ご褒美東急

東急線沿線のお持ち帰りグルメで、1日をちょっと特別に「ご褒美東急」【vol.4】

Urban Story Lab.

2025/10/7

仕事や家事育児で疲れ果てたある日、ふと立ち寄ったお店で見つけたスイーツやお惣菜に心救われた経験はありませんか?

東急線沿線には、みんなの日々の頑張りをねぎらってくれる“ご褒美グルメ”を提供してくれるスポットがたくさんあります。

そんな“ご褒美グルメ”を様々なジャンルの方にご紹介してもらう企画が、この「ご褒美東急」。

今回は、アイウェアブランドのディレクター、沿線在住歴10年以上の会社員、東急の社員と、東急線にゆかりのある3名が登場。“自分だけのご褒美グルメ”について寄稿してもらいました。

身体も心も温めてくれる上町の素朴な肉まん

紹介してくれるのはこの方

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田代 純一(たしろ じゅんいち)
1994年、東京都生まれ。幼少期からプロダクトとしての眼鏡に興味を持ち、学生時代は眼鏡店にてアルバイトを4年間ほど経験。2018年5月に有限会社荒岡眼鏡に入社。アイウェアプロデューサー・荒岡俊行のもとで研鑽を積む。2022年、水島眼鏡と荒岡眼鏡による共同ブランド「MIZ DIALOGUE」の立ち上げに伴い、ブランドディレクターに就任。
Instagram:https://www.instagram.com/blinc_junichi_tashiro/
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改めて「ご褒美グルメって何だろう?」と考えたとき、真っ先に思い浮かんだのが鹿港の肉包(ローパオ)でした。

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レジ横には高く積まれた蒸籠があり、そこから立ち上る湯気。背後では、店員さんが黙々と肉包を包んでいて、その光景だけでも期待感が高まります。

蒸籠から取り出された肉包は、湯気に乗って生地の香ばしさがふわっと漂い、手に持った瞬間から“特別なものを手にしている”という実感が。

ひと口かじると、まず感じるのはほんのりとした甘みと、しっとりした皮の食感。そして中には、旨味がぎゅっと詰まったジューシーな餡がたっぷり。サイズは小ぶりながら、1個でもしっかりと満足できる濃密な味わいです。見た目はあくまで素朴ですが、それがまた良いんです。

昔、世田谷区に住んでいた頃、冬になると世田谷の「ボロ市」に毎年足を運んでいました。開催時期はちょうど真冬。身も心も冷えるなか、通りの喧騒を感じながら鹿港の肉包をほおばる時間は、何よりのご褒美でした。あの湯気、あの味、そしてあの風景は、今でも鮮明に思い出せます。

もちろん、ボロ市の日だけではありません。日常的に世田谷線を使う中で、途中下車して買って帰ったり、その場で立ち食いしたりと、何かと頼りにしていました。気負わず手に取れるのに、食べるとちゃんと特別な気分になれる。そんな存在です。

今は世田谷を離れて暮らしていますが、離れてみたからこそ、あの味がどれほど自分にとって特別な存在だったかを実感しています。あの小さな1個の肉まんの満足感と多幸感は自分のなかの正真正銘、ご褒美グルメです。

鹿港(Lu-Gang)
・住所:東京都世田谷区世田谷3-1-12
・電話番号:03-5799-3031
・営業時間:9:00~ ※売切れ次第終了
・定休日:木曜日、第2・4水曜日 ※7・8月は毎週水・木曜日休み
https://www.lu-gang.net/

散歩道を特別にする、素材の味を活かした二子玉川の濃厚ジェラート

紹介してくれるのはこの方

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mari(まり)
1991年神奈川県出身。10代の頃に家族で世田谷区に引っ越して以降、約10年を二子玉川・用賀エリアで過ごす。結婚を機に横浜市へ引っ越してからは、横浜駅から渋谷駅まで、通勤のために東横線をヘビーユース。自分のためより誰かのために美味しいものを見つけるのが好き。
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東急線エリアに長く住んでいたのですが、夫と出会って用賀で一緒に暮らし始めた頃、美味しいお店を探すのが得意な彼が見つけてきてくれたのがGelato 9.です。

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隠れ家のような佇まいは、自分だけが知っている特別感を味わえます。初めて訪れた時、お店があまりにもスタイリッシュで控えめな佇まいだったので通り過ぎてしまい、数分ウロウロしてしまったのをよく覚えています。

見た目はシンプルなジェラートなのに、ポップコーンや山椒など、味の想像がつかないラインナップばかりで選ぶのも楽しい。実際に食べると、味がぎゅっと詰まっていて、素材をそのまま食べているほど濃厚なフレーバー。甘さは軽く、暑すぎる夏でもご飯の後の口直しとしてもさっぱりペロリと食べられます。

週末は夜遅くまでやっているので、二子玉川で映画を見た帰りやご飯を食べた後にふらっと寄れます。店内で食べることもありますし、テイクアウトして食べながら家まで散歩する時間もすごく好き。

このお店を皮切りに、2人で近所のいろんなお店に行くことが増え、知らなかった「地元」をより深く知ることができたと感じています。そんな思い出が詰まった一品です。

Gelato 9. 
・住所:東京都世田谷区玉川4-12-15 グランデュオ1F-B
・電話番号:070-2338-5314
・営業時間:月水木 12:00〜19:00/金土日 12:00〜23:00 (L.O. 22:30) /祝日 12:00〜21:00
・定休日:火曜日
https://gelato-9.stores.jp/

味も見た目も美しい、青葉台の“絵になる”スコーン

紹介してくれるのはこの方

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ai(あい)
2011年に青山学院大学を卒業後、IT・通信系企業に勤務。新規事業の企画・推進に携わり、社内のイノベーション文化を醸成するコミュニティの立ち上げ・運営も担当。2024年より東急株式会社にて、DXの組織開発を行う。
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青葉台駅から徒歩4分の静かな住宅街に佇む焼き菓子のお店、bakeshop effet。白を基調とした清廉でおしゃれな店内も素敵。アーティストのkyneさんの絵が飾られており、そのセレクトにもセンスを感じます。パッケージや接客の細やかさにも、お店全体の丁寧な空気がにじんでいて、店舗に行くのが楽しみになるお店です。

どのお菓子も美味しいのですが、特に私がご褒美としているのはスコーン。外はさくっと軽やか、中はしっとりホロホロ。“サクほろ”の絶妙な食感が魅力です。甘さ控えめで、紅茶やコーヒーとの相性も抜群。朝食にも午後のひと息にも寄り添ってくれます。

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アールグレイのスコーン(470円税込)・塩キャラメルのスコーン(460円税込)

アールグレイ香る定番のスコーンはもちろん、白胡麻×クリームチーズや塩キャラメル、いちごやオレンジなど、季節限定のフレーバーも多く、毎回違った魅力に出会えるのが楽しみです。

焼き色の深さやサイズ感まで繊細に整えられており、どの角度から見ても美しい。まさに“絵になるスコーン”です。

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「今日はよく頑張ったな」と感じた日の、自分への小さなご褒美にしています。一人の静かな時間を過ごしたい時に、リベイクして、温かい飲み物と一緒にゆっくり味わうのが最高の癒しです。

友人宅へ訪問時の手土産にも重宝しており、持っていくと喜ばれます。スコーンという素朴で親しみやすい焼き菓子でありながら、贈り物としての特別感がある、唯一無二のスイーツです。

bakeshop effet(ベイクショップ エフェ) 
・住所:神奈川県横浜市青葉区しらとり台1-4 プレミールS 1F
・電話番号:045-507-8387
・営業時間:11:00~19:00
・定休日:火曜日
https://www.instagram.com/bakeshop.effet/

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編集/菱山恵巳子(ヒャクマンボルト)
写真/Ban Yutaka

掲載店舗・施設・イベント・価格などの情報は記事公開時点のものです。定休日や営業時間などは予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。

Urban Story Lab.

まちのいいところって、正面からだと見えづらかったりする。だから、ちょっとだけナナメ視点がいい。ワクワクや発見に満ちた、東急線沿線の“まちのストーリー”を紡ぎます。