【2025年】九品仏でもみじ狩り「浄真寺」の紅葉見どころ紹介

東急公式サイト編集部

2025/10/21

世田谷区奥沢にある九品仏「浄真寺」は、東京23区内とは思えないほどの自然に囲まれた寺院です。東京都内の紅葉スポットといえば、「明治神宮外苑」や「昭和記念公園」などが有名ですが、浄真寺も紅葉の名所のひとつです。

九品仏駅を出てすぐに始まる参道や重厚な山門、龍護殿など、各所に色づいた紅葉が映える風景が広がり、周辺の地域住民には古くからおなじみのスポットです。また、東京都内ではイチョウ並木の紅葉が有名なスポットが多いものの、モミジの紅葉が見られる場所は意外と少ないもの。浄真寺は都内で数少ないモミジを堪能できる紅葉スポットとしてもおすすめです。

この記事では、そんな九品仏「浄真寺」の歴史をはじめ、紅葉スポットの見どころ、訪れるベストシーズンなどをご紹介します!

九品仏「浄真寺」とは?

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九品仏「浄真寺(じょうしんじ)」は、東京都世田谷区奥沢に位置する浄土宗の寺院で、正式名称は「九品山 唯在念佛院 浄真寺」です。大井町線・九品仏駅から徒歩すぐのアクセスの良さながら、東京ドーム約2.6個分の広大な敷地と豊かな自然に恵まれ、都心にほど近いとは思えない静けさを感じられる場所として親しまれています。

延宝6年(1678年)、珂碩上人(かせきしょうにん)によって「奥沢城」の跡地に創建されました。九品仏という地名は、浄真寺の「九品(くほん)仏」と呼ばれる9体の阿弥陀如来像を安置していることに由来します。

参道・総門・閻魔堂・山門(仁王門)・鐘楼・開山堂・観音堂・龍護殿(本堂)・三仏堂・書院・食堂等、いわゆる「七堂伽藍(正式な寺院に必要とされる建物)」を完備した今では数少ない寺院であり、これは1830年代に発行された「江戸名所図絵」に描かれた当時と変わっていません。

歴史と仏教的意味合いの深い浄真寺ですが、秋になると境内を彩る紅葉の美しさでも知られ、シーズンには多くの参拝客や写真愛好家が色づくモミジやイチョウを楽しんでいます。

九品仏「浄真寺」の紅葉スポット

浄真寺の紅葉は、駅から寺の奥まで続く各所に点在し、訪れる人の目を楽しませてくれます。新緑の時期の美しさもさることながら、朱や黄が織りなすコントラストは思わず息をのむ美しさ。ここでは、浄真寺の中でも紅葉の名所となっているスポットごとに、見どころをご紹介します。

参道

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大井町線「九品仏駅」を降りると、すぐに浄真寺の長い参道が始まります。朱色の灯篭や石塔、お地蔵様が並び、歴史の風情を感じられるでしょう。道の両側には紅葉した木々が並び、赤や黄色に染まった葉が頭上を覆うトンネルのよう。落ち葉が敷き詰められた地面を歩くだけでも、秋の訪れを感じられます。朝の柔らかな光と紅葉の彩りは特におすすめです。

総門

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参道を進むと姿を現すのが、歴史を感じさせる立派な総門。門の背後に広がる紅葉が木造建築と美しく調和し、まるで絵画のような光景を作り出します。朱や黄に染まった木々が門越しに見える構図は、写真映えも抜群。多くの人が立ち止まって撮影を楽しむスポットでもあります。

総門をくぐると左手には閻魔堂が構え、周囲には三途の川を模した枯山水の川がめぐらされています。橋を渡った先の閻魔堂には、お賽銭を納めると閻魔様のメッセージを聞ける仕掛けが。美しい紅葉を眺める合間に立ち寄って、お告げをいただいてみては?

山門(仁王門)

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総門からさらに奥に見えるのが山門(仁王門)です。周囲を秋の木々が彩る山門は世田谷区内唯一の楼門建築で、区指定有形文化財に指定されています。堂々たる構えの山門には、表には一対の金剛力士像、裏には風神・雷神像が安置され、浄真寺全域の守護の役目を担っています。青空と紅葉、そして門の重厚な佇まいとのコントラストが、訪れる人々の心を引きつける風景です。

龍護殿(本堂)

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山門から進んだ先には、釈迦牟尼如来像をはじめ、数々の仏像が納められた本堂。龍神の加護があるとされ、手前には浄真寺に由来のあるシロサギの像があり、たくさんのおみくじや絵馬が結ばれています。

本堂の周囲にも紅葉が多く、屋根や石畳に舞う落ち葉が風情を感じさせる景色。本堂の落ち着いた建築と赤や黄に色づいた木々の対比は、訪れる人に秋の深まりを実感させてくれるでしょう。本堂の近くにある約18メートルもの大イチョウは東京都指定天然記念物(樹木)であり、その枝ぶりは見事としかいいようがありません。

上品堂・中品堂・下品堂

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浄真寺の象徴ともいえる三堂(上品堂・中品堂・下品堂)は、敷地の奥にあるため、紅葉の見頃時期でも比較的静かなスポットです。それぞれの堂に納められた阿弥陀如来像は、9体すべての印相が異なり、仏教史学上貴重な作例とされています。

荘厳な雰囲気と、自然に囲まれた静寂の中での紅葉が、心を落ち着かせてくれ、特に陽が差し込む午前中は、建物と紅葉が柔らかい光の中で映え、美しい景観が広がります。

なお、三堂のうち上品堂は耐震工事中のため、2025年12月末まで参拝できません。

浄真寺の紅葉はいつがおすすめ?

九品仏「浄真寺」の紅葉は、例年11月中旬から色づき始め、11月下旬~12月上旬にかけて見頃を迎えます。12月下旬になると散り紅葉が見られ、落ち葉のじゅうたんが敷き詰められたような風景が広がるでしょう。2025年は気温の推移から例年より若干遅めの紅葉となる予測が出ているため、12月初旬〜中旬がおすすめの時期といえそうです。

紅葉の色づき具合は気温や天候によって変動しますが、晴れた日が続いたあとは、特に色合いが鮮やか。午前中は柔らかな光で紅葉が映え、午後には西日が差し込むことで紅葉が黄金色に輝く様子が見られます。時間帯によって異なる表情を楽しめるのも、浄真寺の紅葉の魅力です。

また、平日の午前中は比較的混雑が少なく、ゆっくりと写真を撮ったり散策したりできるでしょう。週末や祝日はやや人出が多くなりますが、それでも都心の人気紅葉スポットに比べると落ち着いた雰囲気が保たれています。静けさの中で紅葉を堪能したい方は、ぜひ平日の訪問を検討してみてください。

浄真寺の歴史ある空間と紅葉を楽しもう

九品仏「浄真寺」は四季の移ろいを感じられる、静かな紅葉スポットです。紅葉は駅からすぐの参道から始まり、歴史ある建築と紅葉の調和は訪れる人々の目を楽しませてくれます。

紅葉の見頃は2025年も11月下旬から12月中旬にかけてと予想され、特に12月初旬は色づきのピークとなるでしょう。写真映えする場所も多く、散策にもぴったりの環境です。混雑を避けてゆっくりと紅葉を楽しみたい方は、平日の午前中の訪問がおすすめ。

歴史ある寺院で、美しい紅葉に包まれながら、心静かに秋のひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

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