
パワフルな生地を味わう、クッキーシュー
「デザートは非日常、ケーキは日常になじむ普遍のものだと思うんです」。そう話す吉村正峰シェフ率いる「John」は、「味覚の旅」を謳うデザートコースレストラン。今春池尻へ移転して生まれた、美しい海底洞窟のような空間で味わうデザートは、おいしい驚きの連続だ。
5月からテイクアウトも始動。ゴツゴツのクッキーシューは「生地を存分に楽しんでほしい」と、薄力粉ではなく強力粉、しかも北海道産の味わい深いものを使い力強く。あえて厚めに、生地内に層状の空洞ができて薄い膜が入り乱れるように仕立て、独特の食感を生んでみせた。バニラ香るクリームは強めの生地と調和する、生地を味わうためのもの。先に溶けるのでなく生地と同時に無くなるよう、マスカルポーネを潜ませてまったりさせた。
頬張ればザクフワとろり。焼き菓子的香ばしさとシューならではの軽やかさが、クリームのまろみに彩られながら消えていく。普遍にして無二の幸せがここにある。
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左・シュー生地を覆うアーモンドクッキーが香ばしい「シュークリーム」¥500。右・ 「シュークリーム 抹茶」(¥570)は京都・宇治抹茶を入れられる限界量まで混ぜ込んだ、点てたお抹茶そのものがシュー化したような味わい。抹茶好きな方にぜひ。
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■John(ジョン)
・住所:世田谷区池尻3-18-4 MINOWA IKEJIRI2階
・電話:080-4299-6816
・営業時間:カフェ・テイクアウト(予約不要)日・月8:00~17:00(L.O.16:00)/デザートコース(予約制) 木・金・土15:00~、19:00~
・休:火・水
・池尻大橋駅より徒歩5分
chico ◉チコ
スイーツライター、コーディネイター。ガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。共著書に、『東京最高のパティスリー』(ぴあ)。
(撮影=福井 馨・スタイリング=田口恵美・文=chico)
※この記事は2025年8月号の内容を再編集しています
SALUSとは?
「ラテン語で“あいさつ”のこと。人々が出会い、行き交う場(駅)を象徴しています。東急線沿線は、まだまだ意外な街の表情や人々の魅力にあふれています。
「SALUS」は、単なる沿線紹介にとどまらず、「やってみよう」「行ってみよう」と思える魅力やアイデアを、読者の方へお届けします。さまざまな切り口から暮らしの楽しみ方を提案し、新たな世界との出会いや発見のきっかけになることを目指します。
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