ラムチョップとクラフトビールで乾杯。たまプラーザのおいしい社交場「ラムギ屋」
- 取材・文・編集:入江百音
- 写真:北原千恵美
- 編集:宇野宙(CINRA)
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ルーツは長野の羊肉文化。「ラム×麦」で、ラムギ屋が生まれた
――まずは、ラム肉とクラフトビールの2つを主役にしたお店を始めようと思った理由を教えてください。
僕は長野県出身なんですけど、長野県の一部には北海道と同じくらい、羊肉を食べる文化があるんですよ。僕の住んでいた地域では、焼肉っていうと、タレつきのマトンを指すくらいメジャーな存在なんです。
上野


そんな羊肉を使った料理のなかでも代表的なラムチョップを、ビールと一緒にカジュアルに楽しんでほしいと思って、このお店を始 めました。香りのいいクラフトビールとラム肉は、ベストマッチなんですよ。
上野

――「ラムギ屋」という店名も、名前を聞くだけでお店の魅力が伝わってきますね。
店名はシンプルで覚えやすいものにしたくて、2文字か4文字にしようと決めていたんです。ビールは「麦の酒」なので、ラムと麦を合わせて「ラムギ」。それに「屋」をつけて4文字にしました。
上野


――常連の皆さんは、どんなきっかけでこのお店に通うようになったんですか?
私たちは2020年に入籍したんです。それで結婚をきっかけに、「近所のお店をいろいろ開拓してみよう」となって、ずっと気になっていたこのお店に2人で初めて来てみたんですよ。
佳隆


そしたら、すごくおいしかったんだよね。うちにはやんちゃ盛りの男の子が3人いるんですけど、子連れでもいつもあたたかく迎えてくれるので助かっています。お互いの誕生日にも来て、お祝いのプレートを出していただきました。
千夏


うちにも同じくらいの歳の子どもがいるからね。
上野

あまりに頻繁に通っているので、妻のママ友からは「志田家の別邸だね」と言われています(笑)。
佳隆

――間口さんはいかがですか?
僕は2019年くらいにたまプラーザに引っ越してきたんです。近くでおいしいビールが飲めるお店を探していたら、最初にヒットしたのがここでした。ビールや料理はもちろん、お店の雰囲気もいい。夜ちょっと飲みたいけど、わざわざ誰かを誘うほどではない、みたいなときにもふらっと行きやすいんですよ。
間口


臭みがないのに、ラム独特の旨味はしっかり味わえる。肉好きを魅了するラム料理の数々
ラムギ屋の看板メニューは、もちろんラム肉。お客さんが口をそろえて絶賛するおいしさの秘密を、オーナーに聞いてみた。


――ラムギ屋のラムにはどんな特徴があるんですか?
一番のウリは、なんといってもラムの新鮮さ。ラム肉が看板メニューの当店だからこそ、回転が早く、仕入れたての新鮮なおいしさでお出しできるんです。素材の良さを活かすために、あえて「極力手をかけない」こともポイントですね。
上野

たしかにここのラムは、臭みがないけれど、ラムならではの旨味もしっかり味わえるのが特徴だと思います。ラム肉が苦手な人でも、これならチャレンジできるんじゃないかと思うくらい。
佳隆

僕はもともと ラム肉が大好きというわけではなかったんですけど、ラムギ屋に来て、初めて「ラム肉ってこんなにおいしいんだ!」と感動しました。
間口


このあたりは犬を飼っているお客さまも多いので、味つけを控えめにしたワンちゃん用のラムチョップも用意しています。テラス席で一緒に楽しんでもらえるんですよ。
上野


――ラム肉を使ったメニューだと、ほかではあまり見かけない「ラム肉のカルパッチョ」も気になります。
カルパッチョ、とってもおいしいんですよ! 初めて食べたときすごく感動して、それ以降は毎回必ず頼んでいます。
千夏

うちの人気商品ですね。黒トリュフとバルサミコのソースがかかっています。
上野


ちなみにカルパッチョと銘打ってはいますが、安全のため火を通しつつ、生肉のような食感を残しています。
上野

ほかにも、うちの子どもたちにはフライドポテトが人気ですし、マルゲリータやボロネーゼもおすすめですよ。
佳隆




カウンターから生まれるご縁。1人でも、ふらりと立ち寄れる店
オープンから10年。ラムギ屋のカウンターでは、初対面のお客さん同士が言葉を交わす光景もめずらしくないという。その和やかな空気をつくっているのが、おいしいビールと、オーナー上野さんの絶妙な采配だ。
――ラムギ屋の「ムギ」にあたるビールには、どんなこだわりがあるのでしょうか。
うちのクラフトビールは、アメリカ西海岸で発展した「ウエストコーストIPA」を中心に揃えています。クリアでシャープな味わいが特徴で、ラム肉にもよく合います。巷では「ビール好きの終着点はIPA」とも言われているんですよ。
上野



――店内では、お客さん同士の交流も生まれているそうですね。
うちは飲食店だけどバーみたいな社交場でもあるんです。カウンター席があるので、お1人で来たお客さま同士を、僕の感覚と判断でつなげることもあります。「ジョイント」って呼んでいるんですけど(笑)。つないだお客さま同士が、「今度一緒に来ましょう」って言ってくださることもあるんです。
上野

僕も上野さんに紹介していただいて、何人かの常連さんとは顔見知りになりました。ここに来たら誰かしらと話して盛り上がるので、1杯で帰ることはほぼないですね(笑)。
間口

外観だけ見ると1人で入りづらいかもしれないですけど、帰り道にふらっと寄っていく、そんな気軽な使い方もしてもらえたらうれしいですね。
上野


駅前の喧騒から少し離れて。住宅街に流れる、穏やかな時間
駅から徒歩約10分の地にあるラムギ屋。たまプラーザで暮らす人たちの目に、この場所はどう映っているのだろう。最後に、まちへの想いを皆さんに聞いてみた。

僕がたまプラーザに来たのは2013年です。ラムギ屋をオープンする前の3年間、駅前にあるクラフトビールのお店で店長を務めていたんですよ。最初はたまプラーザという駅名すら知らず、多摩のほうだと勘違いしていました(笑)。実際に住んでみると、とても洗練されているまちだと思いましたね。
上野

このあたりは本当に住みやすいです。夜も静かで、治安がいい。年配の方も子どもに話しかけてくださったりと、優しい目で見守ってくれて。心にゆとりのある方が多い気がします。駅前はにぎやかですけど、少し歩くと緑も多く落ち着いていて、ちょうどいいまちですね。
千夏


このお店は駅から少し距離があるので、来る途中の道も一緒に楽しんでもらえたらうれしいですね。駅前とはまた違う、住宅街ならではの穏やかな時間を、これからもここで届けていきたいです。
上野


ラム肉の焼ける香ばしい匂い、グラスに注がれるクラフトビール、隣に座った誰かとの会話。ラムギ屋は、レストランとバーの中間のような、おいしくて楽しいまちの社交場だ。
家族でラムチョップを頬張るのも、ふらりと1人で飲み に来るのもいい。初めてでも、帰るころには顔なじみが増えているかもしれない。たまプラーザのまちを歩いて、ぜひラムギ屋のドアを開けてみてほしい。

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