甘党紳士、スイーツの流儀

甘党紳士、スイーツの流儀「武蔵小山 王様とストロベリーのパフェ」

Urban Story Lab.

2025/12/30

黄金に輝く滑らかなプリン、素材同士のハーモニーを感じるパフェ、美しくデコレーションされたケーキ。味で、見た目で、人々の心を癒してくれるスイーツはもはや芸術品。ならばこちらも正装で食べるのが正解なのではないか。敬意を持って食せば、日常のスイーツが特別な食体験に変わるはず。

この企画では、大人の嗜みとしての“スイーツ”の味わい方を、スーツを着た紳士、その名も“甘党紳士”が紹介します。

駅前商店街に佇む有名喫茶店

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本日、甘党紳士が訪れたのは目黒線武蔵小山駅の「王様とストロベリー」。1985年創業、約250店舗が軒を連ねる武蔵小山駅前商店街パルムの中にあり、数多くのメディアでも取り上げられる有名喫茶店だ。

なぜこの喫茶店がメディアで取り上げられるのか。その理由はパフェにある。「キングパフェ」という高さ60cm、総重量3.5kgの特大パフェがこの店の名物となっているのだ。

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しかし、本日の紳士はひとりでの来訪。せっかくのスイーツを残してしまうことは言語道断である。今回はキングパフェの1つ下のサイズ、ジャンボパフェをいただくことにしよう。

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店の表からはわからないが、店内は奥に長いつくりで55席も用意されている。というのもこの場所、かつては洋服屋で、奥のスペースは生地を収納する蔵だったそう。

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そんな歴史の深さも感じる店内には、店主こだわりの輸入雑貨が並ぶ。カナダのデザイナーが制作しているこちらの雑貨は、購入も可能。紳士の目も光る。

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ナポリタン、ピザトーストといったフードメニューやケーキも気になるが、今日は店先で見た時から「ジャンボパフェ」を食べると心に決めていた。

ジャンボパフェには、8種のフレーバーが用意されている。ストロベリー、キウイ、チョコレート、ラズベリー、レモン、ブルーベリー、キャラメル、マンゴー…どれも心惹かれるラインナップ。ここは「王様とストロベリー」の店名にちなんで、ストロベリーフレーバーを注文するとしよう。

「王」の名に相応しい、堂々たるパフェ

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運ばれてきたのは「ジャンボ」の名に相応しい風格の雄大なパフェ。

そびえ立つソフトクリームにかけられたストロベリーソースが美しいコントラストを演出している。器の中にはコーンフレークの層も確認できる。その壮大さに、トッピングされたプレッツェルスティックがとても短く見えてしまう目の錯覚さえもおこす。

流儀その1 「正面を決めてから食べる」

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食後のお口直しとしてのスイーツや、ティータイムのお供としてのスイーツ。名バイプレイヤーとしてのスイーツはどれももちろん素晴らしい。しかしどうだろう。パフェだけは、いついかなる時も主役側のスイーツではないか。人は皆、何かのついでにパフェは食べない。パフェを食べる時は「パフェを食べる」という予定のもと、パフェのみを食べに店を訪れるはずだ。

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そんな主役級のスイーツは、やはり真正面からいただくのが紳士の流儀。敬意を払うべく、そのパフェが最もバランス良く、最も美しく見える位置にセットし、いただくとする。

流儀その2「ソフトクリームは一気にいただく」

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甘党紳士は、そのスイーツが一番美味しい時を見逃さない。ソフトクリームは時間との勝負でもある。普段は焦りを見せない甘党紳士も、スイーツから「早く食べて」と声が聞こえればその願いは叶えよう。ソフトクリームを速やかに口に運び、めいっぱいの甘味を味わう。

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さっぱりとした甘味に心も身体も満たされ、スプーンを運ぶ手が止まらない。紳士としたことが、つい我を忘れてしまいそうになる。しかし、今日に限ってはそれでも良いのだ。それがパフェからの願いなのだから。

ジャンボパフェの材料は、ソフトクリームとソース、コーンフレーク、プレッツェルスティックといたってシンプル。つまり、器の中にぎっしり詰まっているのは、ソフトクリームのみ。食べても食べてもまだ終わらない……そう、それは、子どもの頃に見た夢そのもの。

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夢にまで見た量のソフトクリームだが、ストロベリーソースの酸味がアクセントとなり、全く飽きが来ない。これぞパフェの真骨頂。スプーンを入れる場所によって味が自然と変わるのだ。いつも違う顔を見せてくれる、魔性のパフェに今日は思う存分翻弄されようじゃないか。

流儀その3「あえて柔らかいコーンフレークを楽しむ」

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中盤まで食べ進め、パフェのさらなる楽しみに出会うことになる。そう、コーンフレークとソフトクリームのマリアージュだ。

ソフトクリームの水分を吸って柔らかくなったコーンフレークと、まだカリカリ部分が残る絶妙な食感がたまらない。懐かしさを感じるまろやかな甘さを口いっぱいに頬張ろう。

あの雄大なパフェとの時間ももう終盤。ソフトクリームも溶け始め、ここからは時間に追われず、ゆっくりと器の底までいただく。

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誰もがつい夢中になってしまうパフェを食す至高の時間。食べ終わる頃には心もお腹も満たされ、頭もクールダウンしているはず。

特別な店で、特別な一日を。

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パフェだけでなく、ケーキも人気

「王様とストロベリー」。この店名は店主の「他にはない特別な名前にしよう」という発想から生まれたという。確かに一度聞いたら忘れられないその名前。パフェとの邂逅も、甘党紳士にとって忘れられない特別な時間となった。

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甘党紳士はかく語りき。「パフェを食べればなんでもない日も特別になるのだ」と。またひとつスイーツの奥深さを学び、甘党紳士は王様とストロベリーを後にするのだった。

王様とストロベリー
・住所:東京都品川区小山3-24-3
・電話番号:03-3787-0443
・営業時間:月~木・祝日10:00-22:00/金・土・祝前日10:00-23:00/日: 10:00-22:00 
・定休日:不定休

今回のモデル:楠ダニエル
モデル。南米パラグアイ生まれ日本育ち。アパレル・広告のモデルを中心に、雑誌、TVCMなど幅広く活躍。

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文/菱山恵巳子
写真/高山諒
編集/ヒャクマンボルト

掲載店舗・施設・イベント・価格などの情報は記事公開時点のものです。定休日や営業時間などは予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。

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