
カカオを味わう、ざくふわカカオバターサンド
純白クリームのバターサンドをほおばると、驚くほど口溶け軽やか。バニラとラム酒の芳醇さに彩られた、カカオの香りに包まれる。チョコとはまた違う、すっきりビターで奥深い香りだ。「カカオバターそのものを味わうお菓子を作りたくて」、と酒井將駄(しょうた)シェフが発明した、カカオバターのバターサンド。
京都「洋菓子マウンテン」で名ショコラティエ、水野直己シェフに師事した彼らしい、カカオ愛と探究心のたまものだ。カカオバターはカカオ豆の油脂。無香にしたものが一般的だが、使うのは香りを宿した未脱臭タイプ。中でも乳と相性のいい香りのペルー産を選んだ。ただ加えるだけではこの食感と味は生まれない。
バターに混ぜたカカオバターが自然に固まる温度帯で泡立て、空気をたくさん入れ込み固めていくことでふわふわ軽い口溶けになるうえ、気泡一つひとつに閉じ込められたカカオ香が口内でカプセルみたいに弾けるのだ。カカオの未知の喜びを味わおう。
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カカオ豆からチョコレートを作り、さまざまなお菓子を仕立てる注目店の新作、「カカオバターサンド」1個¥486。カカオバタークリームを挟む生地はサブレブルトン。クリスピーながらザクホロ崩れ、口溶けの良いクリームを邪魔せず、ラム酒の香りがカカオの奥行きを深めてくれる。秋頃からは5種のフレーバー展開も予定。
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■LA BASE de Chez Lui(ラ・バーズ・ドゥ・シェ リュイ)
・住所:渋谷区代官山町20-23 Forestgate代官山MAIN棟1-06
・電話:03-6712-7563
・営業時間:10:00~20:00(19:30L.O.)
・休:火
・代官山駅より徒歩1分
chico ◉チコ
スイーツライター、コーディネイター。ガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。共著書に、『東京最高のパティスリー』(ぴあ)。
(撮影=星川洋嗣・スタイリング=田口恵美・文=chico)
※この記事は2024年8月号の内容を再編集しています
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「ラテン語で“あいさつ”のこと。人々が出会い、行き交う場(駅)を象徴しています。東急線沿線は、まだまだ意外な街の表情や人々の魅力にあふれています。
「SALUS」は、単なる沿線紹介にとどまらず、「やってみよう」「行ってみよう」と思える魅力やアイデアを、読者の方へお届けします。さまざまな切り口から暮らしの楽しみ方を提案し、新たな世界との出会いや発見のきっかけになることを目指します。
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