大倉山公園で、いち早く春を実感。季節と風情と日本文化を満喫できる「大倉山観梅会」

東急公式サイト編集部

2026/4/8

“港北区三大祭り”のひとつで、2026年は第38回となる「大倉山観梅会」。梅の美しさを堪能するのはもちろんのこと、特設ステージでは踊りや演奏が披露され花を添えます。

地元商店街による甘酒や和菓子などの販売もあり、伝統芸能や茶道、土地の味覚などを楽しめるこのイベントは、毎年まちぐるみで大にぎわい!今回は2日間にわたる観梅会の1日目にお邪魔してみました。

“梅見”の舞台は大倉山公園

01.jpg

「大倉山観梅会」が行なわれる大倉山公園の梅林は、東横線大倉山駅より徒歩約7分。
広さ約6万9,000平方メートルの大倉山公園のうち、約1万1,000平方メートルを占める梅林がメインステージです。公園へは大倉山駅を出て右手、線路沿いの坂を行く大変わかりやすいルート。大倉山公園内にある大倉山記念館に由来した「記念館坂」を歩きますが、なかなかの上り坂です。

02.jpg
大倉山駅西口に出ます
03.jpg
線路沿いの「記念館坂」を歩きます。大倉山駅西口は標高約4.5メートル、対して大倉山の頂は約44メートルあるので結構な急坂です
04.jpg
記念坂を徒歩3分ほど歩けば公園入口が見えます。入口からすでにJA横浜の出店などがあり、“お祭り”の雰囲気が始まります
05.jpg
大倉山記念館の脇を抜ければ梅林に到着です

特設ステージで、日本文化を楽しむ

06.jpg

「大倉山観梅会」は、地元商店街や自治会・町内会などが主体になった、“お祭り”となっているのが特徴。開会式後は2日間にわたり、特設ステージでお囃子や和太鼓、日本舞踊、獅子舞、筝・尺八などが披露されます。撥(ばち)が躍る和太鼓の音色などは、“梅”と“祭り”によく似合う!伝統文化を尊び、四季に調和する日本らしさがうれしい景色です。

07.jpg
観梅会へのほこりを感じさせる有志、地元名士の方々による挨拶で開会
08.jpg
地元小学校のブースなどもあり、客層は本当に幅広いと感じられます

出店ブースで花より団子

09.jpg

お祭りで楽しいのが出店。まさに花より団子ですが、「大倉山観梅会」は多くの出店も人を集めています。地元の商店街からの出店、学校や協力団体ブース、屋台などが並び、大にぎわいです!

10.jpg
地元で長年愛されているレストラン、ザ・ニューオークラの赤いテントでは「梅ドレッシング」を販売
11.jpg
記念館の周囲は地元からの出店、キッチンカーがずらり。大倉山駅前にある和菓子店「大倉山青柳」のお団子は定番の人気商品のようです
12.jpg
梅林の真っ只中でも、商店街の出店で梅酒や甘酒、軽食をゲットできます

毎年恒例、高校茶道部による「野点(のだて)」

13.jpg

梅林内の特設ステージ前では、英理女子学院高等学校茶道部による「野点=屋外茶会」が毎年恒例です。梅を愛でながら多くの方がお点前を満喫。普段目にしない緋色の野点傘や毛氈(もうせん)を敷いた縁台でいただける「野点」は、お祭りの気分が盛り上がります。

14.jpg
オープン前に撮影させていただきました。大人気の催しなので、タイミングによっては行列ができ          ます(売り切れ次第終了です)。お抹茶と菓子付きで参加費は500円(税込)
15.jpg
生徒さんが一生懸命に点ててくれたお抹茶は口当たりが優しくて、とっても美味。外の空気の中でいただくと、ほのかな温かさと和菓子の甘さがいっそう清々しく美味しいです

梅林の梅でつくられた「大倉山梅酒 梅の薫」

16.jpg

大倉山梅林の梅、「白加賀」の実を収穫して漬け込んだ「大倉山梅酒 梅の薫」の新酒を港北観光協会が試飲および先行販売しています。ブース担当の方によると「梅林の梅を使って石和(いさわ)で製造している本格派だよ!」とのこと。

石和(山梨県)はワインのイメージがありますが、ワイナリーの技術は果実の風味を引き出すことに長けており、梅酒にも定評があります。実際にとっても飲みやすいので、飲みすぎには気を付けないといけません。お土産にもぴったりですね。

17.jpg
地域ブランド育成事業の「ヨコハマ・グッズ横濱001」で30年以上認定され続けている「大倉山梅酒 梅の薫」。1,500円(税込)

大倉山公園梅林とは?

18.jpg

大倉山公園梅林は、1931(昭和6)年に、沿線の開発・発展を目的に東京横浜電鉄(現・東急電鉄)が整備したのが始まりです。観光地としてにぎわい、かつては臨時急行「観梅号」が大倉山駅に停まったこともあったそう。現在は大倉山公園の一部として横浜市が管理し、地域の観梅名所となっています。

梅林には現在、46種類、約220本の梅が植えられています。一番本数が多いのは大きな実を付ける「白加賀」。中国伝来で花の萼(がく)が緑色の「緑萼梅」、一本の木に淡紅色・紅色・白色の花を一緒に付ける「思いのまま」など、珍しい品種もあります。

なお、公園の梅林のあたりは地形が“すり鉢状”になっていて、記念館側の高台からは梅林を一望できます。この景観は坂を上がってきた甲斐があるというもの。また起伏が視線の高さを変えるので、より観梅が堪能できます。梅林の下方には池があり、ほとりの四阿(あずまや)からは紅白の枝垂れ梅(しだれうめ)が楽しめ、撮影スポットとして特ににぎわっています。

19.jpg
1951(昭和26)年の様子。散策路はありませんが、地形は今と同じですね
20.jpg
入口からは、梅林のほぼ全景が見渡せます
21.jpg
梅林マップがありました。散策路と代表的な品種がチェックできます

観梅のコツと大倉山公園の梅の見頃

22.jpg

梅の花を観賞する「観梅」には3つのスタイルがあるといわれています。

咲き始めた花を一輪一輪探しながら楽しむ「探梅」、満開に咲きほこる花を愛でる「賞梅」、こぼれる花を惜しみつつ眺める「送梅」。

さすが奈良時代からたしなまれた観梅。鑑賞方法も粋ですね。近づいてじっくりと花やつぼみ、香りも堪能。品種によって開花時期が異なり、長い期間楽しめるので、梅林はお得な花見スポットです。

大倉山公園の梅の見頃は、例年2月中旬から3月下旬までです。開花情報は港北区役所のホームページでご確認くださいね。

23.jpg
白加賀の古木。幹肌、枝ぶりに歳月を感じます
24.jpg
木々には樹種の説明札があり、見るだけでなく知ることもできるので、“観梅初心者”も楽しく回れます
25.jpg
ちょうど見頃となった淡路枝垂(あわじしだれ)
26.jpg
濃い、鮮やかな赤が目を引く鹿児島紅(かごしまこう)
27.jpg
これは源平咲きと呼ばれる珍しい現象。紅白咲き分ける姿が源平合戦のようであることから名付けられ、縁起がよいとされているそうです

特別緑地保全地区に指定されている「大倉山公園」

28.jpg

約6万9,000平方メートルの敷地をもつ「大倉山公園」は、そのほとんどが横浜市の特別緑地保全地区に指定されています。そんな公園での楽しみ方は、やはり自然とのふれあい。梅の名所であるのはもちろんですが、ソメイヨシノやオオシマザクラ、ツツジ、ハナミズキと春のお花見にも好適。多くの鳥や虫にも出会えます。

重厚な建築美と豊かな自然の融合を堪能する1日もいいですね。四季を感じる自然の中を歩き、ベンチでくつろぎ、敷地内の歴史的建造物「大倉山記念館」を見学。写真撮影や写生などにも映える景色です。のんびり贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょう。紅葉の季節もおすすめです。

園内に遊具はあまりないのですが、木陰も多く、ベンチや四阿が点在。お子さまやママ友グループ、またペットを連れたお散歩の方も多いです。ピクニック広場にポップアップテントを持ち込む家族連れも。のんびりと、1日過ごせる公園です。

29.jpg
ベンチや四阿が点在しているので、過ごしやすそうです。観梅会当日は休憩や出店の美味しいものをゲットした観梅客でいっぱいでしたが、臨時の飲食席も複数設けられており、座る場所に困るほどではないのがよかった!
30.jpg
変わった鳴き声に鳥?と思って見上げれば、リス!意外に鋭い声で鳴くのにビックリです。素早くて写真には収められませんでしたが、いっぱい見られました
31.jpg
大倉山公園は、周囲の平地から一気にせり上がった台地の上に位置しているので、見晴らしも良好。方角や天候によっては富士山も大きくはっきりと見えます

横浜市の指定有形文化財。素敵すぎる「大倉山記念館」

32.jpg

「大倉山公園」の頂にある「大倉山記念館」は、日本では珍しい“プレ・ヘレニック(クレタ・ミケーネ)様式”の白亜の殿堂です。元々は大倉精神文化研究所の建物で、実業家で後に東洋大学学長を務めた大倉邦彦氏により、1932(昭和7)年に建てられました。1981(昭和56)年に横浜市が寄贈を受け、1984(昭和59)年、「大倉山記念館」に。今もほぼ原形をとどめており、1991(平成3)年には横浜市指定有形文化財に指定されています。

裾ぼそりの柱廊空間はギリシャ神殿風。と思えば正面の破風の彫刻は鳳凰、ホール天井には神社建築の木組みを取り入れており和の趣。第5集会室などは昭和初期の雰囲気を残します。とにかく細部までが絵になる意匠。映画やテレビのロケ地としても、よく活用されています。

設計は北海道銀行本店や横浜正金銀行東京支店など、重厚で格調高い建築を数多く手がけた古典主義建築の第一人者、長野宇平治氏。創立者・大倉邦彦氏の「東西文化の融合」を掲げた理想に深く共鳴し、古典主義にとらわれることなく、東西文化が溶け合った独特の建築物をつくり上げました。入場は無料なので、ぜひこの様式美をご覧ください。

なお現在の「大倉山記念館」は、市民の憩いの場。1万人以上の入場者を集める「大倉山秋の芸術祭」をはじめ、地域密着の催事が多数行なわれる文化施設です。音楽関係のイベントが多く見られます。

33.jpg
正面階段はホールの扉へと導きます。建物の構造上、入口は2階でホールは3階となります
34.jpg
石造りの階段を上ると、手すりや壁、扉の構成彫刻など、さらに細部が堪能できます
35.jpg
約21メートルの吹き抜けを見上げると、鷲と獅子の素焼きの見事な彫刻が黄金色の陽光を受けています。こちらもカッコいい
36.jpg
プレ・ヘレニック(クレタ・ミケーネ)様式を象徴する装飾モチーフ(円盤列)が施されたロビーのイス。かつてはホールで使用されていたもので、歴史の継承を感じます。教会にいるような気分
37.jpg
ピアノやバイオリンの音色がよく似合う、80名収容可能なホール

<大倉山公園>
・住所:神奈川県横浜市港北区大倉山2-10
・アクセス:東横線大倉山駅より徒歩約7分
・開園時間:24時間 (入場無料)
・駐車場:なし
・施設情報:トイレ、水飲み場、展望広場、四阿、ベンチ

<大倉山記念館>
・住所:神奈川県横浜市港北区大倉山2-10-1
・開館時間:9:00~22:00(利用申込受付時間9:00~20:30、入館受付終了21:00)
・休館日:第2月曜日(祝日の場合は翌月曜日)、年末年始
・入館料:建物内のロビーや廊下等の見学、1階休憩所の利用は無料(ホールや集会室の利用は有料・予約制。※横浜市市民利用施設予約システム「はまっこカード」での申込が必要)

--

取材・文:haruta kana(東急公式サイト編集部)

掲載店舗・施設・イベント・価格などの情報は記事公開時点のものです。定休日や営業時間などは予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。

東急公式サイト編集部

東急・東急電鉄公式サイトの編集部です。東急株式会社や東急グループのサービス、イベント、東急線沿線のまちなど、東急ならではの情報を幅広くお届けします。