長期経営構想 ~未来に向けた美しい生活環境の創造~
当社は、このたび、2030年までの経営スタンスおよびエリア戦略・事業戦略などを取りまとめた長期経営構想(以下、本構想)を策定しました。
当社は、創業以来、鉄道事業を基盤とした「街づくり」を通じて、社会課題の解決に取り組んでおり、現在は、“Make the Sustainable Growth”と題した中期経営計画(2018年度~2020年度)に取り組んでいます。
この中では、サステナブルな「街づくり」「企業づくり」「人づくり」の「3つのサステナブル」を基本方針に掲げ、鉄道事業の「安全」「安心」「快適」の追求、「世界のSHIBUYA」に向けた大規模再開発事業の確実な推進、グループ各事業の総合力発揮による沿線価値・生活価値向上、および戦略的アライアンスによる事業拡大などを推進しています。
このような中、当社は9月2日、東京急行電鉄株式会社から「東急株式会社」に商号変更を実施し、また、鉄軌道事業については、会社分割により、2019年10月1日から、「東急電鉄株式会社」が事業を実施します。
本構想は、鉄軌道事業の分社化をはじめとした「グループ経営体制の高度化」にスピード感をもって取り組むとともに、「東急が描く未来」と「向かうべき方向」を明確に示すべく策定しました。
本構想においては、東急グループのスローガンである「美しい時代へ―東急グループ」が普遍的な価値基準であると改めて認識し、「未来に向けた美しい生活環境の創造」という副題を掲げています。
現在および今後の社会環境の変化を鑑み、SDGsなども意識して策定した「サステナブル重要テーマ」に正面から向き合いながら、沿線内外の各エリアの特性や成長可能性に応じたエリア軸としての戦略、および交通インフラ・都市開発・生活創造など各事業軸としての戦略を組み合わせることで、社会課題の解決と事業成長の両立を目指していきます。
また、「未来への挑戦」として、幅広い事業領域を有する当社ならではの社会価値提供による2050年目線の未来を描き、「世界が憧れる街づくり」を目指していきます。
本構想の概要は以下の通りです。
長期経営構想の概要
- 1. 本構想の位置づけ
- 2. 各戦略
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(1)エリア戦略
1.渋谷
- 渋谷集中戦略の継続による、「Greater SHIBUYA」での面的魅力向上
- 開発と鉄道を組み合わせたインフラ整備・増強による街の進化
- 「エンタテイメントシティSHIBUYA」のさらなる進化・深化
2.多摩田園都市- 各事業(鉄道・不動産・生活サービス)の総合力の一体的発揮による、郊外における先進的な課題解決
- 拠点開発における「職・住・遊」などの機能の戦略的配置による、街の活性化、鉄道の逆輸送促進
3.沿線重点エリア- さらなる成長や発展が見込めるエリアにおける、積極的な事業機会の獲得・創出
4.沿線外国内:インバウンドや国内余暇需要の増加を背景とする交流人口の取り込み
海外:グループ内外での戦略的アライアンスによる事業拡大、街づくりのノウハウを活かした都市開発
(2)事業戦略1.交通インフラ事業- 鉄道事業における安全性の追求、公益性と収益性の高次元での両立
- 空港運営事業とMaaSを軸にした次世代の交通インフラビジネスの構築
2.都市開発事業- 東急ならではの街づくりの推進による社会課題の解決と事業の成長
- ITの活用や各事業との総合力発揮による、不動産事業から「都市経営」への進化
3.生活創造事業- 個別事業の競争力強化および不動産事業との相乗効果追求
- 顧客ニーズの多様化や生活スタイルの変化を先取りする消費者・利用者志向の経営
4.リテール事業- グループ連係およびアライアンスによる事業構造転換と収益性の向上
- 新技術導入による新たな顧客体験の提供や生産性向上
5.ホスピタリティ事業- ホテル事業における競争力強化
- 街づくりとの連携および多様化するライフスタイルに対応した事業開発
- 環境変化に対応したバリューチェーンおよびサプライチェーンの再構築
- 3. 目標経営指標(2030年度)
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積極的な投資による利益規模の拡大、親会社株主に帰属する当期純利益1,000億円
【数値目標】
2018年度実績 2030年度目標 東急EBITDA※ 1,766億円 3,000億円 親会社株主に帰属する当期純利益 578億円 1,000億円 (参考)営業利益 819億円 1,500億円 有利子負債/東急EBITDA倍率 6.0倍 5.0倍程度 ※ 営業利益+減価償却費+のれん償却額+固定資産除却費+受取利息配当+持分法投資損益
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