
カカオの個性息づく、香りを味わうタブレット
窓越しの目黒川の桜に誘われるように、ビーントゥバー*の名店に桜のタブレットが並びだす。頬張ると淡く華やぐ桜の香りがふわり。なのに桜の花も葉も、もちろん香料も不使用。
フローラル香を帯びたカカオで仕立てたチョコに、桜と同じ香り成分を持つトンカ豆の香りをまとわせることで、あの上品な桜の香りをかなえていた。カカオの個性を生かしきる表現が、始めにカカオありきのこちららしい。
さらに驚いたのは、あられをちりばめたタブレット。ざくざく食感とともに、米の甘みとしょうゆの芳醇さが口いっぱいに広がる。これでしょうゆ味のあられも、しょうゆも加えていないとは、いやまさか。
インドネシア産カカオのだしのようなうま味と、しょうゆを思わせる熟成香に合うものをと、行き着いたのがあられだったそうだが、このカカオにあられの香ばしさと米の味が加わると、一際しょうゆ的うま味にあふれる。チョコレートはやっぱり奥深くおもしろい!
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常時10~15種ほど揃うタブレットはすべて、ブレンドなしのシングルオリジン。左から「SAKURA」¥1,944。販売期間は、2025年4月末頃までを予定。昨年定番入りした「東京-あられ-」¥1,998。満月の日に汲み上げた海水で作った自然塩を使う「東京-満月の塩-」¥1,998。東京シリーズは都内店舗とオンライン限定。*カカオ豆から板チョコレートの工程を自社で一貫して行う製造スタイル
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■green bean to bar CHOCOLATE 中目黒店(グリーンビーントゥーバーチョコレート)
・住所:目黒区青葉台2-16-11
・電話:03-5728-6420
・営業時間:10:00~20:00
・休:無
・中目黒駅より徒歩10分
chico ◉チコ
スイーツライター、コーディネイター。ガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。共著書に、『東京最高のパティスリー』(ぴあ)。
(撮影=星川洋嗣・スタイリング=田口恵美・文=chico)
※この記事は2025年4月号の内容を再編集しています
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「ラテン語で“あいさつ”のこと。人々が出会い、行き交う場(駅)を象徴しています。東急線沿線は、まだまだ意外な街の表情や人々の魅力にあふれています。
「SALUS」は、単なる沿線紹介にとどまらず、「やってみよう」「行ってみよう」と思える魅力やアイデアを、読者の方へお届けします。さまざまな切り口から暮らしの楽しみ方を提案し、新たな世界との出会いや発見のきっかけになることを目指します。
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