
特別なときや食を心から愉しみたいときに訪れたい名店を紹介する、「ハレの日レストラン」。今回は、上野毛の一軒をご紹介します。
※この記事は「SALUS」2024年9月号の内容を再編集しています。
【天富良 天露】五感で旬を味わう、モダンな天ぷら
お店は、住宅街の一角。暖簾をくぐると、どこか懐かしいカウンター席の店内が広がります。ここは、1977年に創業。先代が45年間営んできたお店を、甥で2代目の石井宏道さんが2022年に引き継ぎました。石井さんは、かつてお台場にあった「ホテル日航東京」の天ぷら店「吉野」で副料理長、「銀座おのでら」で料理長を務めた後、地元・上野毛で独立。先代の思いを継ぎつつ、仕入れや調理法などを一新しました。「素材の味を楽しんでもらいたいので私は天ぷらの衣をなるべく薄くしてお出ししています」と石井さんは話します。
穴子・海老などの魚介は鮮度を重視して調理の直前にさばき、太白ごま油とこめ油を9対1の割合でブレンドした油で揚げて冷めないうちに1品ずつ提供。そんなカウンターごしのライブ感を大切にしているそう。
さっぱりしていて軽く、衣がサクサクに仕上がった天ぷらには、やさしくまろやかな自家製塩を。「天ぷらに合うように、焼き塩、昆布だし、干ししいたけの戻し汁、黒糖を煮詰めて作っています。素材の味を引き立たせるために、このお塩を使います」と石井さん。
「大将おまかせコース」の〆には、白飯・天丼・天茶・天バラから選べるご飯物とデザートが提供され、すっかりお腹が満たされるはず。

◯毛蟹の天ぷら(手前)は、丁寧にほぐした身をみそと一緒に甲羅に詰め直して揚げることでふくよかな味わいに。食感を活かすため、あえてアーチ型に仕上げた車海老。
◯思わず歓喜の声が上がる名物・ウニの天ぷら。ディナーコース(¥11,000〜)より、「大将おまかせコース」(¥17,600)の天ぷらの一品。
◯座席数に限りがあるので当日でもご予約がおすすめ。
■天富良 天露
住所:世田谷区上野毛1-27-9 八千代ハイツ
電話:03-3704-8474
営業時間:11:30〜13:30L.O./17:30〜20:00L.O. ※日・火は夜営業。
休:月(祝日の場合は夜のみ営業、翌日休) ※天ぷらの内容は仕入れ状況により変わります。
SALUSとは?
「ラテン語で“あいさつ”のこと。人々が出会い、行き交う場(駅)を象徴しています。東急線沿線は、まだまだ意外な街の表情や人々の魅力にあふれています。
「SALUS」は、単なる沿線紹介にとどまらず、「やってみよう」「行ってみよう」と思える魅力やアイデアを、読者の方へお届けします。さまざまな切り口から暮らしの楽しみ方を提案し、新たな世界との出会いや発見のきっかけになることを目指します。
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SALUS
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