
落ち着いた住宅街の一角に広がり、吉良氏が築城した世田谷城の跡として残る公園。起伏に富んだ園内には、かつての面影を伝える土塁や空堀があり、見晴らしのいい小高い丘になっています。
※この記事は2019年に公開した内容を再編集しています。

北は豪徳寺、西は宮の坂駅、東と南は烏山川緑道のあたりまで広がっていたとされる世田谷城。その南東端の郭(くるわ)を中心とした一帯にある公園です。東京都指定文化財になっている世田谷区内唯一の歴史公園で、せたがや百景にも選ばれています。
世田谷城は、南北朝時代に吉良氏が築城したといわれていて、それから二百数十年の間、吉良氏八代の居城として栄えました。吉良氏の側室であった常盤姫をめぐる物語の舞台のひとつでもあり、区の花になっているサギソウにちなんだ伝説が語り継がれています。


豊かな樹木に覆われた公園内には、世田谷城の面影を伝える土塁や空堀がいたるところに残っています。それらは近年になって公園整備のために築かれたもので、もともとの石材は江戸城改修の際に持ち出されたそう。
丘や谷になっている起伏に富んだ地形をしていて、いちばん高い丘からは三軒茶屋のキャロットタワーを見晴らすことができます。落ち着いた住宅街の中にあって、ベンチに腰かけて読書をしたり、歴史を訪ねる人の姿も。緑あふれる史跡を歩いて、かつての世田谷に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
世田谷城阯公園
・住所:東京都世田谷区豪徳寺2-14-1
・公式サイト:https://www.city.setagaya.lg.jp/02075/9121.html
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