
多摩川は、東京都と神奈川県の境を流れる全長約138キロメートルの大河。上流から下流までさまざまな表情を見せ、特に春は桜が咲きそろうことで、川岸一帯が華やかな雰囲気に包まれます。
都心からアクセスしやすく、川沿いに広がる土手は散歩道として整備されており、散策やジョギングをしながら花見を楽しめるのも魅力です。人の多さで混雑しがちな都内の大公園とは異なり、自然とまちがゆるやかに溶け合う開放的なロケーション。穏やかな川面に映る桜色の景色を間近に眺められるスポットは、まさに「春の特等席」です。
今回はそんな多摩川沿いで、桜が楽しめるお花見の名所についてご紹介します。
桜の見頃時期

多摩川沿いの桜は、例年3月下旬から4月上旬にかけて見頃を迎えます。気温の高い年は3月中旬には早咲きの木が花をつけることもあり、地域によって開花のタイミングは少しずつ異なるでしょう。
田園調布や二子玉川周辺など都心寄りのエリアは比較的早め、立川や国立方面はやや遅れて見ごろを迎える傾向です。お出かけ前には、自治体や観光サイト、SNSで開花状況をチェックしておくと安心です。
なお、2025年は暖冬の影響で平年より早めに開花し、3月末頃から満開になりました。2026年の2月・3月は穏やかな晴天になる日が多いと予測されており、2年連続の早めの開花・満開となるかもしれません。
多摩川沿いのお花見スポット
一口に多摩川といっても、お花見に出かけるのはどのエリアがいいのか悩む人もいるでしょう。ここからは多摩川沿いのおすすめお花見スポットをご紹介します。
田園調布〜多摩川駅周辺:静かな桜並木と河川敷

多摩川駅周辺では「多摩川台公園」が有名な花見スポット。東急多摩川線・多摩川駅からすぐの場所に位置し、多摩川沿いの丘陵地に広がる公園で、眼下に広がる桜並木と川の流れが一望できます。
自由広場、運動広場、見晴らし台広場周辺を中心に約300本のソメイヨシノが連なり、「多摩川八景」にも指定されています。夜は柔らかな街灯が桜をやさしく照らし、昼とは違う幻想的な風景になるのも見どころのひとつ。
川辺に降りれば、ゆったりとした河川敷が広がり、レジャーシートを敷いてお弁当を広げるのにもぴったりです。田園調布エリアらしい落ち着いた雰囲気が楽しめます。
付近には、かの名曲の由来になったとされる「桜坂」があり、坂道の両側に植えられた桜並木が満開のころは、まるでピンク色のトンネルのよう。多摩川台公園から「多摩川浅間神社」や「田園調布せせらぎ公園」などを散策しつつ、足を伸ばしてみてはいかがでしょう。
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二子玉川エリア:都市と自然が融合する春の名所

二子玉川駅から徒歩数分、多摩堤通りを進むと見えるのが「玉川東陸閘(りっこう)」です。玉川東陸閘は多摩川沿いにある堤防の切れ目部分で、増水時にゲートで閉鎖して堤防の役割を果たすための施設。ここから河川敷に通じる土手道は、約500メートルの桜の並木道となっており、本数こそ多くありませんが地面につくほど見事な枝ぶりの桜が楽しめます。
土手道を抜けると多摩川の河川敷が広がり、広大な芝生エリアが広がる絶好のお花見スポット。桜を眺めながらのピクニックやバーベキューはもちろん、晴れた日には春風を感じながら、ただゆっくり過ごすのもおすすめです。
多摩川を渡った二子橋付近の土手沿いにも桜並木が続き、川を挟んで神奈川県側の風景とあわせて眺めるとスケールの大きな景観が広がります。
調布〜府中周辺:地元民に愛されるローカルな桜並木

両脇に桜並木が続く「桜堤通り」は、京王多摩川駅近くの多摩川沿い1.5キロメートルにわたる遊歩道で、調布市では地元で愛される桜スポットです。途中は「彫刻のある散歩路」として整備されており、彫刻9点、モニュメント1点が展示されており、アートと桜のコラボレーションを味わえます。ベンチも配置されているため、アートと桜を眺めてゆったり過ごせるでしょう。
桜堤通りでの注目は、調布市にある「神代植物公園」で発見された新しい桜の品種「ジンダイアケボノ(神代曙)」。調布市では、病害虫に弱いソメイヨシノからジンダイアケボノへの植え替えを進めており、花びら自体の自然なグラデーションが楽しめます。神代植物公園はもちろん、「武蔵野の森公園」などもお花見スポットとして親しまれており、散策しながら巡ってみるのもいいですね。
京王線の多摩川〜府中あたりにかけては、地元の人々に愛される桜スポットが点在しています。「府中多摩川かぜのみち」は、全長約10キロメートルの歩行者・自転車専用道。途中の各所に桜が植えられており、全部で約470本のソメイヨシノが見られます。快晴の日には富士山を臨むこともできるそうで、富士山と桜のコラボレーションはぜひ見てみたいもの。
国立〜立川エリア:桜と街並みが織りなす新しい風景

上流に位置する国立〜立川エリアでは、桜と高層ビル群が調和するモダンな風景を楽しめます。「国立河川敷緑地」は長く続く桜並木が見どころで、遠くに多摩モノレールや都市の建物を背景にした写真撮影も人気。
国立駅から一橋大学方面に向かう「大学通り」や、大学通りの南側の「さくら通り」にある桜のトンネルなども見逃せない桜スポットで、開花の時期には夜間にライトアップも実施されます。
JR立川駅から徒歩でアクセスできる「立川公園」には、小川に沿って整備された1.3キロメートルの「根川緑道」があり、水面に映る桜や流れる花びらが幻想的。散策はもちろん、川べりにレジャーシートを敷いてゆったり桜を眺めるのもおすすめです。
立川市と昭島市にまたがる「国営昭和記念公園」には31種類・約1,500本もの桜があり、それぞれの開花時期が異なるため、4月下旬まで見ごろが続くのが特徴です。夜間のライトアップはありませんが、宴会も可能なため、食べ物や飲み物を持ち寄って「ザ・お花見」を楽しんでみては。
お花見の持ち物と注意点

桜を見ながら楽しいひとときを過ごすためには準備も重要です。お花見に出かけて、「○○を忘れた!」「○○を持ってくればよかった」などと、焦ったり後悔したりした経験がある人も多いのではないでしょうか。とはいえ、何でもかんでも持って行けば荷物がかさばって不便です。
お花見に行くときは、普段の外出時の持ち物に加えて、以下を用意することをおすすめします。
<お花見の持ち物>
- レジャーシート:防寒対策のためにも厚手がおすすめ
- 軽食・飲み物:エキナカや地元で評判の店などでテイクアウトするのも◎
- ごみ袋:ごみ箱が設置されていない場合にごみを持ち帰るため必要
- 使い捨ての食器やカトラリー:重くてかさばるため使い捨てが便利
- 防寒アイテム:お花見の時期は冷えるため、カイロやひざかけなどの防寒具が必須
- ウェットティッシュ:水場が遠いことも考え、ウェットティッシュがあると安心
- ガムテープ・ペン:場所取り用などにあると便利
複数人でお花見をする場合は、話し合って持ち物を分担するといいでしょう。ヒーターや卓上コンロなどを用意する人もいますが、持ち込みが可能かどうか必ず事前に確認してください。
お花見で注意したいこと
多摩川は自然が豊かな分、河川の増水や強風などに注意が必要です。土手の斜面は滑りやすい場所もあるため、散策の際は足元に注意してください。
また、花見の季節は多くの人が訪れるため、レジャーシートの場所取りは周囲への配慮を忘れずに。ごみは必ず持ち帰り、静かに景色を楽しむのがマナーです。ペット同伴も可能な場所が多いですが、リードをつけ、ほかの人や動物に配慮して過ごしましょう。
今年の春は多摩川沿いでお花見を楽しもう!

多摩川の桜は、どのエリアでも「まちのすぐそばにある自然」の象徴です。川風に吹かれながら歩くだけで、気持ちが穏やかになる、そんな魅力が多摩川沿いにはあります。今年の春は桜を眺めながら多摩川沿いを散歩してみてはいかがでしょうか。都心では味わえないゆるやかな時間と、満開の桜が出迎えてくれるはずです。
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