特別なときや食を心から愉しみたいときに訪れたい名店を紹介する、「ハレの日レストラン」。今回は、松陰神社前の一軒をご紹介します。

※この記事は「SALUS」2026年6月号の内容を再編集しています。

アメリカ帰りの店主が握る本格江戸前鮨

 松陰神社前駅から商店街を世田谷通り方面に2分ほど歩いたテナントビルの2階。ガラス戸の先に、モダンながら木のぬくもりを感じられる空間が広がります。「鮨葵」の店主・佐野裕司さんは、埼玉の鮨店の生まれ。家業を継ぐ前に海外で挑戦してみたいと25歳で渡米し、33歳にしてブルックリンで鮨店を開業。アメリカで暮らして24年がたつ頃、娘さんの進学を機に帰国し、2022年にこの場所でお店を構えました。

 佐野さんが握るのは本格の江戸前鮨。コク深い2種類の酒粕酢とさっぱりした米酢をブレンドしたシャリが、丁寧に仕事を施したネタを引き立たせます。特に自慢だという穴子は産地に捉われず、脂乗りのよいものを厳選。煮る工程にこだわり、口の中でほどけるような柔らかさに仕上げます。「修業時代に覚えた煮方に改良を重ねて今の味に。穴子の太さや厚み、脂の乗り具合によって煮る時間も変わりますし、そのあたりは経験から身についた感覚ですね。マニュアル化できない昔ながらの仕事を大事にしたいと思っています」

 伝統的な仕事を大切にしながら、リクエストに応じてアメリカ時代に人気のあった巻き寿司も提供。その程よく力の抜けたバランス感覚が心地いい、ハレの日にもケの日にも足を運びたくなる一軒です。

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○おまかせコース「江戸」は、おつまみ3~4品、握り9~10貫、巻物、玉子、お椀が付いて¥9,900。しっとり仕上げた「真蛸の柔らか煮」は、アラカルトでも注文可能。
○一度食べたらクセになるスパイシーな「ソフトシェルクラブロール」(¥2,400)。アメリカ在住経験のある方にも、懐かしい味だと好評。
○店内はカウンター席のみ。佐野さんの気さくな人柄も居心地のよさにつながっています。

■鮨葵(すしあおい)
住所:世田谷区世田谷4-1-13 アウルShoin2A
電話:03-6450-9610
営業時間:12:00~14:00(L.O.13:30)/17:00~22:00(L.O.21:30、「江戸」L.O.20:30)※ランチ営業は火・木・土曜日のみ。
休:日、水 ※おまかせコースは前日までに要予約。2026年7月に価格改定の予定。
※写真はイメージです。コースの内容は季節や仕入れ状況により異なります。
 

SALUSとは?
「ラテン語で“あいさつ”のこと。人々が出会い、行き交う場(駅)を象徴しています。東急線沿線は、まだまだ意外な街の表情や人々の魅力にあふれています。
「SALUS」は、単なる沿線紹介にとどまらず、「やってみよう」「行ってみよう」と思える魅力やアイデアを、読者の方へお届けします。さまざまな切り口から暮らしの楽しみ方を提案し、新たな世界との出会いや発見のきっかけになることを目指します。

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SALUS

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