
こんにちは。東急公式サイト編集部です。
“八百万(やおよろず)の神”という言葉があるように、日本には古くから自然界のあらゆるものに神が宿るという考えがあり、信仰されてきました。また、仏教が伝来すると、各地に仏様を祀った寺院が建てられ、日本古来の神道と仏教信仰が融合する「神仏習合」の歴史が始まりました。
23区で唯一の渓谷である「等々力渓谷」を有する等々力駅の周辺には、古来から人々に信仰されてきた神社仏閣が点在しており、訪れた人にさまざまなご利益を授けてくれます。
今回は、そんな等々力駅から徒歩圏にあるパワースポットを4つご紹介しましょう。
武将も信仰した等々力渓谷内のパワースポット「等々力不動尊」
最初に目指すのが、「等々力渓谷」の中にある寺院の「等々力不動尊」です。筆者は、今回初めて大井町線 等々力駅に降り立ったのですが、駅舎と線路がまちとすごく近くコンパクトで、すぐ目の前には渓谷へつながる用賀中町通りがあります。通りにはスーパーや飲食店なども色々あって、住みやすそうなまちです。


本来であれば、ここを右折すると渓谷の入口であるゴルフ橋の脇から渓谷へ入れるのですが、残念ながら現在の「等々力渓谷」は、倒木の影響で立ち入り禁止になっています(2025年3月時点)。今回は、右折せずに用賀中町通りをさらに進み、目黒通りに入ります。しばらくすると、「等々力不動尊」の山門が見えてきます。等々力駅からは歩いて8分ほどです。

「等々力不動尊」は平安末期に開かれた歴史ある寺院で、大日如来(だいにちにょらい)の化身とされる「不動明王」が祀られています。不動明王の名はサンスクリット語の「アチャラ(動かない)ナータ(守護者)」が由来となっており、商売繁盛、交通安全、厄除けなどのほか、恋愛や縁結びにもご利益があると言われています。


「等々力不動尊」の不動明王は「お不動さん」と呼ばれています。お不動さんにお参りした後は、本堂の左手の「等々力渓谷」につながる石段を下りて、次のパワースポットへ向かいましょう。



さらに石段を下っていくと、ゴゴゴゴゴッという水の音が聞こえてきます。この正体こそが、等々力(轟=とどろき)の名前の由来にもなった「不動の瀧」です。

“利剣の瀧”とも呼ばれたこの滝は、霊泉の湧きだす霊地として信仰されてきました。この霊域と美しい環境を守るための活動をしている瀧轟会メンバーの方々が、定期的に滝の清掃や滝行を行なっているそうです。現在は昔ほどの水量はないようですが、鳥がさえずる穏やかな渓谷の中でとどろく滝の音はまさにスピリチュアル。「不動の瀧」を見るために来た、外国からの観光客もたくさんいました。
ほかにも境内には、真言宗の開祖である弘法大師(空海)の幼いときの姿を現した「稚児大師」の像や、財運上昇と良縁成就にもご利益があると云われる「弁財天」を祀る弁天堂も。ここだけでもパワースポット巡りが楽しめます。



偉大なる渓谷に見守られながら、昔から多くの人々に信仰され、現在もパワースポットとして訪れる人が後を絶たない「等々力不動尊」。現世で叶えたい願いがある方はぜひ参拝してみてください。
■等々力不動尊
住所 東京都世田谷区等々力1-22-47
TEL 03-3701-5405
営業時間 24時間(札所は9:00から16:00まで)
定休日 なし
URL https://www.manganji.or.jp/fudouson/
「一言地蔵」が願いを叶える「満願寺」と 、8体の神が祀られる地域の古社「玉川神社」
続いてのパワースポットは、平安時代末期に建立された真言宗智山派の「満願寺」です。場所は等々力駅北口より徒歩4分ほどの目黒通り沿いにあります。実は、この「満願寺」は「等々力不動尊」の兼務寺でもあります。満願寺の本尊は大日如来で、その化身が等々力不動尊の不動明王なので、両院のつながりが分かりますよね。



「満願寺」は、室町時代に世田谷城主だった吉良氏の居城のひとつに、祈願寺として1470年に開基された歴史ある寺院です。
境内には年3回だけ開帳する桧皮葺総檜造りの大塔などもあります。「満願寺」を訪れたら、本堂の左手にある講堂にも訪問しましょう。講堂には「一言地蔵」というお地蔵様が祀られています。心をこめて一言祈願すると願いが叶うことから、「一言地蔵」の名が付けられたそうです。

■満願寺
住所 東京都世田谷区等々力3-15-1
TEL 03-3705-1622
営業時間 8:00〜16:30(17:00閉門)
定休日 なし
URL https://www.manganji.or.jp/
続いて、「満願寺」からすぐの「玉川神社」へ。等々力駅からも徒歩5分ほどです。「玉川神社」は、もともと熊野神社と言われており、1500年代の初め頃に吉良氏によって勧請されたと伝えられています。その後、周辺の神社と合祀して「玉川神社」と改称したそうです。

「玉川神社」はとにかくご祭神が多様で、ざっと天照大御神(あまてらすおおみかみ)・伊邪那岐神(いざなきのかみ)・伊邪那美神(いざなみのかみ)・大国主神(おおくにぬしのかみ)……など、計8体(八柱)の神様が祀られています。ご利益も広範囲なのですが、特に伊邪那岐神と伊邪那美神が夫婦の神様として知られていることから、子宝や安産祈願などで訪れる方も多いようです。

境内には世田谷区指定の天然記念物であり、ユニークな樹形で有名なクスノキがあります。本来のクスノキは真っ直ぐ成長するのですが、玉川神社のクスノキは幹の太さが約7メートルと肥大化して、まるでトックリのような見た目をしていることから、「とっくりグス」という愛称がついています。



八柱もの神々が祀られているご利益たっぷりな「玉川神社」と先ほどの「満願寺」がある等々力駅北口一帯は、地域の歴史を現在に伝える場所であり、豊かな自然環境を有していることから、2002年に世田谷区の地域風景資産に選定されています。ほかにも数多くの寺社が点在しているので、風景を楽しみながら、地域のパワーを感じてみてください。
■玉川神社
住所 東京都世田谷区等々力3-27-7
TEL 03-3701-1617
営業時間 参拝時間は自由(社務所の開所時間は時期により異なる)
定休日 なし
URL https://tamagawa.lp-prime.com/
インドの神 ガネーシャも祀られる摩訶不思議な「影光山 善養密寺」
最後は、等々力の中でも異彩を放つ!?世田谷区野毛の閑静な住宅街の中にある広大な寺院「影光山 善養密寺」をご紹介します。等々力駅からは徒歩20分ほどと離れているので、駅から東急バスを利用するのもおすすめです( 「不動下」バス停下車)。
筆者は駅から歩きましたが、寺院の周りは坂が多く、大豪邸も多数見られました。

「影光山 善養密寺」は真言宗智山派の寺院で、京都の総本山智積院の末寺です。智積院で修業を積んだ僧侶・祐栄阿闍梨(あじゃり)によって、慶安年間(1648~1652年)に開山されました。境内には推定樹齢700~800年の御神木である大榧(カヤ)があり、地元では「カヤ寺」と呼ばれて親しまれています。


「影光山 善養密寺」の注目すべきポイントなのが、境内の至るところに並んでいる石像の数々です。住職にお話を伺うと、これらは江戸時代に中国で作られたものが多いのだとか。住職曰く「たくさんの人のそれぞれの願いを石像に込めている」とのこと。





インドの神様にも出会える「影光山 善養密寺」には、外国からの参拝者も多いそうです(住職談)。
さて、等々力駅周辺のパワースポット巡りはいかがだったでしょうか。叶えたい願いや厄除けをしたい方は神様や仏様のパワーを授かるべく、等々力駅を訪れてみてくださいね。
■影光山 善養密寺
住所 東京都世田谷区野毛2-7-11
TEL 03-3704-0643
営業時間 24時間
定休日 なし
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取材・文:TAKEKO(東急公式サイト編集部)
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東急公式サイト編集部
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