特別なときや食を心から愉しみたいときに訪れたい名店を紹介する、「ハレの日レストラン」。今回は、洗足池の一軒をご紹介します。

※この記事は「SALUS」2026年8月号の内容を再編集しています。

常に理想を追い続ける、野菜料理の匠

  洗足池の駅を降りて歩くこと1分ほど、のどかな商店街の一角にある月夕堂。店内に入ると、少しのアプローチの先に、シンプルながらオーナーシェフである廣瀬龍一さんの美意識がそこかしこに垣間見える、洗練された空間が現れます。

 廣瀬さんは1997年、弱冠26歳で独立し、恵比寿にお店を創業。3年前にこの洗足池の地に移転オープンしました。廣瀬さんの作る料理は、確固たるフレンチの知識や技術を生かしながら、最大限に素材の個性を引き出したもの。スペシャリテである「本日の農園からの一皿」は、信頼のおける生産者から仕入れた野菜を、最もおいしくなる状態を考え抜いたうえで、ほとんど調味料を使わずに仕上げます。「元よりおいしくするのが僕の仕事ではあるんですけど、元が何かわからなくはしない」と話す通り、口に運ぶとそれぞれの野菜の味わいの輪郭がくっきりと感じられるほど。

 長年料理を続けてきたなかであらためて、何事も「好きでやっている」という純度が大切だと再確認していると言う廣瀬さん。その姿は、フランス料理の求道者でありながら、「もっと上手になりたい」という初期衝動を忘れない少年のようにも見えました。訪れる人皆に、それぞれのワクワクが待っている。そんな素敵なお店です。
 

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○スペシャリテの「本日の農園からの一皿」。この日は73種類もの野菜をさまざまな調理法を駆使して、できるだけ素材の味が生きるように再構築。コース全11皿¥13,200。
○この日のメインは「京鴨のロティ クランベリーソース」。カロットラペのピューレを添えて仕立てた、目にも鮮やかな一品。
○ゆったりと配置されたテーブル席は、穏やかな時間の流れを感じさせてくれます。

■月夕堂(ゲッセキドウ)
住所:大田区上池台2-31-11 モダンフォルム上池台1階
電話:03-6425-8857
営業時間:18:00~23:00(L.O.21:00) ※完全予約制
休:水  ※写真はイメージです。コースの内容は、季節や仕入れ状況により異なります。

SALUSとは?
「ラテン語で“あいさつ”のこと。人々が出会い、行き交う場(駅)を象徴しています。東急線沿線は、まだまだ意外な街の表情や人々の魅力にあふれています。
「SALUS」は、単なる沿線紹介にとどまらず、「やってみよう」「行ってみよう」と思える魅力やアイデアを、読者の方へお届けします。さまざまな切り口から暮らしの楽しみ方を提案し、新たな世界との出会いや発見のきっかけになることを目指します。

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SALUS

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