古代に思いを馳せる古墳、色彩豊かなあじさい、パノラマ眺望。「多摩川台公園」で、盛りだくさんな散策

東急公式サイト編集部

2026/3/9

東京都大田区の西端部、多摩川左岸の“古墳密集地帯”に整備された「多摩川台公園」。
多摩川に沿って細長くのびる丘陵地に約750メートルにわたって展開しており、面積は約6万8,000平方メートルとかなり広い公園です。

古墳や野草園、桜、あじさいなど散策好きの興味を惹くキーワードも多く、何より駅から徒歩約1分と、アクセスがとっても便利!どんな景色と情報に出会えるのか、楽しみにしつつ訪れてみました。

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多摩川駅西口より徒歩約1分の近さ!

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『いつものコースではなくて、ちょっと気分を変えたお散歩をしたいな』という際にうれしいのが、“駅近”の目的地です。
「多摩川台公園」は、東横線・目黒線・東急多摩川線の多摩川駅より徒歩約1分。駅から公園までのルートは「階段ルート」と「坂道ルート」の2つです。

「階段ルート」は、西口を出て「左折」し、高架の手前で右に目線をやれば、すぐに入口階段が見えます。
ベビーカーやキャリーケースをお持ちの方なら、「坂道ルート」がおすすめ。西口を「右折」して、最初の横断歩道に差し掛かった際に左を向けば正門が見えます。坂道を徒歩3~4分。こちらは段差がなくて安心です。

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「階段ルート」の入口は、見上げる階段。季節にはあじさいの花に迎えられます
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「階段ルート」 で階段を上りきると、今度はすぐに多摩堤通りへの下り階段。『細長い敷地だな』と実感できる景色です
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「坂道ルート」で行くことができる正門。丘の上の公園なので、坂を上った場所になります

園内をまわってみよう!

約4,000株のあじさいが咲く「あじさい園」

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「多摩川台公園」で有名なもののひとつがあじさい。多摩川駅に最も近い、南東の端に「あじさい園」があります。毎年6月上旬から中旬にかけて、7種類・約3,000〜4,000株のあじさいが斜面一面に咲きほこります。梅雨の季節を彩る名所として親しまれています。

地形を巧みに利用し、あじさいの間を縫うように散策路が設置されているのが特徴。斜面とカーブした散策路が立体的な見応えを演出します。四阿(あずまや)からは「あじさい園」のほぼ全景が見渡せます。

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ガクアジサイや西洋アジサイ(ハイドランジア)を中心に7種類が混植され、青、紫、ピンク、白など色とりどりのあじさいに囲まれます

調布浄水場の跡地にある大人の散策路「四季の野草園」

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「あじさい園」のお隣、「四季の野草園」はイングリッシュガーデンのような雰囲気で、野草というよりも落ち着いた佇まいが魅力です。花壇には絶えず新しい花が植えられていて、いつ訪れても綺麗。大抵はカメラが趣味と思われる方が草花にレンズを向ける姿に出会います。結婚式の前撮りなどフォトスポットとしても人気です。「あじさい園」と、この「四季の野草園」は、実は1967年に廃止された調布浄水場の跡。段差や遺構にその名残を感じます。

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四季の野草園は調布浄水場の“ろ過池”の跡
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コニファーや低木、ハーブ類でガーデンが設えてあります
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花壇には冬にも強いパンジーやビオラが彩りを添えています

風の音、鳥のさえずりを楽しむ「雑木林のみち」

「四季の野草園」のさらにお隣には「水生植物園」があるのですが、水辺は時季外れのため、一旦、公園の全体像を把握するために眺望のよい散策路を歩いてみます。散策路は、多摩川沿いの崖線周辺に残る豊かな自然や古墳群をめぐる「雑木林のみち」となっています。

自然をより身近に感じられる素敵な道ですが、起伏があって歩き甲斐もあります!水分補給のための飲み物を手に、のんびり行きましょう。

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木々の隙間からは多摩川が見下ろせます
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階段状の散策路も綺麗に整備されていて歩きやすいです。でもやっぱり少しキツイ!

富士山や南アルプスまで見渡せる「多摩川八景見晴台」

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雑木林の木々の隙間に多摩川の流れを眺めつつ歩きます。すると、ちょうど散策路と正門が交差するあたりに「多摩川八景見晴台」という広場が現れます。ところどころにベンチが置かれ、特に眺めのよい場所には四阿も設けられており、ひと休みする方もたくさんいました。晴天時には丹沢山地や富士山、南アルプスまで見渡せる眺望が魅力です。

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多摩川台公園は「多摩川八景」のひとつ(出典:関東地方整備局ウェブサイト
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見晴台にはベンチが数台あり、その少し手前には四阿と水飲み場もあります

自然観察にぴったりの「水生植物園」

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「水生植物園」は、かつて調布浄水場の沈殿池だったところです。往時の姿を残すように整備されていて、ちょっとレトロな、いい雰囲気。ボードウォークがめぐらされ、スイレンやアサザ、ハナショウブやアヤメなどの湿地の植物を間近に見ることができます。桜のお花見にも好適なスポット。

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スイレンは6月~9月頃が見頃です
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水道施設の遺構が利用されています

遊具のある「第一・第二広場」は子どもたちに大人気

大きな公園としてイメージしがちな広大な芝生広場こそないものの、「多摩川台公園」にはお子さまの遊ぶ場所がたくさんあります!草花に触れるだけでなく、遊具のある広場が2か所。また「第一広場」につながる正門前も広場になっています。こちらは鉄棒があって、トイレや自動販売機も近く、近隣の保育施設の子どもたちなどもよく遊んでいます。

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第一広場。古墳を彷彿とさせる形が特徴の、ちょっとユニークなすべり台があります
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第一広場は正門前広場のすぐ横です
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第二広場は公園のかなり北側、後ほど紹介する「虹橋」の先にあります。遊具が充実!
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第二広場のブランコ。見晴らしがよく、飛んで行けそうな気分です

多摩川流域の歴史を今に伝える10基の「古墳群」

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多摩川流域の大田区田園調布から世田谷区野毛の周辺は、東京で古墳の集中する数少ない地域。その中で、大田区側の古墳群は「田園調布古墳群」と呼ばれています。
田園調布古墳群の大部分が、この「多摩川台公園」。ちなみに、“古墳”の二文字には、古=いにしえの時代、墳=盛土をした墓、という意味があります。盛土という言葉が木々の茂る丘やアップダウンのある公園の景色と重なり、思わずなるほど!と感じます。

国の史跡に指定されている「亀甲山古墳」(かめのこやまこふん)は、田園調布古墳群の中で最大の前方後円墳。築造当時は墳丘長107.25メートルもあったそうです。公園の正門から南東側が、その一帯にあたります。

公園の北西には、東京都指定の史跡「宝萊山古墳」(ほうらいさんこふん)。この宝萊山古墳と亀甲山古墳に挟まれて連なる大小の古墳は「多摩川台古墳群」で、同じく東京都指定の史跡です。これらの古墳が「多摩川台公園」を形成しています。

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「亀甲山古墳」は国指定の史跡
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散策路脇の丘は古墳群で、ここは「第1号墳」です。樹木がそびえ、地面の多くは笹で保護されています
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「第2号墳」脇の散策路。こんな感じで「第7号墳」まで北へ向かって散策路が続いています
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古墳群の案内看板は、公園内にいくつか掲示されています。最新のガイドブックによると第1・2号墳は、その名も有名な前方後円墳。第3~8号墳は円墳(えんぷん)で、第8号墳が古墳群の中で最も新しいものといわれています
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細長い公園を分ける、歩行者専用の陸橋「虹橋」。少し前までは朱色の橋でした。虹橋より北にあるのは、第8号墳と宝萊山古墳、そして第二広場。下には道路が通っています
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「虹橋」下の道路。この坂を下っていくと多摩川に出ます
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細長く広い公園ですので、出入口はたくさんあります。こちらは第二広場に近い出入口。田園調布らしいハイソな邸宅街に向き合っており、はす向かいはエチオピアの大使公館です
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第二広場近くの出入口よりさらに北側が「宝萊山古墳」となります。案内看板のほかは、アップダウンのある散策路が続くのみ。樹木が多いので、夏場は涼しいかもしれません

古代にタイムスリップ!「多摩川台公園古墳展示室」

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公園内には、無料で公開している「多摩川台公園古墳展示室」があります。
展示室内のほとんどが、6世紀後半に築造された古墳の後円部をイメージしたジオラマ。横穴式石室にあたる部分が主な展示ブースという、凝ったつくりとなっています。

石室内の展示ブースには、田園調布古墳群に関する情報が並びます。出土した副葬品や、円筒形の埴輪などのレプリカを展示。古墳の造られた時代によって、副葬品のクオリティにかなりの差があり、感心させられます。

当時の墓前祭が行なわれるときの服装や髪型の人形、古墳の造り方の解説などもあり、面白く学べます。ただし要注意。石室には「木棺に埋葬された首長」がいます。レプリカにビックリして、思わず声を上げてしまいました!

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「多摩川台公園古墳展示室」外観
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自動ドアを入って右手です。無料で自由に観覧することができます
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横穴式石室を持つ全長60メートルの“前方後円墳”の後円部一部を切り取ったジオラマ
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石室内の展示ブースは、古墳が築造された時系列で副葬品などが並べられています
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出土品をもとに再現された古代人の人形。墓前祭の装束で、詳細な説明もついています

<多摩川台公園古墳展示室>
・住所:東京都大田区田園調布1-63-1 多摩川台公園内
・アクセス:東横線・目黒線・東急多摩川線多摩川駅より徒歩約5分
・開室時間:9:00~16:30(入室は16:00まで)
・入室料:無料
・休室日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開室)、年末年始(12月29日から1月3日)
・問合せ先:多摩川台公園管理事務所
・TEL:03-3721-1951

一帯は「桜の隠れ名所」

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「多摩川台公園」はあじさいの名所として知られていますが、約300本のソメイヨシノが春を伝える桜の名所でもあります。桜の木は各広場周辺を中心に園内全体にありますが、おすすめは「多摩川八景見晴台」付近。桜とともに多摩川の遠景が満喫できます。

なお、多摩川の河岸の桜も、数は多くないのですが1本1本が大きくて見事な樹形。多摩川の開放感や河川橋を渡る東急線の姿など、見応えのある景色を公園散策とあわせて楽しんではいかがでしょうか。

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園内の桜とともに、眼下に広がる桜並木と川の流れが一望できます
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草花の見頃は花暦(はなごよみ)でチェックできる(大田区ホームページより)
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取材日の季節の花はウメ。カメラ好き、もしくは花好きの方々が写真を撮りに来ていました。写真の場所は「四季の野草園」と「水生植物園」の間です
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白梅と紅梅。白梅の方が少し早く開花していました

おすすめのシーンとチェックポイント

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お子さまの遊具があり、豊かな木々や花があり、何より古墳の上にある!「多摩川台公園」はとっても散策し甲斐のある公園でした。この場所ならでは、という見どころがいっぱいです。

多摩川とセットで雄大な夕陽を眺めに行くのもいいですね。園内は随所に四阿やベンチ、トイレや水飲み場があるので、お子さま連れからシニアまで、小休憩しながら散策できます。
とはいえ、花暦にあわせて訪れるのが、最も公園の魅力を満喫できそうです!あじさいに囲まれた四阿で写真を撮ってみたいし、サクラの時季は多摩川河岸とあわせて散策したい。四季によって素敵な景色が広がるでしょう。

なお園内に自動販売機はありますが、食べ物の販売はありません。ランチピクニックなどをお考えの方には多摩川駅構内にある「LAWSON+toks」が便利。多摩川駅の周辺は邸宅街で、飲食店は少なめです。

<園内施設一覧>
・多摩川八景見晴台
・古墳群(亀甲山古墳、宝萊山古墳、多摩川台古墳群)
・海南亭
・水生植物園
・四季の野草園
・あじさい園
・第一・第二広場
・多摩川台公園古墳展示室

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「海南亭」は、この公園の開園や田園調布の住宅地開発に尽力した下村宏氏のレリーフが設置されている場所です。歌人としての号・海南にちなんで、ということですね

<多摩川台公園>
・住所:東京都大田区田園調布1-63-1 
・アクセス:東横線・目黒線・東急多摩川線多摩川駅より徒歩約1分
・開園時間:9:00~17:00(1月、2月、10月~12月)、9:00~18:00(3月、9月)、9:00~19:00(4月~8月)
・施設情報:トイレ5か所(車椅子対応トイレあり)、水飲み場、自動販売機 ※駐車場はありません

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撮影協力:大田区
取材・文:haruta kana(東急公式サイト編集部)

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