
「二子玉川公園(ふたこたまがわこうえん)」は、世田谷区のおしゃれなまち「ニコタマ」こと、二子玉川にある比較的新しい公園です。誰にとっても利用しやすいユニバーサルデザインを取り入れて作られた二子玉川公園は、自然豊かな環境ながらもベビーカーでのお散歩がしやすい快適な公園となっています。
今回は、子連れでも満喫できる、二子玉川公園の楽しみ方をご紹介します。
二子玉川公園はどこにある?
2013年4月に一部開園、2014年4月に全面開園した二子玉川公園は、自動車学校があった場所を再整備してつくられた公園です。かつて、明治・大正期には政財界人の別荘が、昭和期には「二子玉川園」という東急グループの遊園地などがあり、東京のリゾート地として発展していたのだそう。
二子玉川公園の最寄り駅は、田園都市線二子玉川駅。2011年にオープンした「二子玉川ライズ」を越えた先、歩いて9分ほどの位置にあります。大井町線上野毛駅からは坂道を下って徒歩8分ほどですが、買い物のついでに寄ったり、ベビーカーなどでアクセスしたりしやすいのは二子玉川駅のほうです。駐車場は、車いす用を含めて23台分、用意されています。
<二子玉川公園の情報>
・住所 東京都世田谷区玉川1-16-1
・TEL 03-3700-2735(二子玉川公園ビジターセンター)
・定休日・営業時間 無休・24時間営業(帰真園を除く)
・URL https://www.ces-net.jp/futako-tamagawa-park/
二子玉川公園の特徴は、立川市から大田区まで続く「国分寺崖線(こくぶんじがいせん)」という崖と多摩川という河川に囲まれていること。実際に足を運んでみればわかりますが、公園内は思った以上に起伏があり、日によっては富士山も見えるなど眺望を楽しむこともできるのです。
また、二子玉川公園は地域住民が「公園サポーター」として、運営管理を担っているのもポイント。この区民参加型運営のおかげで、園内はいつもきれいに保たれており、小さな子ども連れでも安全に楽しめますよ。
二子玉川公園の施設
二子玉川公園には、どのような施設があるのでしょうか?ここでは、二子玉川公園の各施設についてご紹介します。
二子玉川公園ビジターセンター
二子玉川駅から遊歩道を歩いてきた公園の入口にあるのが「二子玉川公園ビジターセンター(以下、ビジターセンター)」です。
公園の維持管理を担うこの施設には、生きものに詳しいスタッフや歴史を専門とするスタッフなど、さまざまな解説員が常駐しています。初めて公園を訪れて、どこに何があるのかわからないときには、気軽に聞いてみてくださいね。
「ビジターセンター」の3階の休憩室や1階の「ふれあい休憩室」では、「二子玉川ライズ」などであらかじめ買っておいたご飯を食べることも可能です。1階には授乳室やおむつ交換台が備わる親子トイレもあるので、小さな子連れには安心できる場所のはず。
なお、この「ビジターセンター」以外にも、園内には「いこいの広場」と「健康広場」にきれいなトイレが2つ設置されています。子どもが急にトイレに行きたくなっても、安心ですね。
エントランス広場
二子玉川公園の「エントランス広場」は、文字通り入口付近にある芝生の広場です。この広場の周りには、日米友好100周年を記念してアメリカ合衆国のオバマ大統領(当時)から贈られた「ハナミズキ」が植えられています。
ステージが目印の「エントランス広場」で、芝生に寝転んだりボール遊びしたりして、子どもとゆったりした時間を満喫してくださいね。
ナチュモコガーデン
多摩川を望む高台にある「ナチュモコガーデン」は、公園サポーターの方々が手入れしている住民管理花壇。気になるのは聞き慣れないけれどなんだかかわいい「ナチュモコ」という言葉。これ、「ナチュラル(自然な)+モダン(現代的な)+コージー(居心地の良い)」を合わせた造語なのだとか!
「ナチュモコガーデン」では、初夏と秋の年2回、お花の植え替えを行っているそう。もちろん子連れでも、花壇に花を植える作業を手伝うことができます。お子さんと土に触れて、きれいな花で公園を彩ってみてはいかが?ただし、木陰は少なめなので、暑い時期は十分な熱中症対策を!
遊具の遊び場
子どもたちが大好きな「遊具の遊び場」は、「ビジターセンター」のすぐ前。ゴムチップ舗装されているため、幼児が転んでも安心です。この「遊具の遊び場」には複合遊具を中心に、砂場やクライミングウォールのほか、ゴムチップ舗装のお山などがあります。
夏場なら、子どもが大はしゃぎすること間違いなしの水遊び場も。子どもたちが走り回ったり登ったりして、くたくたになるまで遊ばせたいですね!
子ども広場
「遊具の遊び場」がどちらかというと未就学児向けなのに対して、二子玉川公園の中心に位置する「子ども広場」は、ボール遊びに適した場所です。公園内で唯一、砂利が敷かれたスペースで、サッカーの練習やキャッチボールにはもってこいの場所といえるでしょう。
取材日は夏休み期間の早朝でしたが、サッカーボールでパス練習する親子の姿が見られたり、かけっこ教室のレッスンが行われていたりしていました。なお、硬球の使用は禁止されていますので、くれぐれもご注意くださいね。
<関連記事>二子玉川駅周辺の子どもの遊び場!子連れにおすすめのスポットを紹介
いこいの広場
「いこいの広場」は二子玉川公園内でも比較的高い場所にあるスペースで、ベンチや芝生などがあります。清潔なトイレや自動販売機もあるので、ここでひと休みするのもいいかも!
でも、公園内の坂道を上り下りして、エアコンの効いた場所でちょっと一息入れたくなるかもしれません。そんなときには、「いこいの広場」内にあるカフェ「スターバックスコーヒー 二子玉川公園店」でひと休み。早朝7時から開店していて店内に20席、テラスには16席あります。
ちなみに朝のお店周辺は、近所のワンちゃんたちの憩いの場所となっているようですよ。
眺望広場
高台にある「眺望広場」は、いこいの広場よりさらに多摩川寄りの場所にあります。多摩川の河川敷や対岸の風景を見渡せる気持ちの良い場所です。
対岸の野球場やサッカー場でプレイ中の子どもたちを眺めながら、ぼんやりとするのも一興では。ちなみにこちらは、コーヒー片手に美しい夕焼けが見られると評判の場所でもあるんですよ!
みどりの広場
「遊具の遊び場」では飽き足らない元気なキッズたちには「みどりの広場」がおすすめ!国分寺崖線の起伏を活かした大きなすべり台や、木製のアスレチック型遊具があれば、きっと時間を忘れて遊べるでしょう。
「みどりの広場」には、はしゃぐ子どもたちを見守れるベンチや芝生もあります。注意したいのは、日除けになる大きな木や東屋などがないこと。訪れる際は、十分な紫外線対策をしておきたいところです。
帰真園
「帰真園(きしんえん)」は、日本庭園研究の専門家である東京農業大学名誉教授・進士五十八氏が監修した世田谷区立初の周遊式日本庭園です。この現代式の日本庭園には、この場所で自然に還り、「世田谷の自然や文化を子どもたちに学んでほしい」という思いが込められています。

ユニバーサルデザインが採用されているため、幅が広く段差も少ない園路は、ベビーカーや車いすでもらくらく通れるように設計されているのがうれしいところ。のんびりと池の周りを歩いて、漂うクチナシやキンモクセイの香りに、季節の変化を感じてみてください。腰を下ろせる石も、あちこちにありますよ。
なお、「帰真園」の外には、富士山を眺めるための高台「富士見台」もあります。ここからの眺めは絶景!こちらは階段のみで、ベビーカーでは登れないのでお気をつけて。
旧清水家住宅書院
「帰真園」内で池のほとりにたたずむ日本家屋。これは「旧清水家住宅書院(きゅうしみずけじゅうたくしょいん)」で、世田谷区の登録有形文化財となっている建物です。
「清水家って…誰のおうち?」と思われる方もいるでしょう。これは、現在の清水建設の源である清水組の清水元副社長邸の一部だったそう。解体・保管されていた部材をもとに清水建設が復元し、なんと二子玉川公園に寄贈したのだとか!
「旧清水家住宅書院」は毎週日曜日と祝日、第二月曜日に無料で入館できます。せっかくの貴重な日本の伝統建築なので、子どもといっしょにゆっくり味わってみることをおすすめします。
二子玉川公園を子どもといっしょに楽しもう
多摩川沿いにある二子玉川公園は、ユニバーサルデザインにもとづいて作られた新しい公園で、小さな子ども連れやベビーカーでも安心して遊ばせられる環境が整備されています。「二子玉川ライズ」で習い事や買い物のついでに、一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
「帰真園」や「旧清水家住宅書院」などで二子玉川の豊かな自然や長い歴史に思いを馳せることで、二子玉川というまちがいっそう魅力的に感じられるはず!
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撮影・文:スズキモトキ(東急公式サイト編集部)
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