
駅名に「戸越」と付く駅が東急線には2つ存在するのをご存じですか?大井町線の「戸越公園駅」と池上線の「戸越銀座駅」。このよく似た名前の2つの駅のあいだに何があるのか知りたくて、東急公式サイト編集部が歩いてみました。
戸越公園駅ってどんなまち?

大井町線の大井町駅から2駅のところに位置する戸越公園駅。名前の由来は近くにある品川区立 戸越公園なのですが、1927年の開業当時は「蛇窪(へびくぼ)駅」という名前でした。駅をまたいで広がるのは「戸越公園中央商店街」と「戸越公園南口商店会」のふたつの商店街。それぞれ、長らく地域の暮らしを支える商店街として親しまれてきました。最近は駅周辺での再開発が進み、少しずつその装いを変えつつあるまちでもあります。
戸越銀座駅ってどんなまち?

沿線住民ではなくても知名度が高いのが、池上線の戸越銀座駅です。「とごしぎんざ」の看板が印象的な「戸越銀座商店街」がまちのシンボル。この商店街は全長およそ1.3キロメートルもあり、関東で一番長い商店街としても知られています。その長さと活気から観光地としても有名で、地元のお客さんから観光客まで多くの人に利用されている商店街です。
「戸越」の由来は「江戸越え」

そういえば…と気になって調べてみたところ、江戸から相模国(現在の神奈川県)に向かうときに戸越を通ることから、「江戸を越えたところ」や「江戸越えの村」と呼ばれていたことが「戸越」の名前の由来なんだとか。たしかに、江戸をまっすぐ南下すると戸越を通って川崎に出ることができます。
戸越公園駅から出発!「とごし公園通り」へ

今回は、戸越公園駅側から出発します。目の前に伸びるのは「とごし公園通り」。とごし公園通りは、約60店舗が立ち並ぶ「戸越公園中央商店街」とイコールでもあります。お花のような街灯がとってもかわいい!


商店街の途中にお稲荷さんがありました。京都伏見稲荷の分霊が祀られていて、現在では下神明天祖神社の飛地境内社とのこと。

商店街は都道420号に突き当たります。右手(東側)には、大井町線の下を通る「豊トンネル」が見えました。


横断歩道を渡って商店街の方を振り返ると、看板には「いらっしゃいませ」の文字。戸越公園駅側ではなく都道420号側が入り口のようです。
都道420号を越えて「宮前商店街」へ入る

都道420号を渡って「宮前商店街」に入ります。戸越八幡神社のお膝元の商店街なので、「宮前」の名前を冠するのだとか。落ち着いた雰囲気が印象的なのは、すぐ横に小学校や公園があることも関係しているのかもしれません。

商店街のなかほどにあった「宮前花広場」という公園。その名のとおり、お花がたくさん植えられています。

とごし公園通りから宮前商店街にかけては、新しい道路の整備のためにセットバックされた区域が散見されます。

商店街の先へ進みます。ここを右に曲がると、2013年にオープンした「文庫の森(旧三井文庫)」があります。

宮前商店街は、平日の16時〜18時と日・祝日の13時〜18時は「お買物道路」としてホコ天になるようです。


看板が示していた方向へ進むと、ありました!1526年に創建された「戸越八幡神社」です。品川区指定天然記念物の「ケンポナシ」という木もあります。木々が生い茂っていて、荘厳な雰囲気を感じます。

戸越八幡神社をあとにして、宮前商店街に戻ります。そろそろ商店街の端というころになると、突然ググッと傾斜のある下り坂が出現。どんどん下ってみます。
そして現れる、「戸越銀座商店街」

宮前商店街の端の下り坂の先に現れるのが、「戸越銀座商店街」です。人もお店も多い!そして長い!一歩足を踏み入れただけなのに、すでに風格を感じます。ここからは、左手(西の方)に向かって進んでみましょう。
銀座のようににぎわっているから「銀座」と呼ばれるのかと思いきや、ぜんぜん違いました。なんと、戸越銀座こそが、全国にある「◯◯銀座」の第1号!というのも、関東大震災の折に銀座で不要になったレンガを譲り受けて、水はけが悪かった戸越銀座の道路整備に利用したご縁で「銀座」の名前も譲り受けて、「戸越銀座」の名前になったんだそうです。







国道1号(第二京浜)を渡ってしばらく歩くと、見えてきました。ここが池上線の戸越銀座駅。「とごしぎんざ」じゃなくて「戸越GINZA」というちょっとかっこいいバージョンの看板が目を引きます。
戸越銀座商店街の歴史に触れる

駅の出入り口に「戸越銀座まち歩きマップ」を発見!「TO GO SEE」が「とごし」と掛かっています。全長約1.3キロメートルもある「戸越銀座商店街」ですが、「戸越銀座商栄会商店街」「戸越銀座商店街」「戸越銀座銀六商店街」の3つの商店会で構成されています。お店は約400店舗あり、金土日には約2万人もの人が訪れるそうです。イベント時にはさらに増えて3万人ほど集まるときもあるのだとか…!



ずっと商店街の脇道を気にして歩いていたのですが、どの道も必ず上り坂です。戸越銀座商店街が窪地にあることがよくわかります。「戸越と銀座のゆかり」にも書かれている「水はけが悪かった」も納得の地形です。



しばらく歩くと、また戸越銀次郎が!まるで実物のようですが、パネルです。リアルすぎます。そんな戸越銀次郎の向かい側にあるのが、外壁のオレンジ色が鮮やかな電気屋「まみね」さん。

「まみね」の店主さんは戸越銀座商栄会商店街振興組合の理事長も務めていて、ご家族とともに、商店街の運営に日々尽力されているのだそう。電気屋としての営業は平日だけとのことですが、店頭には戸越銀座商店街のガイドマップなどが置いてあり、街歩きの心強い味方です。




さらに歩みを進めると、戸越銀座商店街の西の端に到着。東の方向を振り返っても端は見えません。やっぱり長い。あらためてその長さを実感しました。
2つの「戸越」のあいだには、3つの商店街があった
さて、今回は戸越公園駅から戸越銀座駅のあいだを歩いてみました。およそ20分というけっして長くはない道のりに、3つも商店街がある戸越エリア。それぞれの商店街が異なる表情だからなのか、ちょっとした散歩なのにまるっと1日おでかけしていたような満足感があります。みなさんもぜひ戸越エリアの散策を楽しんでみてくださいね。
戸越公園中央商店街
・所在地:東京都品川区戸越5-7-18(事務所)
・公式ホームページ:https://tgs89street.com/
宮前商店街
・所在地:東京都品川区戸越2丁目〜4丁目
・公式ホームページ:https://miyamae-shotengai.jp/
戸越銀座商店街
・所在地:東京都品川区戸越1-15-16(ほっとスポット戸越銀座/戸越銀座商店街 案内所)
・公式ホームページ:https://www.togoshiginza.jp/
※タイトルの「徒歩20分」は編集部が歩いた場合の概算です。ルートや道路状況、天候等によって所要時間が変動する可能性があります。
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取材・文:SABO(東急公式サイト編集部)
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東急公式サイト編集部
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