ホスピタリティ

ホテル・リゾート事業

東急ホテルズなどの子会社を通じて、国内外でホテル・リゾート事業を手がけています。

東急ホテルズ/東急ホテルズ&リゾーツ

新たな成長を目指し、ホテル・リゾート事業子会社を再編

当社は、ホテル・リゾート事業子会社である東急ホテルズ、東急シェアリングの役割を再編成し、2023年4月1日、新たなホテル運営専業会社「東急ホテルズ&リゾーツ」を設立、始動しました。新体制となったホテル・リゾート事業では、下図のとおり、当社および東急ホテルズがホテル経営を、東急ホテルズ&リゾーツが運営を行っています。
当社と東急ホテルズは、ホテル・リゾート事業の資産マネジメントを担うとともに、ホテル経営を通じて街や地域に、より高い付加価値を創造していきます。東急ホテルズ&リゾーツは、質の高いホテル運営力を強みとして新たな運営受託店舗を獲得し、ネットワークを拡充することで成長を目指します。

ブランドの拡充

東急ホテルズ&リゾーツのチェーンブランド「東急ホテルズ」は、66ホテル・12,849室(パートナーホテル含む)を展開しています(2023年3月現在)。ブランドラインアップの再編・拡充により、さまざまなお客さまの多様なニーズにお応えするとともに、ホテル経営や投資を検討するクライアントの皆さまに、幅広く柔軟なブランド選択肢を提供することにより、新たな事業成長を実現していきます。

これまでの「東急ホテル」「エクセルホテル東急」「東急REIホテル」の各ブランドに、 当社が展開し、東急シェアリングが販売・運営を受託してきた会員制滞在型リゾートである「東急バケーションズ」ブランドが加わったほか、新たなブランド群として 「DISTINCTIVE SELECTION」を創設しました。
「DISTINCTIVE SELECTION」は、唯一無二の価値を追求して一店舗ごとに個別ブランドを設定する「単独型ブランド」と、ブランド認知の拡大を企図し、複数店舗に展開する「展開型ブランド」で構成しています。単独型ブランドは、2023年5月に東急歌舞伎町タワーに開業した「BELLUSTAR TOKYO」や「HOTEL GROOVE SHINJUKU」などをラインアップ。展開型ブランドはライフスタイルホテルとして新設する「STREAM HOTEL」や、ホテルコンドミニアムの「STORYLINE」で構成しています。「STREAM HOTEL」は、渋谷ストリームエクセルホテル東急を「SHIBUYA STREAM HOTEL」としてリブランドするとともに、2023年度に札幌で新規開業予定のホテルブランド・名称を「SAPPORO STREAM HOTEL」とし、渋谷と札幌から新たに展開していきます。

新規開業予定のホテル

札幌/SAPPORO STREAM HOTEL

2024年1月開業(予定) 客室/436室

国内有数の繁華街・札幌すすきのの玄関口に位置し、市営地下鉄すすきの駅直結という利便性を有する、商業店舗、シネマコンプレックス、ホテルからなる大型複合施設「COCONO SUSUKINO」の7~18階に出店します。宿泊客も地元の方も自由に過ごせる交流空間を提供し、お客さまが集い・働き・遊べる、「旅の拠点」として、また地域とゲストをつなぐ「HUB(ハブ)」としてご利用いただけます。

沖縄/STORYLINE瀬長島

2024年4月開業(予定) 客室/101室

ホテルの一室を別荘として所有し、利用しない期間はホテル客室として貸し出して賃料収入を得る「ホテルコンドミニアム」の新ブランド「STORYLI NE」の第1号物件が、沖縄県豊見城市に位置する瀬長島でスタートします。那覇空港から車で約10分の立地は、週末の仕事後でも気軽に訪問が可能。開放感あふれるルーフトップからは、飛行機が離発着するダイナミックな風景をお楽しみいただけます。

TsugiTsugi(ツギツギ)

当社は、ホテル・リゾート事業における新たな事業形態・サービスとして、旅するような暮らし方を実現する定額制回遊型宿泊サービス「TsugiTsugi」を2023年5月に正式事業化しました。
「TsugiTsugi」は、全国100以上の宿泊施設に期間内自由に泊まることができるサブスクリプションサービスとして、当社グループホテルに加え、多くの外部宿泊施設と提携することで宿泊プラットフォームを構築しています。さらに、ANAグループなどの交通事業者や観光地域づくり法人「DMO」と連携することで、各地域の関係人口および交流人口の創出に取り組んでいます。
また「TsugiTsugi」は、曜日別の閑散期(日曜日~木曜日)の宿泊割合が高く、予約リードタイムが短いため、需要の曜日偏重によって生じるオフピークや直前期での送客に寄与しています。加えて、新規顧客とのタッチポイントとなることで当社ホテル・リゾート事業における新たな需要を獲得しています。

ゴルフ事業
エメラルドコーストゴルフリンクス
エメラルドコースト
ゴルフリンクス

当社は子会社を通じ、国内に6カ所のゴルフ場を展開しています。社交の舞台として名高いゴルフ場から、身近なスポーツ・レジャーとして楽しんでいただけるゴルフ場まで、それぞれの特性を生かしながら、お客さまのニーズにあった質の高いゴルフライフを提供しています。

ゴルフ場一覧
スリーハンドレッドクラブ(神奈川県)
ファイブハンドレッドクラブ(静岡県)
東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)
東急グランドオークゴルフクラブ(兵庫県)
グランドオークプレイヤーズコース(兵庫県)
エメラルドコーストゴルフリンクス(沖縄県)
まいぱり 宮古島熱帯果樹園
トロピカルガイドツアー
トロピカルガイドツアー

当社および子会社の宮古観光開発は、沖縄県宮古島市で「まいぱり宮古島熱帯果樹園」を運営しています。「まいぱり」とは、宮古島の方言で「与那覇前浜の畑」を意味する言葉です。地元に根差した農業、観光振興を推進するため、地元産農作物の販売のほか、園内をカートに乗って散策する「トロピカルガイドツアー」などを実施しています。

国際事業(海外でのまちづくり)

東急グループが長年培ってきた沿線開発のノウハウを生かし、ベトナム、タイ、オーストラリアの3カ国でまちづくり事業を展開しています。

ベトナムでの事業

ベトナムは安定した政治体制や親日で穏健な国民性に加え、GDP成長率や生産年齢人口の増加など着実な経済成長が期待できることから、当社はビンズン省にて都市開発事業を、ホーチミン市ほかにて分譲住宅事業や不動産管理事業などを展開しています。不動産事業のバリューチェーンを構築し、ベトナムの都市の発展に貢献していきます。

ビンズン新都市におけるまちづくり
ビンズン新都市におけるまちづくり

ビンズン省でのまちづくり

ホーチミン市の北約30kmに位置するビンズン省は、日系含む外資企業による工業団地への進出が多く、今後の発展が見込まれるエリアです。当社はベトナム企業「ベカメックスIDC」との合弁会社であるベカメックス東急を2012年に設立し、同省ビンズン新都市 (約1,000ha)内において、住宅や商業などからなる「東急ガーデンシティ」の開発を進め、日越合弁企業として公共交通との一体的なまちづくりを展開しています。

住宅事業
高層マンション「SORA gardens Ⅱ」
高層マンション
「SORA gardens Ⅱ」
SORA gardensⅠとⅡをつなぐ住民の憩いの場「greenway」
SORA gardensⅠとⅡをつなぐ住民の憩いの場
「greenway」
MIDORI PARK内低層住宅「HARUKA Residence」「HARUKA Terrace
MIDORI PARK内低層住宅
「HARUKA Residence」「HARUKA Terrace」

ベカメックス東急はビンズン新都市において高品質で快適な住居を提供しています。最初に手掛けたマンションプロジェクト「SORA gardensⅠ」(全406戸)は、開発コンセプトである「ガーデン」を空中庭園や壁面緑化により実現したほか、施工品質やセキュリティ体制などジャパンクオリティーにこだわり、2015年に竣工。2018年には三菱地所レジデンスと合弁会社「BTMJR INVESTMENT LIMITED COMPANY」を設立し、2021年には、「SORA gardensⅡ」(全557戸)が竣工。「SORA gardensⅠ」との一体感のある外観や連続する商業空間を創造するとともに、ビンズン省では初となる全戸へのスマートホーム設備・システムを導入しています。
一方、新都市内の別のエリアで進めているエリア開発プロジェクト「MIDORI PARK」は、高層コンドミニアムや低層のタウンハウス、ヴィラが統一感のある美しい街並みをつくるとともに、敷地面積に対して緑地の割合が56%を占めるなど、緑豊かな住環境が特徴です。自然を身近に感じられるよう、エリア内には小川や四季折々の植栽を配置しています。
2019年にはマンションプロジェクト「MIDORI PARK The VIEW」(全604戸)が竣工。さらに2020年にはNTT都市開発と合弁会社「H9BC INVESTMENT COMPANY LIMITED」を設立し、分譲マンション「MIDORI PARK The GLORY」が2021年に着工し、2024年に竣工予定です。「MIDORI PARK」は、今後も全体の面的開発が進んでいきます。

商業

2015年からビンズン省庁舎に隣接する新都市の中心で、商業施設「Hikari」を運営しており、2022年9月に拡張エリアが開業しました。ビンズン新都市における持続可能なまちづくりを目指し、コンポストやアクアポニックス、太陽光発電などの環境に配慮した取り組みを導入しています。
また2023年7月には、ビンズン新都市で初のショッピングセンターとなる「SORA gardens SC」が開業しました。複数の日系テナントが入居し、物販・飲食・エンターテインメントが楽しめます。お子さま連れのお客さまに快適にご利用いただけるように、授乳室やキッズトイレを設けるなど、日本で培った商業施設運営ノウハウを生かしています。

「(仮称)SORA gardens SC(第1期)」外観イメージ
商業施設「SORA gardens SC」
バス事業
KAZE SHUTTLE
KAZE SHUTTLE

ベカメックス東急の100%子会社ベカメックス東急バスが、ビンズン新都市とトゥーヤモット市街を結ぶ路線「KAZE SHUTTLE」の運行を2014年に開始しました。2016年からはビンズン新都市内を循環する路線も加わり、現在7系統11路線および市中心部と近隣ショッピングセンターを結ぶ住民向けの路線を展開しています。定時運行や安全・快適な車両の導入、お客さまへの丁寧な接客案内など日本のノウハウを活用した交通システムの定着を図っています。
「東急多摩田園都市」のノウハウを生かした公共交通一体型のまちづくりを推進することでビンズン新都市の成長に貢献するとともに、市街地での交通渋滞が深刻化しつつあるバイク中心の社会から、公共交通機関を利用する社会への転換(モーダルシフト)に向け、先駆的に取り組んでいます。
2022年10月にはベトナム初となる公道での自動運転の実証実験を行い、今後はデータ利活用による都市・交通課題解決を目指していきます。

その他のまちづくり

ビンズン新都市では、地元の方々との文化交流や地域貢献を目的に、さまざまなイベントを開催しています。日越友好40周年を記念して2013年に実施したサッカー国際親善試合をきっかけに、サッカーを通じての親睦イベントを継続して行っています。2021年には、川崎フロンターレと連携して、ベトナム初のJリーグクラブによるサッカースクールを開校しました。子どもたちの教育の場を提供することで、サッカーを通じた地域貢献を目指します。

サッカースクール
サッカースクール
越華国際学校
越華国際学校

ほかにも、日本祭りや音楽イベントなどの文化イベントを定期的に開催し、建物の開発のみならず、ソフト面のまちづくりにも力を入れています。
また、ビンズン省には外資企業が多数進出しているため、当社と台湾系有志で「越華国際学校」を設立し、幼稚園・小学校を運営しているほか、日系医療クリニックを誘致するなど、ビンズン省に住む外国人やその家族が安心して長期滞在できるようサポートしています。

ホーチミン市ほかでの不動産事業

ビンズン新都市での事業経験を生かし、当社はベトナム最大の都市ホーチミン市エリアにおいても、現地不動産デベロッパーと共に事業を展開しています。2017年には、ホーチミン市北東部において、フンティン社との共同分譲住宅「Moonlight Residences」(全535戸、2019年竣工)に参画しました。また、2022年には、ヤンコイ社と共に分譲マンション事業を開始し、今後も引き続きホーチミン市ほかでの事業を展開していきます。

総合不動産管理事業

当社は、日本で最大規模の不動産管理実績を有する東急コミュニティーと共に、総合不動産管理会社「TOKYU PM Vietnam CO., LTD.」を2019年に設立しました。
急速に経済成長を遂げるベトナムにおいて、長期的な視点でさまざまな建物・施設の管理を展開し、有益で良質な社会的ストックを形成することにより、ベトナムの都市の発展に貢献していきます。

タイでの住宅事業

タイは2017年に国家の成長戦略として「東部経済回廊(EEC)政策」を発表しており、さらなる経済成長が期待されています。当社は、EEC政策域内のシラチャにて賃貸住宅事業、鉄道網の拡充とともに都市化が進むバンコクにて分譲住宅事業を行っています。

シラチャでの日本人向け賃貸住宅事業

バンコクより南東へ約100kmに位置するシラチャは、製造業を中心とした日系企業の進出も多く、今後も発展が見込まれるエリアです。当社は、2014年にタイ大手財閥系企業サハグループと合弁会社「サハ東急コーポレーション」を設立し、日本人向け賃貸住宅事業を推進しています。「ハーモニック レジデンス シラチャ」(全212戸)は、2016年に開業し、2021年に住戸と共用施設を拡張した駐在員家族向けの賃貸住宅です。歩車分離や緑豊かな遊歩道の設置など、安心・快適な住環境が評価され、ミキハウス子育て総研の「子育てにやさしい住まいと環境」に海外で初めて認定されました。また、2020年からは単身・夫婦向け賃貸住宅「グリーンライフ」(全75室)を運営しています。
今後も顧客視点に立った開発・運営の推進により、海外で暮らす日本人家族に安心で快適な暮らしを提供していきます。

賃貸住宅「ハーモニック レジデンス シラチャ」共用棟
賃貸住宅「ハーモニック レジデンス シラチャ」共用棟

バンコクでの分譲住宅事業

タイの不動産デベロッパーであるサンシリ社と共に、2017年より分譲住宅事業を展開し、「taka HAUS」(全269戸)、「XT EKKAMAI」(全537戸)をはじめ、高い住宅品質や充実した共用部を備えた、快適な住まいを提供しています。「Burasiri Krungthep Kreetha」(全274戸)は当社タイ事業初の分譲戸建て事業で、好調な販売が続いています。利便性と自然が調和した生活環境と、多彩な共用施設、ゆとりある間取りが特徴で、タイにおいては先進的な環境配慮の取り組みも導入しています。「dcondo Hype Rangsit」(全546戸)は、2023年7月に販売を開始しましたが、タイ人の実需層や投資家を中心に高い評価を受け、全戸即完売しました。また、2023年9月からサハグループと高層コンドミニアム「KingsQuare Residence」(全222戸)を販売しています。タイの住宅部門では初の「Fitwel認証」三ツ星を獲得した、居住者の健康とウェルビーイングに配慮した住宅です。
今後も当社のまちづくりノウハウを生かし、タイの発展・住まいのクオリティー向上に貢献していきます。

分譲住宅「Burasiri Krungthep Kreetha」
分譲住宅「Burasiri Krungthep Kreetha」
西豪州・ヤンチェップ地区における都市開発事業、宅地開発事業
Y・hub

西オーストラリア州の州都パースから北へ約50kmのヤンチェップ・ツーロックス地区において、当社子会社であるヤンチェップ サン シティならびにセント アンド リュース プライベート エステートがそれぞれ現地企業と合弁会社を設立し、都市開発事業と宅地開発事業を推進しています。
2023年完成予定の州政府による鉄道延伸も見据えた周辺のインフラ整備のほか、「Clean Green Sustainable City」の実現に向けたイノベーションやビジネス創出を目指した研究教育複合施設「Y・hub」や職業訓練学校の運営、ローカルブランドの確立を目指したファームビジネスなども進めています。

  • 西豪州ヤンチェップ・ツーロックス地区で推進する宅地開発事業
    西豪州ヤンチェップ・ツーロックス地区で推進する宅地開発事業
  • 研究教育複合施設「Y・hub」
    研究教育複合施設「Y・hub」