
かつて世田谷線を走り、65年間の現役生活を終えて宮坂区民センターに展示されている車両。玉電の愛称で親しまれた車両は地域の憩いの場になっています。
※この記事は2019年に公開した内容を再編集しています。

旧玉電デハ80形、または江ノ電600形。その車両は、宮の坂駅の下高井戸方面行ホームに隣接する宮坂区民センターにあります。
1925年(大正14年)に木製車として製造された車両は、1953年(昭和28年)に鋼製車に改造され、たびたび車両番号を変えながら、1969年(昭和44年)に廃線となった玉川線や支線の下高井戸線(現在の世田谷線)を走っていました。
その後は江ノ島電鉄で活躍し、1990年(平成2年)に現役を引退。世田谷線と同じ色に塗装され、江ノ電から里帰りする形でこの場所に展示されています。

日中は展示スペースとして一般公開され、地域に住む子どもたちや保護者、宮坂区民センターを利用する人にとって憩いの場となっています。2018年には外装が補修塗装されて、お披露目のイベントも開かれました。
かわいらしいフォルム、温もりを感じる木の床、グリーンのロングシート、運転台……。大切に保存されている車両は、まるで時間が止まっているかのように昔懐かしい空気が漂います。かつて玉電の愛称で親しまれた往年の面影が、今なお多くの人々に愛される姿に重なって見えます。
旧玉電車両
・住所:東京都世田谷区宮坂1-24-6(宮坂区民センター)
・公式サイト:https://www.city.setagaya.lg.jp/02072/8539.html
掲載店舗・施設・イベント・価格などの情報は記事公開時点のものです。定休日や営業時間などは予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。
