
焼き菓子をひそめた、香り立つプチガトー
独創的な焼き菓子で催事を沸かせた「sarkara」が、実店舗をオープン!新店は焼き菓子も生菓子も豊富。「モンサンクレール」で15年腕を磨き、「ル ショコラ ドゥ アッシュ」でスーシェフも務めた大井博司シェフのお菓子は、セオリーにとらわれすぎず柔軟だ。
とりわけ彼らしいのが「バニーユ」。バニラ香るマスカルポーネクリームを重ねた生地は、伝統的な焼き菓子「パンドジェンヌ」がベース。通常はローマジパン(アーモンドと砂糖のペースト)を入れるところ、アーモンド粉(気高く香るマルコナ種!)にして軽くし、純粋なアーモンド香をバニラと調和させた。
さらに愛媛「ひさしげ農園」の早生みかんを「このほうがおいしいから」と手作業で皮を刻み、わずかに火を入れたソースも忍ばせて。食べればふわりとろけ、アーモンドとバニラのまろみに、みかん皮がジューシー!伝統を尊びつつ自由に、丁寧に手をかけた、「おいしい」に真っすぐなお菓子だ。
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手前から時計回りに、マダガスカル産バニラ香る「バニーユ」¥780。「ゼフィール」(¥850)は「そよ風」を意味するムースケーキ。グレープフルーツとライチ、ローズマリーがすがすがしく香り、まさにそよ風が吹き抜けるよう!「カカオショートケーキ」(¥750)は「ル ショコラ ド ゥ アッシュ」で作ったものをブラッシュアップ。同店で仕立てたタンザニア産カカオのクラフトチョコレートを使用、フランボワーズでカカオの果実味を際立たせた。
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■sarkara(サルカラ)
・住所:世田谷区下馬2-36-1
・電話:03-6804-0646
・営業時間:10:00~18:00(コーヒースタンドと一部焼き菓子は8:30~)
・休:月・火
・三軒茶屋駅より徒歩8分
chico ◉チコ
スイーツライター、コーディネイター。ガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。共著書に、『東京最高のパティスリー』(ぴあ)。
(撮影=星川洋嗣・スタイリング=田口恵美・文=chico)
※この記事は2025年3月号の内容を再編集しています
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「ラテン語で“あいさつ”のこと。人々が出会い、行き交う場(駅)を象徴しています。東急線沿線は、まだまだ意外な街の表情や人々の魅力にあふれています。
「SALUS」は、単なる沿線紹介にとどまらず、「やってみよう」「行ってみよう」と思える魅力やアイデアを、読者の方へお届けします。さまざまな切り口から暮らしの楽しみ方を提案し、新たな世界との出会いや発見のきっかけになることを目指します。
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