
東急沿線の駐車場で、「のるるん」や「ノッテちゃん」によく似た雰囲気の自動車のキャラクターを目にしたことはありませんか?
彼の名は「とっPくん(とっぷくん)」。2021年にデビューした「駐車場」のキャラクターです。ノベルティグッズやSNSアカウントもつくられ、知る人ぞ知る存在となっていますが、誕生の経緯やその目的、具体的な活動範囲については明らかになっていません。聞くところによると、社員同士の雑談から生まれたという噂もあるとか…。
今回は、とっPくんを生み出した東急ライフィア株式会社(以下、東急ライフィア)のお三方に、とっPくんが誕生した背景や今後の展開についてお話を伺いました。取材を進めるうちに、同社の素敵な社風とキャラクターの持つ力、とっPくんが今後歩む目的地が見えてきました。
※こちらの記事は2022年時点の情報をもとに作成しています。
東急沿線を中心に約200箇所の駐車場を管理

――みなさんが所属されている駐車場事業部のご紹介をお願いいたします。
駐車場事業部 次長 Hさん(以下、Hさん):東急ライフィアには不動産の仲介・事業開発、マンション・戸建ての販売受託、駐車場の運営管理、賃貸物件の運営管理という4つの事業の柱があり、私たち駐車場事業部は40人弱の体制で駐車場の運営管理に携わっています。
駐車場用地として活用するのは、主に商業施設やマンションが建設される前の遊休地、暫定利用地です。現在は東急沿線を中心に、軽井沢や鎌倉などの遠隔地も含め217カ所・12,965台(2022年11末現在)の管理と運営をしています。
――東急ライフィアの強みとはどのようなところでしょうか?
Hさん:やはり東急ブランドの信頼感です。東急沿線は東急ファンの方々が多いですから、「東急さんなら安心」とお声がけいただけるケースが多いですね。また、駅からのアクセスが良い場所にあるのも特徴です。
――事業展開でご苦労される点があればお聞かせください。
Hさん:時流によって求められる機器や設備が変化するので、その対応には苦心します。現在の駐車場はキャッシュレス、ゲートレス、フラップレスなど、スムーズに車が止められるシンプルな設備がトレンドなのですが、簡素化すると不正利用が発生しやすくなるので防衛のための工夫や設備投資が必要になりますし、駅近では交通系電子マネー、都心部ではクレジットカード決済の比率が高いなど、場所によって細かく設備を検討しています。
――エリアの変化を見極めながら、使いやすさを追求するための設備投資を絶えず実施されているということですね。
きっかけは社員の雑談から。5年を経て、東急の駐車場をアピールする存在としてデビュー
――では、とっPくんがどのように誕生したかをお聞きしていきたいと思います。きっかけは何だったのでしょうか。

駐車場事業部 Nさん(以下、Nさん):最初は、駐車場事業部に在籍していた3人の社員が「うちの事業部にも目印があるといいよね」という雑談をしていて、空き時間にパワーポイントでちょこちょこっとイラストをつくったのが始まりなんだそうです。この「とめるん」と「とめりん」がそうですね。
――すでにとっPくんの面影がありますね!
Hさん:これがとっPくん誕生の5年前のことで、当時はキャラクターをつくるつもりもなく、ただ社員がかわいいイラストを描いてくれた、というだけだったんです。しばらく月日が経って当時の部長が「ひと目で東急の駐車場とわかる目印をつくろう」という方針を出した時に、このイラストをもとにデザインすることになったんですね。
――目印をつくることになったのはなぜなのでしょうか?
Hさん:2007年に駐車場事業に本格参入する際、とにかく社名の認知度向上を図ろうと、看板に「Tokyu Lifia Parking」の文字を掲げていたのですが、なかなか駐車場名の認知につながらなかったんです。
さらにご年配のお客さまには「ライフィア」の発音が難しく、電話で聞き直されることも多々ありました。そこで、ライフィアの社名を前面に押し出すより、瞬時に「東急の駐車場」だとわかるような目印を、駐車場事業部のキャラクターとしてつくろうという話になったんです。
そこでのるるんとノッテちゃんをつくられたデザイナーさんに依頼して、とっPくんが誕生しました。デビューは2021年の6月、渋谷にある立体駐車場の看板でした。実はこの時はまだ名前も決まっていなくて、商標登録の最中だったと記憶しています。
――ビジュアルが先行していたのですね。名前はどのように決まったのでしょうか。

駐車場事業部 主任 Iさん(以下、Iさん):部内で募集しました。今振り返ると「ワクナイ」や「トメ」、「チュウキチ」「トメキング」という面白いものがいっぱいあって…(笑)その中からいくつか選出して最終的に事務局が決定したのですが、「とめるん」や「トッピーくん」が最後まで候補に残っていましたね。ちなみに「ワクナイ」には、駐車場の枠の中にしっかりと車を停めてね。という意味が込められていました(笑)
Hさん:駐車場事業のキャラクターなのでParkingのPを入れつつ、東急沿線で利用しやすい駐車場として“トップ”を目指すという意味を込めて、「とっPくん」という表記となりました。読み方は先行事例のない「トップくん」を採用して、初めてでも読みやすいように小さく読み仮名を入れています。
――なるほど、名前の表記と読み方にはそんな事情があったのですね。部長からの方針はありつつも、社員の方々が楽しみながら参加してつくりあげたキャラクターという印象を受けました。開発には東急ライフィアの社風も影響しているのかと思うのですが、いかがでしょうか?
Nさん:職場の雰囲気は和気あいあいとしていて、社員も穏やかな人柄の方が多いですよね。
Hさん:当社は個人プレーというよりチームで目標を達成するという社風があります。また、離職率がとても低いのですが、それも働きやすさの表れだと思いますね。
――とっPくんのビジュアルに、その柔らかくおおらかな社風がよく表れていると思います。
看板から飛び出し活躍し始めたとっPくん、キャラクターがもたらす効果とは
――とっPくんは、駐車場の看板以外ではどこで活躍しているのでしょうか?

Hさん:当社の名刺やノベルティグッズ、採用活動、SNSなどに登場し、親しみやすさや認知度の向上に大きな役割を果たしてくれています。ノベルティグッズを取引先の方々にお渡しすると「かわいい」と好評をいただきますし、駐車場事業部の費用でつくっているのですが、各部でも人気があるようで他部署の社員に活用してもらうこともあるんです(笑)話のネタにもなるので、初対面の方とのコミュニケーションにも役立っていますね。
――宣伝効果抜群ですね!
Iさん:とっPくんのネックストラップは駐車場事業部の社員全員が使っているので、一体感が増しましたし、他部署も含めて社員同士の共通の話題が増えましたね。

Nさん:不動産業は一般的に堅い印象を持たれがちですが、そこにもとっPくんがやわらかさや安心感を添えてくれていますね。採用活動の時に資料をとっPくんのクリアファイルに入れて配布するのですが、何十社もの企業をまわる学生さんたちに、当社を強く印象付けてくれていると思います。
Hさん:駐車場事業部のキャラクターであはりますが、今後は東急ライフィアの顔としても活躍してくれることを期待しています。社内の掲出物にも、知らない間に登場したりするようになりました(笑)
――社内ではしっかりと認知されていますね。Twitter(現在はX)、Instagramの発信はどのような目的で始まったのでしょうか。
Hさん:SNSは社内的な了解を得れば、予算をかけず広報活動ができる手段ということもありますので、とっPくんが当事業部の顔であることをアピールするためにやらない手はないだろう、というのはとても会社的な言い方で…。外からのきっかけも大きかったよね。
Nさん:はい、とっPくんを看板以外でもアピールしていきたいと思っていた矢先に、IさんさんがでとっPくんに関するツイートを見つけたんです。「看板に謎のキャラがいる」というコメントを見て、これは早々になんとかせねばとアカウント開設を急いで進めました。
――キャラクターの発信力の強さを物語るエピソードですね。SNSではてるまるくんとのかわいらしいツーショットが載っていますが、フェルトで作られたとっPくんがいるのに驚きました。

Iさん:これは社員の奥様にフェルトデザイナーの方がいらして、つくってくださったんです。手持ちできる小道具は私が手づくりしました。私たちは常にカバンにとっPくんを忍ばせていて、チャンスがあればSNS用の写真を撮っています。
Nさん:「お出かけ好き」というキャラ設定なので、東急沿線でいい景色があれば、すかさずとっPくんと写真に収めています。

Hさん:東急沿線の各所には、当社の駐車場があるので、情報発信と絡めて撮影しています。街なかで、とっPくんを持って撮影している時の周囲の視線にも、だいぶ慣れてきたよね(笑)
――認知が広がれば、いつか「とっPくんの撮影してた」とSNSにアップされるかもしれませんね!
駐車場事業部から会社、そして東急の顔へ!SNSで認知を図り、グッズ販売や着ぐるみへの道筋をつけたい

――とっPくんが今後目指していくところについてお聞かせください。
Hさん:まずは、とっPくんの第一目的である「東急の駐車場の顔」になることを目指していきます。グループには当社の他にも駐車場事業を手がける事業体がありますが、台数や内容に関しても当社がトップシェアと自負していますので、その立場に恥じないよう、のるるんやノッテちゃん、てるまる、コムゾーという諸先輩方と肩を並べられるような存在に育てていきたいですね。
また、駐車場名を覚えてもらえないという課題がありましたので、東急ライフィアの駐車場というより、とっPくんの駐車場としてお客さまに覚えていただけたらと思っています。
今は私たちがSNSで、とっPくんを発信をしている状態ですが、将来的にはオファーをもらえるくらいになりたいです。ゆくゆくは「TOKYU STYLE」(のるるん、ノッテちゃんグッズのオンラインショップ)でのグッズ販売にたどりつくといいですね。
<関連ページ>東急線キャラクター「のるるん」
――すでにグッズもありますし、可能性は十分ですね!
Iさん:他のキャラクターと看板でコラボもしたいですよね。それから、のるるん、ノッテちゃん、てるまる、コムゾーのようなぬいぐるみも作りたいと画策しています。ただ、多く作らないと、ひとつあたりのコストがかなり高くなってしまうのが難点なのですが…。
Hさん:最終的な野望としては、着ぐるみを作って東急グループの各種イベントでお披露目したいです。SNSで認知度が高まればチャンスもあるのではないかと思うので、当面はSNSに力を入れて、まずはフォロワー500人を達成したいと思います!
Nさん:何より東急沿線のお客さまに楽しんでいただけるとうれしいですよね。2022年12月上旬にはとっPくんのプロフィールページも公開されました。みなさまにも、ぜひSNSをフォローしていただいて、とっPくんの活躍を応援していただければと思います。
――今後のとっPくんの活躍を期待しています! 本日はありがとうございました。
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