ノンアルはしご酒

下戸だって飲み歩きたい!東横線沿線で「ノンアルはしご酒」【前編・都立大学駅】

Urban Story Lab.

2025/6/7

「バーやビストロ=お酒を飲む場所」というイメージが強いけれど、本当は下戸だって雰囲気を楽しみたいし、料理やドリンクのペアリングも味わいたい! でも、私をはじめ、下戸にとっては「ノンアルを頼んだら浮くかも…」「長居しづらい…」と、足が遠のいてしまうこともしばしば。

そんな私が今回挑戦したのは、下戸でもお酒のスポットを楽しめる「ノンアルはしご酒」。東横線沿線でノンアルコールメニューが充実し、下戸でも心置きなく過ごせるお店を巡ってきました!

いちじく舞
1990年生まれ千葉県出身。フリーランスのライター・編集者。お酒がめっぽう弱く、頑張って飲んだとしても1杯で、顔が赤くなってしまうが、バーやビストロなどで常連同士が楽しそうに会話している風景に憧れがある。

今回、下戸の私が「ノンアルはしご酒」を楽しんだのは次の2店。それぞれ前編と後編に渡ってご紹介していきます。
・都立大学駅「bistro nid(ビストロ ニド)」
・自由が丘駅「SAKABA SOU Dining・Bar(サカバ ソウ ダイニングバー)」

前編となる今回は、都立大学駅にある「bistro nid」で、料理とノンアルコールワインのペアリングを楽しんできました!

女性一人でも安心!ここでしか味わえない創作料理と特製ノンアルコールカクテル

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はじめまして、ライターのいちじく舞と申します。私はお酒があまり飲めず、頑張って飲んでも1杯が限界で、顔も赤くなってしまいます。

下戸の私でも、気軽に入れるバーやビストロあれば、「もっと料理や会話を楽しめるのになあ」と、ずっと思っていました。そこで今回、下戸の私でも気兼ねなく“はしご酒”気分を味わえる東急線沿線のお店を巡ることに。

最初に訪れたのは、都立大学駅から徒歩5分の場所に店を構える「bistro nid(ビストロ ニド)」。

ここでは、和食とフレンチを融合したこだわりの逸品を堪能することができます。趣向を凝らした料理が味わえるほか、ノンアルコールカクテルのメニューが豊富なのも「bistro nid」の魅力。下戸の人にも寄り添ってくれるありがたい存在です。 

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店主の黒葛原(つづらはら)さんにまずお話を伺いました

いちじく:おしゃれな雰囲気の店内。女性一人で来られる方もいらっしゃるんですか?

黒葛原さん:結構多いです!ランチタイムはもちろんディナータイムにもいらっしゃいますね。「この店はどこで知っていただいたんですか?」「お近くですか?」など伺って、積極的にコミュニケーションをとっていただけそうなら、会話を挟みながら料理を提供したりもしています。

いちじく:いいですね!コミュニケーション欲が満たされそう。常連さん同士で会話が盛り上がったりもするんですか?

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黒葛原さん:そうですね。共通の話題がありそうなら、こちらから軽くアシストしたりもします。

いちじく:気遣いが嬉しいですね。私のように下戸の人だと余計に「話に入りづらいかな」と構えてしまうことがあるので、店員さんが少し声をかけてくれるだけでも、コミュニティの輪に参加しやすくなるんです。しかもノンアルコールカクテルがあれば、周囲の雰囲気に溶け込みながら自分のペースで楽しめそうです。

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黒葛原さん:そうですね。当店では、アルコールメニューと同様に、料理に合わせたノンアルコールワインもご提案しています。

いちじく:今日ご用意いただいた前菜の「戻り鰹の藁焼きと赤玉ねぎの南蛮仕立て」(2,200円税込)にペアリングしていただいたのはどんなノンアルコールワインなんでしょう?

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黒葛原さん:「梅昆布出汁、ざくろ果汁の薄旨赤ワイン」(950円税込)ですね。

いちじく:梅昆布出汁とざくろ果汁……!?最初からフシギな組み合わせですが、燻製のような香りがしますね。

黒葛原さん:最初にひのきチップスをあぶってグラスに香りを移してるんです。こうして香りを付けるとカクテルの味もまろやかに変化するんですよ。

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いちじく:まずは一口ノンアルコールワインをいただきます。……ゴクッ。
すごい!フルーティーな酸味と出汁特有のコクが見事に調和してる!

黒葛原さん:ありがとうございます。では、ぜひ料理と一緒に召し上がってください。

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いちじく:わ、これはおいしい!肉厚なカツオがビネガーの酸味と出汁の風味とマッチして、そこにキヌアの食感がアクセントになってます。カツオとししとうを一緒に食べると和のテイストが増して、味の印象が変わりますね。

黒葛原さん:フリットしたおくらをカツオと組み合わせることで、南蛮漬けの味わいを再現しています。

いちじく:ドリンクと料理、どちらにも酸味と出汁の風味があるので、相性も抜群ですね。

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黒葛原さん:和食とフレンチのいいところを取り入れつつ、ノンアルコールワインでもしっかりペアリングを楽しめるよう工夫してるんですよ。

いちじく:下戸だとペアリングが憧れで終わることが多いんですが、これなら存分に料理と飲み物の組み合わせを楽しめます! 

料理を引き立てるノンアルコールワイン。鴨肉とのマリアージュに感激

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メインの「近江鴨ロースの炭火焼き」(4,400円税込)

いちじく:お次はメイン料理の「近江鴨ロースの炭火焼き」ですね。

黒葛原さん:ビーツのピュレと、鴨の端材と鶏出汁をベースに甘口ワインのポルト酒を加えて仕上げたソースを乗せています。旨味を凝縮させたセミドライの巨峰とも一緒に召し上がってみてください。

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いちじく:ジューシーな鴨肉と甘味のあるフレッシュな味わいのソースの組み合わせが絶妙です。ピリッとした粒胡椒も良いアクセントになっています。ソースや添えられた食材の組み合わせを変えることで、一口ごとに旨み、甘味、酸味のバランスが変化しますね。

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黒葛原さん:このお料理にペアリングするノンアルコールワインは「ハイビスカス、碁石茶、ビーツ、グリオットの赤ワイン」(950円税込)です。高知県産の碁石茶をベースに、ハイビスカスや発酵ビーツのシロップ、グリオットチェリー(フランスのサワーチェリー)、マーガオ(台湾や中国で使われるスパイス)などを煮出して、赤ワインの風味を表現しています。

いちじく:果実やビーツのみずみずしい甘味がダイレクトに感じられる味わいですね。ワインはあまり飲んだことがないのですが、こんなに奥深い味わいを出せるなんて驚きです。

黒葛原さん:ビーツは自然由来の甘さと独特の香りが料理に相性がいいので、ノンアルコールで赤ワインを再現するときに活用するお店が多いんです。

いちじく:カクテルにもお料理にもビーツが使われているので、一体感がありますね。鴨肉の旨味を引き立てながら、全体的なまとまりを感じます!

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黒葛原さん:そうですね。ノンアルコールカクテルは、ワインと同じで料理の美味しさを際立たせるものだと思っています。

いちじく:そうなんだ。ワインだと特にすぐ酔ってしまうので普段は飲まないんですが、ワイン好きと同じ楽しさを共有できて嬉しいです。ノンアルでも料理と一緒にここまで奥深い味わいを楽しめるなんて感動しました!

bistoro nid
・住所:東京都目黒区八雲1丁目5−2
・電話番号:03-6459-5572
・営業時間:ランチ 11:30〜14:30(最終入店:予約12:30/当日席13:30)、ディナー 18:00〜23:00(LO.21:30)
・定休日:月(月曜日が祝日の場合は火曜日休み)
https://www.instagram.com/nidbistro/

ノンアルコールでも気兼ねなく楽しめる都立大学の「bistro nid」さん。こだわりのノンアルコールワインと料理のペアリングが堪能できました。お腹もいっぱいになったところで、次はノンアルコールカクテルを作ってもらいたい!

ということで、後編は自由が丘にあるカクテルバーで、ノンアルコールカクテルを飲んでいきたいと思います。後編もお楽しみに!

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文/いちじく舞
編集/高山諒(ヒャクマンボルト)
写真/Ban Yutaka

掲載店舗・施設・イベント・価格などの情報は記事公開時点のものです。定休日や営業時間などは予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。

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