東急線で世界一周!

歴史・食・文化…エジプトを堪能!【沿線トリップ「東急線で世界一周」vol.1】

Urban Story Lab.

2025/6/7

沿線でショートトリップ気分を味わう企画「東急線で世界一周」。第1弾となる今回は、東急線沿線の「エジプト」を特集します。

ピラミッドやスフィンクスに代表される古代遺跡や、スパイスの効いた料理など、一度足を運ぶとそのエキゾチックな魅力の虜になってしまう…。そんなエジプトを旅した気分になれるスポットが、東急線沿線にあるらしいという噂を耳にしました。しかも、移動時間を含めても半日ほどですべてを回りきることができるというのです。

噂の真相を確かめるべく、ある日の午前中から東急線に乗車。エジプトを満喫するショートトリップへ出発です!

【渋谷駅】歴史への理解が深まる場所「古代エジプト美術館」

東急線沿線のエジプトを巡る旅は、東横線と田園都市線が乗り入れる渋谷駅からスタート。ここ渋谷には、日本で唯一“古代エジプト”を専門的に扱う美術館があるそうです。編集部から送られてきた住所を頼りに、ハチ公広場からスタートし、アパレルショップや飲食店が立ち並ぶ公園通りから神宮通りをまっすぐ進みます。

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すると、白い雑居ビルの銘板に「古代エジプト美術館」の文字を発見しました! 本当に、この雑居ビルの中に美術館があるのでしょうか?

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おそるおそる8階に上がると、そこには小さくて可愛らしい入口が。パッと見た感じは雑貨屋さんのよう。

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入館すると、優しい館長さんとスタッフさんが出迎えてくれました。館内は「パトロンの部屋」「発掘小屋」「神殿」「玄室」という4つのギャラリーに分かれており、常時100点以上の古代エジプト遺物が展示されているそうです。ドキドキワクワクしながらギャラリーに足を踏み入れます。

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まずは、古代エジプト遺跡の発掘を支援した“パトロン”が住む部屋をイメージした「パトロンの部屋」へ。豪華なソファに腰掛けて、古代エジプトの歴史に関する5分程度の映像を鑑賞します。

古代エジプトの知識をインプットしたあとは、ピラミッドがそびえる砂漠の中の「発掘小屋」をイメージしたギャラリーに入室。ミイラにかぶせる黄金のマスクや、多種多様な神々のアミュレット(お守り)、ネックレスや耳飾りなどのジュエリーが所狭しと並べられています。数千年前に作られたものとは思えないほど巧緻で美しく、古代エジプト人の技術力の高さに驚かされました。

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続いては「神殿」をイメージしたギャラリーへ。ここにはラムセス2世のオベリスク(石造記念碑)や、迫力のある土器など、大きめの展示品も置かれています。とても神秘的な空間でした。

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最後は古代人の墓の中をイメージしたギャラリー「玄室」へ。洞穴のような入口をくぐると、辺りが一気に暗闇と静寂に包まれます。渋谷の雑居ビルの一角から、古代遺跡の中に瞬間移動してしまったような気分です。

ここから先はスポットライトの明かりのみを頼りに進みます。気分はさながらミステリーハンター! 慎重な足取りでギャラリーの中を探索します。

この部屋には、あの世で生き返ったときのために準備された宝物や、冥界の神 オシリスの像など、古代エジプトにおける“死”にまつわる品々が展示されています。隠し扉がいくつかあり、それを一つひとつ開けていく作業も童心をくすぐられます。

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すべての展示を通して、個人的に最も印象的だったのは「シャブティ」という人形。古代エジプトでは、死者の来世での復活を祈ってありとあらゆる副葬品(故人の棺に入れて一緒に埋葬する品物)を用意していたそうなのですが、シャブティは、来世で人間の労働を肩代わりしてくれる存在とされていたのだとか。

労働をしないことへの憧れは紀元前から変わらないようですね。筆者もシャブティに仕事を任せて毎日遊んで暮らしたいですが、そうはいかないのが現実です。残念……。

ほかにも、それぞれの展示品について館長さんやスタッフさんがわかりやすく楽しく解説してくれます。考古学者見習いになったような気分も味わえて、古代エジプトへの興味が深まること間違いなし。さらに同館では、不定期で展示替えを実施しているそう。気になる方はSNSやHPをチェックしてみてください。

古代エジプト美術館
・所在地:東京都渋谷区神南1-12-18 メゾン渋谷801
・電話番号:03-6809-0718
・営業時間:12:00~18:00(最終入館17:30)
・休館日:土・日(年末年始は休館)
http://www.egyptian.jp/top.html

【西小山駅】唯一無二の“魔法の万能調味料”に感動!「エジプト塩食堂」

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ランチは、料理家・たかはしよしこさんが営むレストラン「エジプト塩食堂」へ。渋谷駅から東横線と目黒線を乗り継いで、西小山駅にやってきました。

こちらのお店では、たかはしさんが考案した「エジプト塩」をはじめとするさまざまな調味料を使ったランチプレートが楽しめます。名前を聞いただけではまったく味が想像できないエジプト塩。一体どんな調味料なのでしょうか。

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その正体を探るべく、さっそくお店の中へ。

「エジプト塩食堂」のランチプレートは月替わり。健康的でおいしいこだわりのランチを、毎月1種類提供しています。野菜もスパイスもたっぷり入っているので、食生活が偏りがちな社会人のご褒美ランチにぴったりですね。

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この日のメニューは「酒粕カレーとスパイスデリプレート」。発酵×スパイスなんて、美容にも健康にも良さそうで嬉しい!スパイシーな香りが漂う酒粕カレーと、ターメリックライスのまわりをぐるりと囲む目にも鮮やかなデリの数々。さっそく頂きましょう。

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まずは、気になるエジプト塩を実食。有機野菜にこだわりのある京都・伏見の「YAMADA FARM」から仕入れた、丸かじり焼き野菜にかけて食べるのがおすすめだそうです。

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エジプト塩をかけたブロッコリーを口に入れた瞬間、スパイスの刺激的な香りがふんわりと鼻を抜けていきます。そして、ほどよい塩味とわずかに感じる辛味。焼き野菜が一気に異国の味へと変わりました。

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続いてはメインの酒粕カレー。ターメリックライスに合わせて食べると、ほんのりとした辛味と深みのある味わいが口いっぱいに広がります。大根と神山鶏がゴロゴロ入っていて、具だくさんなのも良い!プレートに添えられた蓮根や人参の福神漬けを加えることで、爽やかな甘みがプラスされ、より一層食が進みます。

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手前にある三角形のおかずは、小麦粉で作った皮にじゃがいもベースの具材を包み、油で揚げた「サモサ」。

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こちらのサモサは、じゃがいものほかに塩鱈とディルが練り込まれており、優しい味わいながらもハーブのキリッとした香りがアクセントになった逸品です。

ほかにも、エジプト塩に並ぶ人気調味料「富山コンカリー」を使った半熟卵のピクルス、かぶをペーストにして春菊のソースを添えたおかずパンナコッタなど、オリジナリティのあるデリはどれも絶品でした。

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オリジナルのほか、唐辛子とガーリックが入った「辛エジプト塩」、カカオニブをミックスした「チョコエ塩」など、全3種類のエジプト塩がありました。

すっかりエジプト塩食堂のファンになった筆者は、ミニサイズのエジプト塩を購入。エジプト塩は“食べるとエジプトにトリップできるような味”というコンセプトから名付けられたもので、たかはしさんの「お野菜をたくさん食べてほしい」という思いのもと生まれました。いまではひと月に2,000個売れることもある超人気商品なのだとか。

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エジプト塩は旬のお野菜にかけるのが特におすすめだそうですが、炊き立てのごはんにエジプト塩を混ぜておにぎりにしたり、オリーブオイルとエジプト塩を混ぜたものをパンにつけたり、もちろん焼いた肉や魚にかけても◎。自分だけのレシピを考えるのも楽しそうですね。

エジプト塩をゲットして、いつもの料理にエジプトのエッセンスを取り入れてみてはいかがでしょう。

エジプト塩食堂
・所在地:東京都品川区荏原5-15-15 西小山サマリヤマンション 1F
・電話番号:03-3782-5100
・営業時間:11:30~、13:30~の二部制
・定休日:不定休(開店日や予約はInstagramをチェック)
https://www.instagram.com/e.g.y.p.t.j.i.o/ 

【自由が丘駅】高品質のエジプシャン精油やフランキンセンスにうっとり「マイエジプトジャパン」

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最後に訪れたのは、古代エジプトより伝わる“エジプシャンオイル”や雑貨の輸入販売を行うショップ「マイエジプトジャパン自由が丘店」。「エジプト塩食堂」のある西小山駅から目黒線に乗って奥沢駅で下車し、徒歩7分の場所にあります。ちなみに、東横線・大井町線の自由が丘駅からは徒歩2分ほどで行けますよ。

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店内に一歩足を踏み入れると、そこはまさに小さなエジプト。エキゾチックな内装とBGM、そして異国情緒を感じる香りに圧倒されます。

こちらのお店で人気なのは、古代エジプトの女王 ハトシェプストが愛したといわれる、オマーン産のフランキンセンス精油(樹脂から抽出されるエッセンシャルオイル)とその樹脂。

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お店では香炉、香炭、フランキンセンスの樹脂がセットになったスターターセットも売っているので、お香の感覚で、手軽に初心者の方も始めやすいですよ。

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また、肌や頭皮など幅広く使える「マーサラオイル」にも注目。こちらは、牝牛がゆっくりと石臼を引きながら植物を挽き、1日かけて圧搾していく古代製法で作られているそうです。余計なものが入っていないので、安心して肌につけられるのが嬉しいですね。

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そんなマーサラオイルがたっぷり配合された「マーサラオイルソープ」は、顔や身体はもちろん、髪まで洗える優れもの。肌に優しい石鹸なので、ニキビや肌荒れに悩む人にもおすすめだそう。筆者も肌が荒れやすいので、こちらの商品はかなり気になりました。

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取材に同行したカメラマンはマイエジプトジャパンの雑貨にひと目惚れ。猫の形をした女神「バステト」の置物を購入していました。バステトは家庭やテリトリーを守る神様で、笑いや音楽を好むといいます。その可愛らしい見た目から、若いお客さんに人気が高いのだとか。

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マイエジプトジャパンのスタッフさんは本当にホスピタリティが高く、商品説明はもちろん、エジプトの歴史や、実際の旅エピソードまで詳しく聞かせてくれました。紅茶とお茶菓子まで出していただき、取材班の一同も感動! 買い物を楽しんでくれたお客さんには、こうしたおもてなしをしているそうです。

マイエジプトジャパン 自由が丘店
・所在地:東京都世田谷区奥沢5丁目27-5 魚菜エステートビル 1A
・電話番号:03-4363-2632
・営業時間:11:00~19:00
・定休日:毎週水曜日(年末年始:12月31日~1月3日は定休日)
https://www.myegyptjapan.com/

東急線を使えば、たった半日でエジプト気分♪

心もお腹もしっかり満たされた半日だけのショートトリップ。エジプト由来の神聖なオイルのエキゾチックな香りに包まれながら、遠いエジプトの国へ想いを馳せるのでした。

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ライター/渡辺ありさ
カメラマン/Ban Yutaka・高山諒
編集/ヒャクマンボルト

掲載店舗・施設・イベント・価格などの情報は記事公開時点のものです。定休日や営業時間などは予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。

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まちのいいところって、正面からだと見えづらかったりする。だから、ちょっとだけナナメ視点がいい。ワクワクや発見に満ちた、東急線沿線の“まちのストーリー”を紡ぎます。