【目黒天空庭園】ジャンクション屋上で楽しむ、育む。緑とワインとコミュニティ

東急公式サイト編集部

2026/9/25

全国初の、ジャンクションの屋上公園として2013年に開園した「目黒天空庭園」。ループするジャンクションそのままの敷地形状が、とても個性的な都市公園です。

要塞のような高い外壁を見上げると、まるで中世ヨーロッパのコロシアム。園内の展望台から見晴らせば、緑をトッピングしたドーナツが空に浮かんでいるような姿。公園としてだけでなく、構造物としても一見の価値があります。通りかかるたびに気になっていた、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな都会の“天空”で、ぶどうや野菜が育てられていると聞き、訪れてみました。

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首都高「大橋ジャンクション」の屋上

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施設案内図

田園都市線「池尻大橋駅」のほど近く。周辺のマンションやオフィスビルとは一線を画す、とても目を引く構造物があります。首都高速道路の3号渋谷線(地上約35m)と山手トンネル(地下約35m)という、高低差のある2つの道路を接続する「大橋ジャンクション」です。

ジャンクション自体は、上り下り交互に4層のループ構造となっています。この一周約400m、約175m×約130mの楕円の屋上に広がるのが、「目黒天空庭園」。今回は、東~南~西と中断することなく散策できる屋上ループを中心に歩いてみました。

再開発によって生まれた、まちの顔

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目黒天空庭園・オーパス夢ひろばの全景(目黒区提供)

「目黒天空庭園」は、地域住民や東京都、首都高速道路、そして目黒区の4者が協働する「まち・みち・再開発一体型プロジェクト」の中で誕生したスポットです。

“緑の多い施設を”という地元の要望を受けて、別名は「大橋グリーンジャンクション」。都会の真ん中で、さまざまな条件を満たした結果が、この個性的な構造物なのです。道路として、公園として、街づくりとして2013グッドデザイン賞や土木学会デザイン賞2015など数々の賞を受賞しています。

ちなみに、「大橋ジャンクション」が誕生する前、この場所は東急バスの操車場で、さらにその昔は“玉電”の車庫だったということで、東急とのご縁が深い場所でもあります。

特徴は、“リング形状”と“高低差”

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展望台から見た屋上ループの緑景

地上部分の高低差は約24m。複数の出入口のうち最も高いところは、一体開発された高層建物の9階で、「大橋図書館」などの目黒区立施設と接続しています。この出入口のすぐそばには展望台「富士見台」が設置されており、その名の通り、天候や時間によって富士山が望めます。

庭園の全景に目を移すと、結構な高低差!とはいえ、歩いてみるとそれほどキツさは感じません。勾配は約6%、園内に自転車は入れませんが、もしも自転車ならサドルに座った状態で上っていけるくらいの緩やかさです。

展望台から管理棟まで、歩いてみました

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9階の出入口正面「東口広場」。このあたりが最も高い場所となります。緑と空の色彩が多く、都会とは思えぬ開放感です
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「東口広場」と直結した高層建物の9階、目黒区立施設の入口。庭園散策と、空調の効いた図書館滞在を交互に楽しんでいる親子連れが多いようですね。平日数時間のちょっとしたお出かけなどにぴったりです
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展望台の「富士見台」。雲がなければデッキからアカマツ越しに富士山を望めます。公園のループを辿ると高低差を実感。端から端まで散策を楽しむと、ビル5階分くらいを上る(あるいは下る)ことになります
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地被植物も多く配置、空を眺め、緑花を楽しみ、ゆっくりと歩きます
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「四季の庭」。花の香りが漂うように、北から南に花の段々畑があるエリアです。階段とつづら折りの坂道、どちらも快適。なおペット同伴の際は管理棟でお散歩登録が必要ですが、多くの愛犬家がお散歩していました
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「あそびの広場」。穏やかな曲線を描く築山が、野原の景色を演出したエリアです
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「くつろぎの広場」は日本庭園の趣が演出されています。風が通り抜ける四阿(あずまや)で心地よく小休憩
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手間ひまをかけた仕立物のマツが、和洋折衷の景色を演出しています
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「くつろぎの広場」にあるエレベーターは、目黒川沿いの出入口。池尻大橋駅から最もわかりやすい公園へのアプローチはこちらです
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エレベーター正面のデッキには、緑の屋根をつくるパーゴラと水のみ場があります。モッコウバラなどつる性植物が覆い、モダンな雰囲気
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園内でもひときわ開けた芝生広場。日向ぼっこやランチを広げるのに、たまには芝生に座してみてはいかがでしょうか
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「潤いの森」。木陰に癒やされる雑木のトンネルで、花木を愛でます
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「コミュニティスペース」のぶどう棚。柱の覆いはこの時期に実をつけたぶどうを食べる害鳥獣除けだそうです
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管理棟正面の「西口広場」。紅葉の美しいコハウチワカエデを主木とした迎賓空間で、このあたりは隣接ビルの5階と接続する高さになります

“収穫”を楽しめるコミュニティスペース

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天空にポッカリと浮かぶ畑がなんとも贅沢な「コミュニティスペース」

「コミュニティスペース」は庭園の西側。暮らしの中で親しまれている花木、野菜、つる植物、実のなる柑橘類などが植栽されています。主にボランティアグループの「目黒天空庭園栽培ガーデニングクラブ」が活動するゾーン。きれいに整った花壇や畑を見れば、充実した活動であるのは容易に想像できます。土に触れる時間は無心にもなれそうです。

「目黒天空庭園」は、その誕生から運営まで多くの地元の方が関わっています。「NPO法人大橋エリアマネジメント協議会」が橋渡し役で、毎年「収穫祭」や「桜まつり」、お子さまにうれしい「収穫体験」などを企画しています。通りがかりの方から“収穫祭が楽しみ。今年はいつ?”と、ボランティアの皆さんにお声がかかるなど、イベントも定着しているようです。

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ダイダイか、スダチかユズか…熟す前の柑橘が青空に映えてさわやかです
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害虫を寄せ付けにくいコンパニオンプランツのマリーゴールドが、日差しの下で力強く咲いています
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月2回の定期活動と、“気付いたとき”に、ボランティアさんがこまめに手入れをされています。訪問日にはナスにピーマン、大葉、ミントやレモングラスなどを収穫していました

ワインをつくる「目黒天空庭園栽培ガーデニングクラブ」

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ぶどう棚で、袋掛けをしたぶどうの様子を確認

毎月第2・第4土曜日に定期活動している「目黒天空庭園栽培ガーデニングクラブ」。代表の高橋さんに、お話を伺いました。

「『目黒天空庭園』の畑は私たちが管理していますが、地域みんなの畑です。家のそばで土に触れ、植物の成長を感じることのできる体験は都会では特に貴重。自身で育て、収穫したものは味も格別です。また、ここの目玉は、やはり開園以来の“ぶどう棚”。マスカット・ベーリーAという赤ワインに適した品種で、収穫祭に向けて毎年、300本のワインを醸造しています。代表として10年になりますが、限られた環境の中で毎年さまざまな苦労があり、それさえも楽しいです」とのこと。

足りないぶどうや醸造については山梨県甲州市勝沼のワイナリーの協力を得ており、「いつか100%目黒天空庭園産のぶどうで」という目標は、クラブメンバーみなさんの想いです。

ご近所の方、“ぶどう”を目当てに、同僚に誘われて、と入会理由はさまざまですが、メンバーのみなさんが植物と向き合う姿は一様に楽しそう。今年のワインの仕込み、花壇や畑の状況などを、作業前の定例会議や休憩時に話し合います。休憩ではなんと、採れたて野菜がお茶請け。日差しの下での作業後、何より勝るお味ではないでしょうか。

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目黒区でぶどうの栽培は、なかなかできない体験。ぶどう棚は4列もあり、収穫時は大変そうです
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畑を整えながら、クラブメンバーの手によって次々とお野菜が収穫されていきます
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休憩時に供されたナスの浅漬け。ご厚意でご相伴にあずかりました!採れたての新鮮な滋味が身体に染みます
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こちらはレモングラスを即席ティーバッグに。さわやかなアイスティーが暑い日にぴったりで美味しい!
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畑のサトイモの葉。雨や朝露がハート型の葉の中に溜まる姿に癒やされ、また葉焼けに日差しの強さを実感するそうです

<目黒天空庭園栽培ガーデニングクラブ>
・活動内容:ぶどうの栽培、ワインイベント、無農薬野菜の栽培、収穫還元、ボランティア清掃・除草
・活動日:第2・第4土曜日 9:30~(夏季など天候等により9:00~の場合もあります)
・年会費:1,000円(税込/2026年度時点)
・お問い合わせ:現地で直接活動をご確認のうえ、お声がけください。または目黒区役所道路公園課(03-5722-9242)を経由してお問い合わせください
・イベント告知・ワインの予約などはこちら(NPO法人大橋エリアマネジメント協議会)
https://machi-oohashi.net/

楽しみ方自在な都会の緑を訪ねて

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漢字で百日紅と書く通り、約100日間にわたって鮮やかな花を咲かせるサルスベリ。空に映えます

渋谷からひと駅。田園都市線池尻大橋駅より徒歩約3分という都会で、今回は「空」と「緑」と、「土」を感じる散策が満喫できました。多くの花木が届ける季節を見つけに出かけるのはもちろん、中目黒駅からも徒歩20分ほどなので目黒川散策の目的地のひとつに、グルメを堪能した後の腹ごなし散策にと、気軽な立ち寄りにおすすめの場所。お近くなら、四阿やベンチでランチを広げるのもいいでしょう。車も自転車も目に入らない、なだらかな散歩道は空も広く、心が落ち着く景色です。

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夏の暑さにも負けないマリーゴールド
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目黒天空庭園栽培ガーデニングクラブのメンバーは、さわやかなミントもお持ち帰り
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池尻大橋駅東口を出ると、目の前に首都高3号線・玉川通り沿いに案内看板があります。地図中央の緑の楕円が目的地
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徒歩約3分、目黒川沿いに個性的な建造物が見えてきます。近寄れば近寄るほど、その高さにびっくりしますよ
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壁面にはつる植物のオオイタビなどが植栽され、“街並みの緑”となっています
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壁に囲まれた地上の「オーパス夢ひろば」には、フットサルコートやベンチ、小さな公園があります

地上から見る9階分の壁の高さは壮観。壁内の「オーパス夢ひろば」は約3,000平方メートルの広さがあり、一般利用のほか団体予約や夜間(有料)利用ができます。訪問日も、サッカー練習をするキッズたちが頑張っていました。開園時間や利用ルールが庭園とは異なりますのでご注意ください。

なお、換気所屋上にも緑が見えますが、こちらは首都高が整備する自然再生緑地「おおはし里の杜」です。目黒川を軸としたエコロジカルネットワークの拠点になっていて、生き物への配慮等のため一般公開は年に数回。地域の小学生が稲作体験をしたりしているそうです。

このほか、「目黒天空庭園」の利用ルールは以下の通り。ルールを守って気持ちよく利用したいですね。

  • 目黒天空庭園の利用ルール
    • 園内禁煙
    • いきものの採取/損傷禁止
    • 自転車走行禁止
    • スケートボード使用禁止
    • 火の使用禁止
    • 夜間/早朝の騒音注意
    • ゴミは持ち帰り(ゴミ放置禁止)
  • ペットの利用ルール
    • ペットと一緒に利用できるのは園路のみ
    • 引き綱をつける(フリーリード不可)
    • フンは持ち帰る
    • ペットの直接的な水飲み使用禁止
    • エレベーター利用時はペットを抱える
    • ペットお散歩登録証を見えるように携帯する

※ペット同伴で利用する方は、目黒天空庭園管理棟で「ペットお散歩登録」をして、ルールを守ってご利用ください(お散歩登録証の有効期間は、登録した年の翌年12月末まで。有効期間が過ぎた場合は再度登録手続きが必要です)

<目黒天空庭園>
・住所:東京都目黒区大橋1-9-2 
・アクセス:田園都市線池尻大橋駅より徒歩約3分
・TEL:03-3464-1612(音声自動案内電話)
・開園時間:7:00~21:00
・入園料:なし
・休園日:なし(荒天など気象条件によっては閉園する場合があります)
(情報は2026年8月取材時点のものです)

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取材・文:haruta kana(東急公式サイト編集部)
編集:MaW

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