
「バーやビストロ=お酒を飲む場所」というイメージが強いけれど、本当は下戸だって雰囲気を楽しみたいし、料理やドリンクのペアリングも味わいたい! でも、私をはじめ、下戸にとっては「ノンアルを頼んだら浮くかも…」「長居しづらい…」と、足が遠のいてしまうこともしばしば。
そんな私が今回挑戦したのは、下戸でもお酒のスポットを楽しめる「ノンアルはしご酒」。東横線沿線でノンアルコールメニューが充実し、下戸でも心置きなく過ごせるお店を巡ってきました!
いちじく舞
1990年生まれ千葉県出身。フリーランスのライター・編集者。お酒がめっぽう弱く、頑張って飲んだとしても1杯で顔が真っ赤になってしまうが、バーやビストロなどで常連同士が楽しそうに会話している風景に憧れがある。
前編では都立大学駅にある「nistro nid(ビストロ ニド)」さんでビストロと、ノンアルコールのペアリングを堪能。
後編となる今回は自由が丘駅にある「SAKABA SOU Dining・Bar(サカバ ソウ ダイニングバー)」でノンアルコールカクテルを楽しみたいと思います!
下戸でも常連になれる!ノンアル派も歓迎のダイニングバー

前編の「bistro nid」さんからはしごして、自由が丘駅にやってきました!
今回訪れたのは、自由が丘駅から徒歩1分の「自由が丘デパート」の3階で営業する「SAKABA SOU Dining・Bar(サカバ ソウ ダイニングバー)」。700種類以上のドリンクを取り揃えながら、ノンアルコールカクテルも約20種類と充実のラインアップ。オーナーシェフが手がける本格ビストロ料理と一緒に、気兼ねなくノンアルコールカクテルを楽しめるのが魅力です。
なぜこんなにノンアルコールカクテルがあるのでしょうか?店長の田原さんにお話を伺っていきます。

いちじく:初めて「自由が丘デパート」に訪れたんですが、こんなディープで味わい深いスポットが自由が丘にあるんだと思って驚きました。
田原さん:そうですよね。ここは、戦後の闇市で商いをしていた人たちがお金を出し合って建てた建物みたいです。日本で初めて「デパート」と名付けられたビルらしいですよ。
いちじく:そんな歴史が深いビルなんですね。この「自由が丘デパート」内で回遊されるお客さんも多いんですか?

田原さん:そうですね。周りにはスナックが多いのでここのお店もフレンドリーなお客さまが多いように思います。男女問わずいつもノンアルコールの常連さんもいますし、要望があればカクテルメニューをアルコール抜きで提供することもできますよ。「今日はノンアルで」と言われれば、その場でアレンジしてお作りします。
いちじく:下戸にとって、それは心強いです!
つい通いたくなる。2〜3か月ごとに変わる季節限定ノンアルメニュー

いちじく:こうしてカウンターにお酒がずらりと並んでるところには入ったことがないので驚きました。バーという感じがします。
ここではアルコールメニューを700種類以上も展開されているとのことですが、ノンアルコールカクテルもそれに負けず劣らず充実しているとお聞きしました。
田原さん:そうなんです。通年のメニューが9種類と、2〜3か月に一度変わる季節限定のメニューが10種類ほど加わって、常時20種類近くのノンアルコールメニューを用意しています。

いちじく:下戸からすると、幅広いノンアルコールメニューを揃えているバーは本当に貴重ですね。
田原さん:そうですよね。うちはお酒が飲めないお客さまも歓迎なんです。どなたでも気軽に来ていただきたい、というスタンスですね。
いちじく:最近では「お酒を飲まないお客さまお断り」をうたっているお店もあったりするので、そういっていただけると下戸でも安心して入れます。では、通年のメニューと季節限定のメニューからそれぞれ1種類いただけますか?

田原さん:まずは通年メニューから。トマトジュースにレモン、塩胡椒、タバスコ、ウスターソースを使った「バージン・メアリー」(770円税込)です。

いちじく:すごい!冷製スープみたいな感覚でごくごく飲める!トマトジュースの酸味をおさえつつ、胡椒のスパイスが味のアクセントになっていておいしいです。お互いの良さを引き立てる、こうした組み合わせがカクテルの面白さなんですね。

田原さん:もう一つは季節限定メニューの「金柑モヒート」(1,540円税込)。潰した金柑とスペアミント、レモンを合わせて、モヒートの味わいをノンアルコールで再現しています。

いちじく:金柑の果汁がジューシー!金柑の酸味とミントの爽やかさが絶妙です。モヒートってこんな感じの味わいなんだ…。ちなみに、ストローはなんで2本あるんですか?
田原さん:モヒートってミントがそのまま入っているので、ストローに詰まるんですね。だから、詰まってしまったときのためにもう1本ご用意しているんです。たまにカップルのお客さまが2人で飲まれてることもありますが、それも正解だと思っています(笑)。
いちじく:ノンアルだからストローが刺さってるわけではないのですね!

田原さん:基本的にノンアルコールカクテルも通常のアルコールメニューと同じ見た目で提供させていただいています。
いちじく:下戸としてはアルコールを飲んでいる人と「同じ一杯」を同じ空間で楽しみたいという思いがあるので、お酒と同じ見た目、同じ作り方で出してもらえるのは嬉しいですね。
田原さん:そうですね。気後れせずにゆっくり過ごしていただけると思います。
いちじく:こういうお店が近くにあるとありがたいですね。リモートワークで誰とも会えずに終わりそうだけど誰かと話したくなったときに駆け込める。バーって本来そういう場所だと思うんですが、下戸だと敬遠されることもあるのでなかなか行きづらいんですよね。
田原さん:お酒が飲めない方でも楽しんでもらいたい、というのがうちのポリシーでもあるので、このお店はそういうお客さまのよりどころになれたらと思っていますね。
SAKABA SOU Dining・Bar
・住所:東京都目黒区自由が丘1丁目28-8 自由が丘デパート 3F
・電話番号:03-5701-1141
・営業時間:18:00〜00:30(L.O. 料理23:00 ドリンク23:30)
・定休日:不定休
https://www.instagram.com/sakaba_sou/?hl=ja
ノンアルコールでも気兼ねなく楽しめる都立大学の「bistro nid」と自由が丘の「SAKABA SOU Dining・Bar」。ノンアルコールドリンクと上質な料理によって、下戸でも“はしご酒”の楽しさを存分に味わえました。
「お酒を飲む人のなかに溶け込めない」「アルコールが前提の場だと肩身が狭い」と感じていた方にこそ、一度足を運んでみてほしいお店です。ノンアルコールのドリンクを片手に、新たなコミュニケーションや仲間づくりの可能性を広げてみませんか?
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文/いちじく舞
編集/高山諒(ヒャクマンボルト)
写真/Ban Yutaka
掲載店舗・施設・イベント・価格などの情報は記事公開時点のものです。定休日や営業時間などは予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。

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