ホスピタリティ

ホテル・リゾート事業

ホテル事業

事業成長に向けた推進体制

当社のホテル事業は、下図のとおり、当社および東急ホテルズがホテル経営を、東急ホテルズ&リゾーツが運営を行っています。
当社と東急ホテルズは、ホテル・リゾート事業の資産マネジメントを担うとともに、ホテル事業を通じて街や地域に、より高い付加価値を創造していきます。東急ホテルズ&リゾーツは、質の高いホテル運営力を強みとして、各ホテルのさらなる魅力向上とともに、新たなホテル運営受託の獲得によるネットワーク拡充を図ることで成長を目指します。

展開ブランド

東急ホテルズ&リゾーツのチェーンブランド「東急ホテルズ」は、68ホテル・12,444室(パートナーホテル含む)を展開しています(2024年3月現在)。それぞれの個性を持つブランドラインアップにより、お客さまの多様な利用シーンにお応えするとともに、ホテル経営や投資を検討するクライアントの皆さまに、幅広く柔軟なブランド選択肢を提案しています。

歴史ある東急ブランドホテル(「東急ホテル」「エクセルホテル東急」「東急REIホテル」)や「東急バケーションズ」に加え、昨年新たに創設した個性的なホテルブランド群である「DISTINCTIVE SELECTION」は、唯一無二の価値を追求して一店舗ごとに個別ブランドを設定する「単独型ブランド」と、ブランド認知の拡大を企図し、複数店舗に展開する「展開型ブランド」で構成しています。
単独型ブランドは、2023年5月に東急歌舞伎町タワーに開業した「BELLUSTAR TOKYO」や「HOTEL GROOVE SHINJUKU」などをラインアップし、展開型ブランドは都市型ライフスタイルホテル「STREAM HOTEL」や、リゾート型のホテルコンドミニアム「STORYLINE」で構成しています。
「STREAM HOTEL」は、2024年1月、「SAPPORO STREAM HOTEL」の開業と同日に、渋谷ストリームエクセルホテル東急を「SHIBUYA STREAM HOTEL」にリブランドし、渋谷と札幌の2ホテルを開業しています。「STORYLINE」は、沖縄において「STORYLINE瀬長島」を2024年4月に開業しました。

新規開業予定のホテル

札幌/SAPPORO STREAM HOTEL

2024年1月16日開業 客室/436室

国内有数の繁華街・札幌すすきのの玄関口に位置し、市営地下鉄すすきの駅直結という利便性を有する、商業店舗、シネマコンプレックス、ホテルからなる大型複合施設「COCONO SUSUKINO」の7~18階に出店しました。「Deep Community」をコンセプトに、宿泊客も地元の方も思い思いに過ごせる交流空間を提供し、お客さまが集い・働き・遊べる、「旅の拠点」として、ご利用いただけます。

沖縄/STORYLINE瀬長島

2024年4月11日開業 客室/101室

ホテルの一室を別荘として所有し、利用しない期間はホテル客室として貸し出して賃料収入を得る「ホテルコンドミニアム」の新ブランド「STORYLINE」第1号物件が、沖縄県豊見城市の瀬長島に開業しました。最上階の開放感あふれるルーフトップには美ら海と青空に連なるインフィニティプールがあり、空を染めるサンセットや那覇市内の夜景を満喫できます。那覇空港から車で約10分の立地は、週末の仕事後でも気軽に訪問可能です。

TsugiTsugi(ツギツギ)

当社は、2023年5月よりホテル・リゾート事業における新たな事業形態・サービスとして、新たな旅のスタイルを提供する定額制宿泊サービス「TsugiTsugi」を運営しています。全国200以上の宿泊施設に期間内自由に泊まることができるサブスクリプションサービスとして、当社グループホテルに加え、多くの外部宿泊施設と提携することで宿泊プラットフォームを構築しています。
また「TsugiTsugi」は、曜日別の閑散期(日曜日~木曜日)の宿泊割合が高く、予約リードタイムが短いため、需要の曜日偏重によって生じるオフピークや直前期での送客に寄与しています。加えて、新規顧客とのタッチポイントとなることで当社ホテル・リゾート事業における新たな需要を獲得しています。
さらには、ソラシドエアやJR九州などの交通事業者と連携し、快適で満足度の高いオフピーク旅の需要を創出することで、オーバーツーリズムの抑制による持続可能な観光推進事業にも取り組んでいます。

ゴルフ事業

エメラルドコーストゴルフリンクス
エメラルドコースト
ゴルフリンクス

当社は子会社を通じ、国内に会員制ゴルフ場4カ所、パブリックゴルフ場2カ所の計6カ所のゴルフ場を展開しています。社交の舞台として名高いゴルフ場から、身近なスポーツ・レジャーとして楽しんでいただけるゴルフ場まで、それぞれの特性を生かしながら、お客さまのニーズにあった質の高いゴルフライフを提供しています。また、プロゴルフトーナメントの開催や、一般女性ゴルファー向けイベントである東急レディスゴルフの主催など、さまざまな形でゴルフに関わっています。

ゴルフ場一覧
スリーハンドレッドクラブ(神奈川県)
ファイブハンドレッドクラブ(静岡県)
東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)
東急グランドオークゴルフクラブ(兵庫県)
グランドオークプレイヤーズコース(兵庫県)
エメラルドコーストゴルフリンクス(沖縄県)

まいぱり 宮古島熱帯果樹園

トロピカルガイドツアー
トロピカルガイドツアー

当社および子会社の宮古観光開発は、沖縄県宮古島市で「まいぱり宮古島熱帯果樹園」を運営しています。「まいぱり」とは、宮古島の方言で「与那覇前浜の畑」を意味する言葉です。地元に根差した農業、観光振興を推進するため、地元産農作物の販売のほか、園内をカートに乗って散策する「トロピカルガイドツアー」などを実施しています。

国際事業(海外でのまちづくり)

東急グループが長年培ってきた沿線開発のノウハウを生かし、ベトナム、タイ、オーストラリアの3カ国でまちづくり事業を展開しています。

ベトナムでの事業

ベトナムは安定した政治体制や親日で穏健な国民性に加え、GDP成長率や生産年齢人口の増加など着実な経済成長が期待できることから、当社はビンズン省にて都市開発事業を、ホーチミン市ほかにて分譲住宅事業や不動産管理事業などを展開しています。不動産事業のバリューチェーンを構築し、ベトナムの都市の発展に貢献していきます。

ビンズン新都市におけるまちづくり
ビンズン新都市におけるまちづくり

ビンズン省でのまちづくり

ホーチミン市の北約30kmに位置するビンズン省は、日系含む外資企業による工業団地への進出が多く、今後の発展が見込まれるエリアです。当社はベトナム企業「ベカメックスIDC」との合弁会社であるベカメックス東急を2012年に設立し、同省ビンズン新都市 (約1,000ha)内において、住宅や商業などからなる「東急ガーデンシティ」の開発を進め、日越合弁企業として公共交通との一体的なまちづくりを展開しています。

住宅事業
高層マンション「SORA gardens Ⅱ」
高層マンション
「SORA gardens Ⅱ」
SORA gardensⅠとⅡをつなぐ住民の憩いの場「greenway」
SORA gardensⅠとⅡをつなぐ住民の憩いの場
「greenway」
MIDORI PARK内低層住宅「HARUKA Residence」「HARUKA Terrace
MIDORI PARK内低層住宅
「HARUKA Residence」「HARUKA Terrace」

ベカメックス東急はビンズン新都市において高品質で快適な住居を提供しています。最初に手掛けたマンションプロジェクト「SORA gardensⅠ」(全406戸)は、開発コンセプトである「ガーデン」を空中庭園や壁面緑化により実現したほか、施工品質やセキュリティ体制などジャパンクオリティーにこだわり、2015年に竣工しました。2018年には三菱地所レジデンスと合弁会社「BTMJR INVESTMENTLIMITED COMPANY」を設立し、2021年には「SORA gardensⅡ 」( 全557戸)が竣工。「SORA gardensⅠ」との一体感のある外観や連続する商業空間を創造するとともに、ビンズン省では初となる全戸へのスマートホーム設備・システムを導入しています。
一方、新都市内の別のエリアで進めているエリア開発プロジェクト「MIDORI PARK」は、高層コンドミニアムや低層のタウンハウス、ヴィラが統一感のある美しい街並みをつくるとともに、敷地面積に対して緑地の割合が56%を占めるなど、緑豊かな住環境が特徴です。自然を身近に感じられるよう、エリア内には小川や四季折々の植栽を配置しています。
2019年にはマンションプロジェクト「MIDORIPARK The VIEW」(全604戸)が竣工。さらに2020年にはNTT都市開発と合弁会社「H9BC INVESTMENTCOMPANY LIMITED」を設立し、分譲マンション「MIDORI PARK The GLORY」が2021年に着工し、2024年に竣工予定です。また2024年には新たなマンションプロジェクト「MIDORI PARK The TEN」に着工し、2025年に竣工予定です。今後も「MIDORIPARK」の面的開発を進めていきます。

商業

2015年からビンズン省庁舎に隣接する新都市の中心で、商業施設「Hikari」を運営しており、2022年に拡張エリアが開業しました。ビンズン新都市における持続可能なまちづくりを目指し、コンポストやアクアポニックス、太陽光発電などの環境に配慮した取り組みを導入しています。
また2023年7月には、ビンズン新都市で初のショッピングセンターとなる「SORA gardens SC」が開業しました。複数の日系テナントが入居し、物販・飲食・エンターテインメントが楽しめます。お子さま連れのお客さまに快適にご利用いただけるように、授乳室やキッズトイレを設けるなど、日本で培った商業施設運営ノウハウを生かしています。

「(仮称)SORA gardens SC(第1期)」外観イメージ
商業施設「SORA gardens SC」
バス事業
KAZE SHUTTLE
KAZE SHUTTLE

ベカメックス東急の100%子会社ベカメックス東急バスが、ビンズン新都市とトゥーヤモット市街を結ぶ路線「KAZE SHUTTLE」の運行を2014年に開始しました。2016年からはビンズン新都市内を循環する路線も加わり、現在7系統11路線および市中心部と近隣ショッピングセンターを結ぶ住民向けの路線を展開しています。定時運行や安全・快適な車両の導入、お客さまへの丁寧な接客案内など日本のノウハウを活用した交通システムの定着を図っています。
「東急多摩田園都市」のノウハウを生かした公共交通一体型のまちづくりを推進することでビンズン新都市の成長に貢献するとともに、市街地での交通渋滞が深刻化しつつあるバイク中心の社会から、公共交通機関を利用する社会への転換(モーダルシフト)に向け、先駆的に取り組んでいます。
2022年10月にはベトナム初となる公道での自動運転の実証実験を行い、今後はデータ利活用による都市・交通課題解決を目指していきます。

その他のまちづくり

ビンズン新都市では、地元の方々との文化交流や地域貢献を目的に、さまざまなイベントを開催しています。日越友好40周年を記念して2013年に実施したサッカー国際親善試合をきっかけに、サッカーを通じての親睦イベントを継続して行っています。2021年には、川崎フロンターレと連携して、ベトナム初のJリーグクラブによるサッカースクールを開校しました。子どもたちの教育の場を提供することで、サッカーを通じた地域貢献を目指します。

サッカースクール
サッカースクール
越華国際学校
越華国際学校

ほかにも、日本祭りや音楽イベントなどの文化イベントを定期的に開催し、建物の開発のみならず、ソフト面のまちづくりにも力を入れています。
また、ビンズン省には外資企業が多数進出しているため、当社と台湾系有志で「越華国際学校」を設立し、幼稚園・小学校を運営しているほか、日系医療クリニックを誘致するなど、ビンズン省に住む外国人やその家族が安心して長期滞在できるようサポートしています。

ホーチミン市ほかでの不動産事業

ビンズン新都市での事業経験を生かし、当社はベトナム最大の都市ホーチミン市エリアにおいても、現地不動産デベロッパーと共に事業を展開しています。2017年には、ホーチミン市北東部において、フンティン社との共同分譲住宅「Moonlight Residences」(全535戸、2019年竣工)に参画しました。また、2022年には、ヤンコイ社と共に分譲マンション事業を開始し、今後も引き続きホーチミン市ほかでの事業を展開していきます。

タイでの事業

タイは2017年に国家の成長戦略として「東部経済回廊(EEC)政策」を発表しており、さらなる経済成長が期待されています。当社は、EEC政策域内のシラチャにて賃貸住宅事業、鉄道網の拡充とともに都市化が進むバンコクにて分譲住宅事業などを行っています。2024年6月にはタイ事業の持続的発展を図るため、現地法人「東急ディベロップメント(タイランド)」を設立しました。同社を通じて、今後も当社のまちづくりノウハウを生かし、タイの発展に貢献していきます。

シラチャでの事業展開

バンコクより南東へ約100kmに位置するシラチャは、製造業を中心とした日系企業の進出も多く、今後も発展が見込まれるエリアです。当社は、2014年にタイ大手財閥系企業サハグループと合弁会社「サハ東急コーポレーション」を設立し、日本人向け賃貸住宅事業を推進しています。「ハーモニック レジデンスシラチャ」(全212戸)は、2016年に開業し、2021年に住戸と共用施設を拡張した駐在員家族向けの賃貸住宅です。2023年11月には、日本人学校敷地内へ直通する世界初の歩道橋を開通しました。また、2020年からは単身・夫婦向け賃貸住宅「グリーンライフ」(全75室)を運営しています。
今後も、顧客視点に立った開発・運営の推進により、居住者に安心で快適な暮らしを提供します。また、先端企業をはじめとする新しい産業との連携を図り、多様な産業集積エリアを構築し、シラチャをより一層魅力あふれるエリアへ発展させることを目指します。

賃貸住宅「ハーモニック レジデンス シラチャ」
賃貸住宅「ハーモニック レジデンス シラチャ」

バンコクでの事業展開

当社は、タイの不動産デベロッパーであるサンシリ社と共に、2017年より分譲住宅事業を展開し、「TakaHAUS」( 全269戸)、「XT EKKAMAI」( 全537戸)では、高い住宅品質や充実した共用部を備えた、快適な住環境が好評を博し、全戸完売しました。「BurasiriKrungthep Kreetha」(全274戸)は当社タイ事業初の分譲戸建て事業で、好調な販売が続いています。利便性と自然が調和した生活環境と、多彩な共用施設、ゆとりある間取りが特徴です。
サハグループが推進する再開発エリア「Kingsquare」では、高層コンドミニアム「KingsQuare Residence」(全222戸)の販売を開始し、東急ディベロップメント(タイランド)を通じて、サービスアパートメント「DusitSuites KIngsquareBangkok」( 全154室)へ参画します。加えて「サハ東急プロパティマネジメント」をサハグループと設立し、再開発エリア一帯の物件を中心とした不動産管理を担い、エリア価値向上に寄与します。

分譲住宅「Burasiri Krungthep Kreetha」
分譲住宅「Burasiri Krungthep Kreetha」

西豪州 ヤンチェップ・ツーロックス地区での事業

Y・hub

西オーストラリア州の州都パースから北へ約50kmのヤンチェップ・ツーロックス地区において、当社子会社であるヤンチェップ サン シティならびにセント アンドリュース プライベート エステートがそれぞれ現地企業との合弁により、シティセンター開発事業と住宅開発事業を推進しています。2024年7月に開業したヤンチェップ新駅を中心とするインフラ整備のほか、「Clean GreenSustainable City」の実現に向けたイノベーションやビジネス創出を目指した研究教育複合施設「Y・hub」や雇用促進に資する専門学校の運営、ローカルブランドの確立を目指したファームビジネスなども進めています。

  • 西豪州ヤンチェップ・ツーロックス地区で推進する宅地開発事業
    西豪州ヤンチェップ・ツーロックス地区で推進する宅地開発事業
  • 研究教育複合施設「Y・hub」
    研究教育複合施設「Y・hub」