大分出身の幼なじみ2人が切り盛り。白楽・HOURSは、九州料理と「気軽な交流」が売りの立ち飲み店
- 取材・文:榎並紀行(やじろべえ)
- 写真:丹野雄二
- 編集:藤﨑竜介(CINRA)
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終戦直後から栄え、横浜三大商店街の1つに数えられる東急東横線白楽駅近くの「六角橋商店街」。多くの飲食店が立ち並び、昭和の面影を残す景観もあいまって、外部から訪れる人も少なくない。
そんな風情ある商店街の大通りから路地に入ったところにあるHOURSは、2023年オープンした立ち飲み店。大分出身の藤田真也さんと横山雄太さんが営み、九州の料理などを手頃な価格で味わえる店として、地元住民らに親しまれている。
同じ九州出身の三浦雄一郎さんは、HOURSの料理、そして藤田さん、横山さんがつくる心地よい空間に魅せられた常連客の1人。「この店で飲んでいると、誰とでもすぐに仲良くなれる」という。HOURSで生まれる「特別な時間」について、3人に語り合ってもらった。
「九州」というワードを聞くと、思わず「話しかけちゃう」
――HOURSの藤田さんと横山さんは大分県、常連の三浦さんは長崎県の出身だそうですね。三浦さんはどんなきっかけで、ここに通い始めたのですか。
横浜・野毛にある飲食店のオーナーが、「九州出身の後輩が白楽で店を始めたんだよ」とすすめてくれたんです。 僕は「九州大好き人間」なのでさっそく来てみたら、雰囲気がめちゃくちゃいいんですよね。活気があって、お客さん同士の心理的な距離も近い。僕が住んでいる綱島にも、白楽にもあまりないタイプの店だなと気に入って、それからちょくちょく通うようになりました。
三浦

――藤田さん、横山さんたちと九州の話ができるのも魅力ですか。
そう、それが楽しいんですよね。僕の感覚では、お客さんの3割くらいは九州人かな。九州から大阪とか関西に出る人は多いけど、関 東に住む人は意外と少ないから、ここで同郷人と会えるのはうれしい。気兼ねなく長崎弁を使えますしね。
三浦


いやいや、3割九州人はさすがに言い過ぎでしょ(笑)。ほかの地方や白楽の出身者もたくさん来ますよ。とはいえ、雄一郎さん(三浦さん)がいるときは、九州の話になることが多いですね。なぜだろう?
藤田


僕が九州ってワードに敏感だからね。ほかのお客さんが九州の話をしていると、思わず反応して話しかけちゃう(笑)。
三浦

店と客でつくるコミュニティ。常連による作品展示や、おにぎりの販売も
――知り合いではない人と気軽に交流できるのは、立ち飲みならではですね。
そうなんです。それに、この2人がつくる店の雰囲気が最高だから、初対面でも話が弾む。ここで出会った人同士で旅行するくらい、仲良くなったりするしね。
三浦

ありましたね。男性の常連さんと僕らスタッフで行った、一泊二日の男旅。あと、女性の常連さん同士で女子会をやったり。それに、年末には中華街とかで忘年会をすることもある。いろいろなつながりが生まれる店になっていると思います。
横山


たしかにそうだね。2階のスペースでは、よくイラストレーターやフォトグラファーのお客さんに作品を展示してもらっていて、そこから新しい縁ができることもあります。
藤田



――お客さんの力で店やコミュニティが発展していく感じが、いいですね。
ありがたいかぎりです。あと雄一郎さんが、HOURSの店頭で九州の米を使ったおにぎりを販売してくれることもあるんですよ。
横山

僕の実家が、長崎で90年くらい続く米店なんです。そういう話を2人にしたら、おにぎりの販売をやろうということになって。白楽の商店街で定期的に開かれる「ヤミ市」というイベントに合わせて、実施しています。
三浦


米だけじゃなく、塩は長崎の五島列島産、海苔(のり)は佐賀の有明海産と、九州にこだわっています。九州の味や魅力を発信したいという思いがあるので、とてもいい機会をもらえていると感じます。
三浦



