハッカソンやコンテストを通じて渋谷を舞台にしたゲームが次々と生まれる仕組みをつくりたい。

そして、渋谷だけでなく、二子玉川や南町田など、東急線沿線の各地に広げたいとも思っています。「あのゲームが面白かったからここに来た」という現象をつくり、リアルの集客にもつなげていきたいですね。

最終的には「東急フォートナイトランド」とも呼べる世界を構築し、東急線沿線の魅力を国内外に発信していきたいと考えています。

デジタル空間での挑戦で、未来をつくる

デジタル空間での挑戦は、これまでの都市開発の枠を超えた取り組みです。ゲームを通じて渋谷の歴史や未来を体験し、防災や教育にも役立てる。Mさんの言葉からは、「遊び」を入り口に新しい都市の姿を描こうとする情熱が伝わってきました。

掲載店舗・施設・イベント・価格などの情報は記事公開時点のものです。定休日や営業時間などは予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。

東急公式サイト編集部

東急・東急電鉄公式サイトの編集部です。東急株式会社や東急グループのサービス、イベント、東急線沿線のまちなど、東急ならではの情報を幅広くお届けします。