東急線で世界一周 vol.3

美食大国ペルーを食べ尽くす旅【沿線トリップ「東急線で世界一周」vol.3】

Urban Story Lab.

2026/2/24

沿線でショートトリップ気分を味わう企画「東急線で世界一周」。第3弾となる今回は、東急線沿線の「ペルー」を特集します。

「マチュピチュ」や「ナスカの地上絵」など、13ヶ所もの世界遺産を持つペルー。美食の国としても知られ、観光旅行にはうってつけの場所です。しかし、日本からの直行便はなく、フライトは片道25時間以上かかるため、なかなか気軽には行けません。

ですが、東急線に乗れば“半日”でペルー文化を満喫できるという噂が! 真相を確かめるべく、東横線に乗り込みました。

【武蔵小杉駅】本格ペルー料理を洗練された空間で「REY peruvian cuisine」

タワーマンションも多く、高級住宅街としても知られる武蔵小杉駅。駅前は大型商業施設やチェーン店が目立ちますが、昔ながらの商店街の通りには知る人ぞ知るローカルな名店が軒を連ねています。

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こちらの「REY peruvian cuisine」もそのひとつ。のどかな法政通り商店街の奥にひっそりと佇む、武蔵小杉エリアで唯一の本格派ペルー料理レストランです。お店を営むのは、ペルー生まれ日本育ちのご夫妻。「何もないところから国づくりを始めたインカ帝国のように、ペルー文化に馴染みのない武蔵小杉にペルー料理を広めたい」という思いでお店を開いたそうです。

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店名のREYは「王様」を意味するスペイン語。王宮をモチーフにしたアーチや玉座のようなソファがあり、店内はまさにお城の中のような雰囲気。小規模ながらも高級感あふれる“映え”な空間にテンションが上がります。

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REYのランチは、セットかコースから選べます。コースでは、ペルーの伝統的な美食「セビチェ」(魚介のマリネ)が食べられるということで、筆者はランチコースをチョイスしました。

メインディッシュは月替わりで、今月は「ロクロ・デ・ポヨ」という料理。「無難なものに偏らず、いろんなペルー料理をまんべんなく楽しんでもらいたい」という店主さんの思いから、あえてメインは1種類に固定しているといいます。

ついでに、人気No.1のドリンク「チチャモラーダ」も注文してみました。どれも耳馴染みのない料理ばかりですが、一体どんなものが出てくるのでしょうか…!?

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早速やってきました。こちらが前菜の「セビチェ」です。天然真鯛に、紫玉ねぎ、2種類のとうもろこし、さつまいもが添えられています。黄色いソースは、レモン果汁にアヒ・アマリージョという黄色い唐辛子を混ぜたものだそうです。

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まったく味が想像できなかったのですが、ひと口食べて、そのおいしさに衝撃を受けました。レモンが効いた酸味の強いソースが、淡白な真鯛の旨みを最大限に引き出しているのです。“揚げ”と“ゆで”で食感が異なる2種類のとうもろこしや、奥のほうでほんのり香るパクチー、酸っぱさを和らげてくれるさつまいもなど、すべての食材が奇跡のバランスで調和しています。これは病みつきになるお味。

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こちらがドリンクの「チチャモラーダ」。紫とうもろこしに、パイナップルやりんご、シナモンやクローブなどを加えて煮込んだジュースです。アルコールが入っていないサングリアのような、上品で奥深い甘み。おしゃれなランチコースにぴったりの一杯です。

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そして、メインディッシュはかなりボリューミーなひと皿。「ロクロ・デ・ポヨ」とは、骨付き鶏肉とかぼちゃを煮込んだペルーの家庭料理です。ドーナッツ型に盛り付けれたガーリックライスと混ぜ合わせながらいただきます。

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見てください。この、スプーンでほどけるホロホロの鶏肉。濃厚なかぼちゃシチューに絡めながら、ガーリックライスとともに食べるともう最高!シチューにはケソフレスコというフレッシュチーズも入っており、爽やかな甘みでさらに食が進みます。

セビチェにも使われていたアヒ・アマリージョと、アヒパンカという2種類の唐辛子を隠し味として加えているそうですが、辛み部分が取り除かれているので辛さは感じません。お子さんでも安心して召し上がれます。

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ほかにも、「チルカノ」という魚介のスープや、「マサモラ」という紫とうもろこしとフルーツのデザート、食後のハーブティーかコーヒーが付いて、お値段はなんと3,000円(税別)。かなり満足度の高いランチコースでした。

ディナーはさらに趣向を凝らしたペルー料理のフルコースが楽しめるようです。ペルー料理のおいしさを知れたので、次回はディナータイムにも足を運んでみたいと思います!

REY peruvian cuisine
・所在地:神奈川県川崎市中原区今井南町19-2
・電話番号:044-281-4799
・営業時間:12:00~14:30(L.O.13:30)、18:00~22:30(L.O.20:30)・定休日:水曜日+不定休(ランチは木曜休み)※休日はGoogle Mapsをご確認ください。
https://rey-kawasaki.com/

【自由が丘駅】本場の濃厚アサイーボウルが絶品「AMAZON POLPAS」

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東横線に乗って、次の目的地「自由が丘駅」へ。賑やかな栗の木通りから少し離れた、閑静な住宅街の中にある小さな一軒家。ここは、中南米のデザートや食料品を販売するカフェ&マーケット「AMAZON POLPAS」。外には雰囲気のいいテラス席があり、テラス、店内ともにワンちゃんを連れて入ることもできるペットフレンドリーなお店です。

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店内はカフェスペースとマーケットコーナーに分かれており、ラックには異国情緒を感じる商品がずらりと並んでいます。

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ひときわ目を引くこちらの箱は、ペルーで定番の「パネトン」というケーキ。発祥はイタリアですが、ペルーは“世界一パネトンを消費する国”と言われるほど。特に、クリスマスシーズンは飛ぶように売れるそうです。

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中南米料理のレトルト食品も人気商品のひとつ。チョコレートを使った伝統料理「モレソース」をカレーにアレンジした「モレチーズカレー」や、黒いんげん豆を肉と一緒に煮込んだ家庭料理「フェイジョアーダ」など、リーズナブルな価格で手軽に本場の味を楽しむことができます。

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食料品だけではなく、雑貨の品ぞろえも充実しています。こちらは中南米より直輸入した伝統工芸品。日本にはない、個性的で味のあるデザインがユニークですね。

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マーケットの商品をひと通り楽しんだところで、いよいよAMAZON POLPASの看板メニュー「アサイーボウル」をいただきます。実は、アサイーボウルの発祥はブラジルで、現地では農家の人が木に登ってアサイーの実を収穫しているといいます。ちなみにアサイーの可食部は全体の2~5%程度ととても少なく、余った種の部分は写真左のようにアクセサリー化するなどしてアップサイクルすることも。

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こちらのアサイーボウルはSとMの2種類があり、アサイーボウル大好きな筆者は迷わずMサイズを注文。アサイーはポリフェノールやビタミンなどの栄養素が豊富で、健康と美容にとっても良い食べ物とされています。実質カロリーゼロですね!

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フルーツがたっぷり盛られていて、ボリューム感もバッチリ! 

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AMAZON POLPASでは、濃度14%の超濃厚なアサイーを現地から輸入しているそう。いろいろなアサイーを食べ歩いてきましたが、今まで食べた中で一番アサイー本来の味わいをしっかり感じられたような気がします。

ボウルの底にはクリーミーでコクのあるグリークヨーグルトが敷かれており、アサイーの爽やかな甘酸っぱさを引き立てています。ほんのり甘いグラノーラや、ジューシーなフルーツとも相性抜群。どれだけ食べても飽きのこない、クセになる味わいです。

さらに甘さがほしい場合は「アガベシロップ」をかけてもOK。アガベシロップとはメキシコ産の天然甘味料で、クセのない自然な甘みが特長です。血糖値の急上昇を抑えてくれるので、ダイエット中でも気兼ねなく使えるのが嬉しいですね。

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ランチコースを食べたあとでしたが、あっという間にアサイーボウルを完食。やっぱりデザートは別腹です。帰りはマーケットで小さめのパネトンを購入。セール価格で227円(税込)でした。安い!

AMAZON POLPAS
・所在地:東京都世田谷区奥沢5-20-23 1階
・電話番号:03-6421-3874
・営業時間:10:00~18:00(L.O.17:00)
・定休日:不定休
https://www.instagram.com/amazonpolpas_jiyugaoka

【五反田駅】貴重な中南米の商品が目白押し!「南米市場キョウダイマーケット」

自由が丘駅から大井町線に乗り、旗の台駅で乗り換え。都内では珍しい3両編成の池上線に乗り、本日最後の目的地、五反田駅にやってきました。

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五反田駅前には、中南米の商品を専門に扱う有名なスーパーマーケットがあるそうです。地図上ではこちらのビルを指しているのですが、とてもスーパーが入っているような建物には見えません…。

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おそるおそるエレベーターで6階に上がると…ありました! 賑やかな中南米の雰囲気が漂う「南米市場キョウダイマーケット」です。

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実は、このビル内には在東京ペルー共和国総領事館と在東京ブラジル連邦共和国総領事館が入っています。各種手続きでこの場所を訪れた際に、故郷の商品を楽しんでもらいたいという思いから、日本に住む南米の方々への支援活動をおこなっていた団体がキョウダイマーケットをオープンしました。

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日本生まれペルー育ちの従業員・フランコさんは「日本にはペルーの領事機関の数が少なく、五反田に来る人が多いんです。在日ペルー人の方は、みんなキョウダイマーケットを知っていると言っても過言ではありませんよ」と笑顔を見せます。

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気さくなフランコさんに案内してもらい、店内を探索。どこもかしこもカラフルな商品にあふれていて、店中がハッピーなオーラに包まれています。

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どれも日本では見たことがない商品ばかり…と思いきや、先ほどAMAZON POLPASで購入したパネトンが大量に積まれていました! キョウダイマーケットとAMAZON POLPASは姉妹店で、キョウダイマーケットの商品をAMAZON POLPASに卸しているそうです。

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AMAZON POLPASではレトルト食品として売られていたフェイジョアーダですが、キョウダイマーケットにはより本格的なフェイジョアーダを作るための「フェイジョアーダセット」が売られていました。パックの中には、豚の鼻、耳、尻尾など、珍しい肉の部位が詰め込まれています。これらを黒いんげん豆とともにじっくり1日かけて煮込むそう。ぜひ料理上手な方にチャレンジしてもらいたいです(筆者にはハードルが高く、断念)。

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最初に訪れたレストラン「REY peruvian cuisine」でも唐辛子を使った料理をいただいたように、ペルー料理には唐辛子が欠かせません。キョウダイマーケットではさまざまな種類の乾燥唐辛子が販売されており、品ぞろえはアジア随一!台湾や中国などから買い付けに来る人も少なくないようです。

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また、お店の至るところにアルパカを発見。ペルーは全世界のアルパカ頭数の約8割が生息するアルパカ大国だそう。フランコさんも、ペルーで暮らしていたころはアルパカと生活をともにしていたといいます。

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本物のアルパカの毛を使ったふわふわのぬいぐるみもありました。つぶらな瞳がとっても可愛い!

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店内を見て回ること小一時間。気になるものが多すぎて、悩みに悩んだ末、今回はこちらの商品を購入しました!

上段左は、キョウダイマーケット売れ筋No.1の「エンパナーダ」。パン生地に鶏肉や牛肉を包んで焼いた、ペルーのホットスナックです。

その隣は「冷凍リングイッサ」。こちらも人気商品で、ボリューミーでジューシーな本場ブラジルの生ソーセージです。

その下にあるカラフルなパッケージは、REYのランチコースでデザートとして出てきた「マサモラ」の素。水を加え、お湯に入れて沸騰させるだけで簡単にマサモラの味が再現できる優れものです。これなら筆者でも作れそう!

グミとクッキーはお土産としていただきました。キョウダイマーケットの皆さん、本当にありがとうございました!

南米市場キョウダイマーケット
・所在地:東京都品川区東五反田1丁目13-12 6階
・電話番号:03-3280-1035
・営業時間:月~金:9:10~19:00/土・日・祝日:10:00~18:00
・定休日:不定休
https://kyodaimarket.com/

東急線で気軽にペルーの文化と美食を満喫

キョウダイマーケットの皆さんに別れを告げ、すぐ近くの公園へ。先ほど購入したエンパナーダをいただきます。ほかほかでおいしそう。

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外はサクサク、中はしっとりの生地に、柔らかい牛肉がぎっしりと詰め込まれています。黒コショウが効いたちょっぴりスパイシーな味わいがたまりません。片手で食べられるし、仕事の合間の小腹満たしにもちょうどよさそうですね。五反田で働く全ビジネスマンに教えたい逸品です。

ランチコース、アサイーボウル、そしてエンパナーダと、美食の国のおいしいものを食べて食べて食べ尽くした一日。日本でペルー文化を盛り上げようと頑張る人々の思いにも触れて、お腹も心もしっかり満たされたショートトリップとなりました。

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ライター/渡辺ありさ
カメラマン/Ban Yutaka、飯山福子
編集/菱山恵巳子(ヒャクマンボルト)

掲載店舗・施設・イベント・価格などの情報は記事公開時点のものです。定休日や営業時間などは予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。

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