「Green UNDER GROUND」第1弾!駒沢大学駅の“ワクワク”をご紹介

東急電鉄

2026/3/6

※この記事は2022年〜2023年に公開されたものを再編集しています。

池尻大橋駅から用賀駅まで、田園都市線の5つの駅をリニューアルするプロジェクト「Green UNDER GROUND」は、2021年7月から始まりました。その第1弾として2025年3月に竣工したのが、駒沢大学駅です。

新たな駒沢大学駅には、廃材の再活用や国産材の利用などの環境配慮の取り組みや全国初の耐火・構造技術を採用した駅ビル、特徴的なデジタルサイネージの設置など、サステナブルな地下駅としてさまざまな工夫が凝らされています。

この記事では、そんな駒沢大学駅のリニューアルの“ワクワク”ポイントをご紹介します。

「Green UNDER GROUND」とは

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かつて「新玉川線」と呼ばれていた、田園都市線の地下区間(池尻大橋駅・三軒茶屋駅・駒沢大学駅・桜新町駅・用賀駅)。東急電鉄初の地下駅として開通した区間でもありました。

ステンレス車両や各駅で異なるステーションカラーや駅冷房等を考慮した駅づくりなどを取り入れた先進的な地下鉄で、45年以上にわたって多摩田園都市の都心アクセスルートとしてご利用いただいてきました。

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そんな田園都市線の地下区間をリニューアルするプロジェクトが「Green UNDER GROUND」です。

田園都市線の路線カラーでもある「Green」に、「快適・安心」「スムーズ」「クリーン・サステナブル」「親しみが生まれる」「新しさがある」など、東急電鉄が目指す、さまざまな想いを込めました。開業後45年以上が経過した田園都市線の地下区間5駅を今まで以上に心地良く、ワクワクする体験のできる空間に生まれ変わらせます。

「Green UNDER GROUND」公式Instagram

心地よくワクワクする公園のような駅空間へ

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駒沢大学駅リニューアル後写真(コンコース)
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駒沢大学駅リニューアル後写真(ホーム)

この「Green UNDER GROUND」の第1弾としてリニューアルしたのが、駒沢大学駅です。リニューアルコンセプトは「UNDER THE PARK」。

目指したのは、地域の憩いの場である都立駒沢オリンピック公園の最寄り駅として、心地よくワクワクする公園のように、駒沢公園が持つ「GREEN」や「WELL-BEING」のイメージを継承した空間の創出です。

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また、駅全体をまちのシンボルとなる「1本の木」に見立てているのも、今回のリニューアルのポイント。地下駅空間をまちの魅力を吸収するまちの根っことして、そこに公園の3つの要素である土(普遍的なもの)・木(経年変化するもの)・葉(更新するもの)を盛り込みました。3つの要素は、異なる時間軸と、これからもまちとともにある駅を創るという想いを表しています。

鳥が木の枝で羽を休めるように、ここを行き交う人々がほっとしたり、元気になったり。そこから飛び立つ瞬間のような、ワクワクした気持ちにもなれる場所。「UNDER THE PARK」には、そんな大きな木のような存在でありたいという思いが込められているのです。

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ステーションカラーでもある緑色の壁面タイルや、床材などの既存材を最大限活かし、廃棄物削減に取り組みました。また、空調設備改修では、コミッショニング(※1)の導入や、CBM(※2)の推進による効率的な運用を実施。これらの脱炭素・循環型社会の実現に向けた施策により、改修後のCO2排出量を年間約260t-CO2削減する計画です。

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駒沢公園口では茨城県産木材も活用している

リニューアルは段階的に実施し、東口・西口に接続するビルや駅構内では、お客さまの利便性向上と、街の魅力を活かした駅機能・サービスを導入しました。また、駅設備・内外装の改修や、旅客トイレのリニューアルではベビーカーと一緒に入れる個室の整備、および西口側へはエレベーターを、駅ビルや駅構内には店舗を新設しています。

(※1)コミッショニング:建築物の設計・施工・運用の各段階において、建物オーナーが求めるCO2排出量の削減等の建築設備性能を確実に発揮するよう、確認・検証・適正化するプロセス

(※2)CBM(Condition Based Maintenance):設備を常時監視し、故障の兆候が見られた時点で修理・更新する仕組み

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駒沢大学駅東口ビル&西口ビル、それぞれのリニューアル

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東口ビル
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西口ビル(右:西口ビル(1)、左:西口ビル(2))
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国道246号を挟むように向かい合う、駒沢大学駅東口ビル(右)と駒沢大学駅西口ビル1・2(左)

東西で3つの建物に分かれている駒沢大学の地上出入口は、駅とまちを繋ぐゲートとして、駅へ入るときは「UNDER THE PARK」へと足を踏み入れたくなるようなワクワク感を、駅から出るときは明るく開放感を感じられる場所になれるようなデザインや機能を取り入れています。

また、全国初の木造駅ビルとして建設された西口ビル(2)は、柱・梁へのLVL(単板積層材 ※3)による耐火被覆や、LSB(※4)接合による2方向ラーメン構造などの国内最新技術を掛け合わせることにより、建物の地上部分を木造化するとともに、「建物に対する木材使用率」「レンタブル比率」(※5)の最大化を目指しました。本物件では、CO2約56tを固定化し、CO2排出量を抑制する見込みです。

建物の外壁は葉っぱの重なりを色の異なる4色の鋼板で表現し、葉の間から見え隠れする枝を木の窓枠で表現しています。

こうしたデザインや設計上の取り組みが評価され、西口ビル(2)は、国土交通省の「令和4年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されています(※6)。また、東口ビルは第68回鉄道建築協会賞 作品部門の「佳作」を受賞しました(※7)。

(※3)LVL(単板積層材):ロータリーレースと呼ばれる機械で丸太を切削のうえ単板にして、乾燥し、単板の繊維方向に平行に積層接着させた木質構造部材。単板にして積層接着することで、寸法・強度等の品質安定性が極めて高い。(出典:(一社)全国LVL協会HP)
(※4)LSB(ラグスクリューボルト):軸部の周囲に雄ネジを加工し、その端部に雌ネジまたは雄ネジを設けた接合具(出典:(株)ストローグHP)
(※5) レンタブル比率:建物において、総床面積に対して賃貸可能面積(収益部分)の占める割合のこと
(※6)木造建築物に係る技術の進展及び普及啓発を図ることを目的とする事業で、火災や構造に強い最新の木造技術を用いた点が評価されての採択となりました。
(※7)一般社団法人鉄道建築協会が鉄道建築におけるデザインおよび技術の向上に貢献したと認められる建築作品などを表彰するもので、全国の鉄道事業者から応募された全40作品の中から選ばれました。

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駒沢大学駅 東口の天井

東口ビルの出入口とドトールコーヒーショップの出入口にあたる1階天井部分では木の幹を柔らかく温かみのある木材の仕上げで表現しています。

この天井の木材は東京都多摩地区で育った多摩産材を使用しています。多摩産材を使用することでCO2の固定化や輸送エネルギーの削減など環境へ寄与するとともに、森林資源の循環を促進し持続的かつ健全な森林整備と林業振興に貢献しています。

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ぷっくりとしたデザインやアイコンが特徴の案内サイン
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電車と路線名のみでシンプルに分かりやすく

駅とまちを繋ぐゲートとして必要不可欠の機能である案内サインも、今回のリニューアルで一新しました。特に地下鉄は隣接するビルに埋もれ、駅の入口がわかりづらい、見つけづらいといった課題を抱えています。

そこで、サインの盤面をぷっくりさせることで他のサインと差別化し、認識しやすいよう工夫を施しました。さらに、東急線沿線では初設置となる、電車や路線名をアイコン的に表現したロゴのみの看板を歩行者と対面する形で設置。駅の場所を知らない方でも駅の場所を識別できるサインを目指しました。

駒沢大学駅東口ビルに出現した、くつろぎの空間「ドトールコーヒーショップ」

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2022年8月、東口出入口につながるビルの1・2階にリニューアルオープンしたのは、耐震工事を終えたドトールコーヒーショップです。

店内に入ると、ビビッドで賑やかなインテリアの1階で、ひときわ存在感を放つ緑色の鉄骨が。耐震補強の構造材を壁で隠さず、そのまま配置することで、空間の広がりを感じさせ、緑のカラーリングはまるで公園の遊具のような趣です。その奥には電源とUSBが付いた一人用のブース席が7席。この席はきっと、リモートワークや学生の勉強スペースとして、人気を集めるに違いありません。

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2階は木材をふんだんに取り入れた、落ち着きのある空間が広がります。
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電車のシートのようなブルーの座席や、車窓のように切り取られた窓、おしゃべりに花が咲きそうなベンチシートまで、くつろぎたくなるような居心地の良さ! ドリンクやフードを味わいながら、壁に飾られたアートや観葉植物を眺めて過ごせば、リラックスできること必至です。

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旧池上駅木造駅舎の古材を使用したベンチ
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店舗エントランスの壁面アートでは、駒沢大学駅を含む渋谷~二子玉川~自由が丘を結んだエリア「プラチナトライアングル」を抽象的に表現

エントランスのテラスには、旧池上駅木造駅舎の古材を使用したベンチもあり、その日の気分にあわせて雰囲気の違うさまざまな席を使い分けられるのも魅力的。

さらにこの店舗では、ドトールコーヒーショップ初、マイボトル持参でドリンク割引のサービスもスタート。香り豊かなコーヒーをボトルに入れて公園でひと息、なんて過ごし方も素敵です。駒沢大学駅前店限定販売のタンブラーも可愛いので要チェックです。

生活を豊かにしてくれる、さまざまなショップ

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リニューアルの完了を経て、駒沢大学駅にはさまざまなショップがオープンしています。通勤通学の合間に、あるいは毎日のお散歩の中で、ぜひお好みのショップを見つけてみてください。

  • 猿田彦珈琲(スペシャルティコーヒー専門店)
  • ルナアース(アクセサリー・雑貨)
  • サーティワンアイスクリーム To Go(アイスクリーム/お持ち帰り専門店)
  • ゴンチャ(ティーカフェ)
  • ドトールコーヒーショップ(コーヒーショップ)
  • KOMEHYO(ブランド買取)

より広く、使いやすくなったトイレ

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天井はあえてスケルトンに。見上げてみれば、茶色く塗られたダクトは、まさに根っこ!

全体のリニューアルに先駆けて完成したのが、トイレのリニューアルです。設置位置を西口階段下から公園口通路に移動し、ベビーカーと一緒に入れる個室も整備。より広く、使いやすくなりました。

デザインでは、リニューアルのコンセプトである「UNDER THE PARK」を抽象的に表現。公園にある3つの要素から抽出した、土や木や葉をイメージさせるカラーを用いつつ、アルミパネルを壁面に取り入れ、柔らかく印象的な光に包まれる空間を創出。天井の配管やダクトは地上の木から伸びた根をイメージしています。

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また、脱炭素・循環型社会へ向けた取組として、旧玉川線の廃材として保管していた敷石を洗面台に活用し、廃材処理時のCO2削減を実現しました。洗面鏡は電車のドア窓をイメージした形状とし、親しみやすいデザインも取り入れました。

この新しいトイレは、「まちとつながる新しい駅トイレ」である点が評価され、2022年度グッドトイレ選奨・社会的活動部門の「奨励賞」を受賞しています。

先進性が評価されたデジタルサイネージ

今回のリニューアルでは、ホームからコンコースまで連動した3つのデジタルサイネージ「GUG PLATFORM」が設置されました。

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ホーム階の「RAIL VISON」(右上)
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改札内階段正面の「STEPS VISION」(中央)
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改札外通路の「CORRIDOR VISION」(右)

鉄道運行情報(輸送障害時の情報等)や広告だけではなく、地下空間の駅の中でも地上や地域とのつながりをイメージしていただけるよう、都立駒沢オリンピック公園や周辺の街並みから着想を得た、約130種類の大小さまざまな多彩なアニメーションを組み合わせて放映しています。

駒沢大学駅周辺の天気や季節の移ろいに合わせてイラストや色調が変わり、時間帯によってメッセージが変化するオリジナルコンテンツも特徴です。

さらに、「RAIL VISON」は上下線ホームの天井から下がり壁に設置した全長約90メートルのサイネージで、周辺環境と連動したオリジナルコンテンツを放映するのは全国の駅において初の取り組みです。

これらのコンセプトや取り組みによって駅を情報空間と楽しめる場所に変貌させたことなどが評価され、「デジタルサイネージアワード2025」で優秀賞を受賞しています。

「Green UNDER GROUND」と駒沢大学駅のこれから

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2021年7月からスタートし、今も続く「Green UNDER GROUND」。2025年3月に竣工した駒沢大学駅のリニューアルはプロジェクトの中でも特に大きな変化、そして成果となりました。

東急電鉄では、「サステナブルな地下駅」の実現を目指して、引き続きこのプロジェクトを推進していきます。みなさんも、ぜひ身近な「Green UNDER GROUND」の駅に足を運んでみてください。

<関連記事>「Green UNDER GROUND」第2弾!桜新町駅のリニューアル工事&苔栽培の実証実験をご紹介

■駒沢大学駅リニューアル工事 概要

  • 事業主体:東急電鉄株式会社、東急株式会社
  • 建物名称:田園都市線駒沢大学駅・駒沢大学駅東口ビル・駒沢大学駅西口1ビル・駒沢大学駅西口2ビル
  • 所在地:東京都世田谷区上馬4-3ほか
  • 工事内容:駅設備・内外装・旅客トイレの改修、エレベーター、店舗新設など
  • 施工会社:東急建設株式会社
  • 設計・デザイン:東急電鉄一級建築士事務所、株式会社交建設計、UDS株式会社、株式会社東京建築研究所、株式会社坂田涼太郎構造設計事務所
  • コミッショニング:NPO法人 建築設備コミッショニング協会
  • 着工:2021年7月30日(金)
  • 竣工:2025年3月31日(月)

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