
東急のまちづくりへの想いをのせた
プロモーションがスタート!
渋谷の安心感を、にぎわいを、魅力を“アゲる”
鉄道や防災施設などの都市基盤整備から、不動産・商業・文化施設の開発運営まで一体的なまちづくりを進めてきた東急が、その想いを伝えるべく2025年夏、広告展開をスタート。約100年、渋谷の街とともに歩んできた企業がいまなぜまちづくりへの想いを伝えるのか。
渋谷アセットブランディングの担当2名に、プロモーションに込めた想いを聞きました。
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建物のハード面だけでなく、
ソフト面からも
まちの価値を創造する

――今回、大規模な渋谷のプロモーションがスタートした経緯を教えてください。
新里 当社が渋谷駅周辺にて今後もオフィスビルを供給していくなかで、世界の都市間競争において渋谷が“選ばれる街”であり続けること、そして渋谷で働きたい人を増やしていくことが重要と考え、不動産運用事業部では、3年前からオフィスブランディングとその発信に力を入れてきました。同時に東急東横線渋谷駅開業からまもなく100年を迎えるなかで、さらに街を盛り上げていきたいという想いもあり、昨年オフィスブランディング業務がオフィスリーシング担当から渋谷アセットマネジメント担当に移管されたタイミングで、渋谷アセット全体のプロモーションに着手しました。
亀田 2012年渋谷ヒカリエ開業以来続いていた大型開発が、19年渋谷スクランブルスクエア東棟開業でひと段落していました。当プロモーションが走り出した背景には、29年竣工予定のShibuya Upper West Projectまでに、機運をより高めていきたい考えがあったこと、オフィスブランディングが成果を上げるなかで、発信やコミュニケーションの重要性が社内に浸透してきた経緯もあります。また、もうひとつの大きな背景として「建物というハード面の開発だけでなく、東急ならではの文化づくり・まちづくりなどの価値創造=ソフト面のまちづくりも大事にする」という当社の方針もあります。渋谷アセットブランディング担当は、ホールや広場の運営を行う文化用途担当、インバウンド施策等を行う誘客送客担当と同じ価値創造グループ内にあり、ソフト面から渋谷を盛り上げる部署と言えます。
ビルづくりだけでない、
お客様の生活を豊かにする
まちづくりを

――改めて東急の施設、まちづくりの特徴とはどんなことでしょうか。
亀田 当社の大きな特徴は、鉄道事業、不動産事業、リテール事業などの生活サービス全般を展開し、沿線のお客様の信頼で支えられている企業であることです。私が駅員研修をしていた頃、お客様の毎日の生活を支えている責任を日々感じていて、その後十数年渋谷の仕事を続けるなかでも「渋谷のまちの安全性と快適性を高め、さらに楽しみも増やし、まちの価値を多方面から高めていこう」という想いを持ち、行政や地元の人々と真摯に向き合う社風であると感じています。
例えば渋谷のまちでの多様な取り組みにおいても、渋谷には面白いことを企画する人がたくさんいるので、その方々と共にまちづくり、施設運営をすることで渋谷をさらに多様性のある、魅力的な街にしたいと考えています。会社目線よりも“まち目線”で語る人が多いのも、当社の特徴だと思います。
新里 当社の魅力は単にビルをつくるだけでなく、建物をもとに価値や文化を創造し、街に還元する取り組みを行っていること。例えば現在私が担当する渋谷ストリームでは、近隣の保育園と連携し、子供たちが手染めしたバンダナをタペストリーにして飾るなど、地域のみなさんに愛着を持ってもらえるまちづくりや文化づくりを行っています。そのほか街の課題を解決するために、官民が連携して雨水貯留施設や渋谷川を整備するなどダイナミックな解決策を行う点も、東急らしさだと感じます。
まちづくりの歴史と想いを
盛り込んだ、PR制作の裏側

――7月14日より広告や動画の公開がスタートしました。改めて今回のプロジェクトで伝えたいこと、想いについてお聞かせください。
新里 今回のプロモーションにおいて重要視していたことは「東急らしさ」をいかに表現するかということです。100年の渋谷のまちづくりに対する想いと歴史を振り返り、多くの方々に当社の歩みを身近に感じて、共感いただけるものをつくること。特にこだわったのは、「渋谷をアゲる」のキャッチコピーです。今回は「アゲる」をキーに、3つの要素で東急らしさを表現しています。「安心感をアゲる」では渋谷川の整備や雨水の貯留施設など街の安全を守る取り組み、「にぎわいをアゲる」では多様な人が集まり輝ける場所づくりの取り組み、「魅力をアゲる」ではビジネスやカルチャーの拠点をつくり、仕事・遊び・生活をつなげるまちづくりについて触れています。
亀田 制作においては、当社の保有アセットはもちろん、これまで行政、地元、共同事業者の方たちと一緒に行ってきた取り組み、そして外からはあまり見えていない取り組みをしっかりと表現していくことを意識しました。動画制作では、オリエンから絵コンテ、コピーの細かい修正まで全て私たちも参加しました。デザイン会社や制作会社の方は大変だったと思いますが(笑)、社内からも「この広告メッセージをちゃんと世の中に伝えていこう」と言葉をもらい、改めて私たちの指針となる広告になりました。
――仲里依紗さんによるクリエイティブも印象的です。実際の制作過程、撮影はいかがでしたか。
亀田 仲さんにお願いすることに決めた理由は、“渋谷の街”という視点で考えたときに最適なキャスティングだと考えたからです。仲さんは俳優として大活躍する一方で、仕事も私生活も自分らしさを体現されている魅力的な方。まさに多様性と創造性の街・渋谷にぴったりだと感じて、熱い想いを持ってオファーしました。
新里 動画制作では、仲さんに渋谷駅の駅長制服を着用していただき、渋谷ヒカリエ改札をはじめ、セルリアンタワー東急ホテル、SHIBUYA109渋谷店などグループ会社に多大なるご協力いただき撮影を行いました。特に渋谷駅での撮影では終電から始発までの限られた時間での深夜撮影は大変でしたが、この撮影に関わっていただいたみなさまの素晴らしい協力とチームワークもあり、東急しか表現できない動画にすることができて感謝しています。
また、今回のグラフィックでは当社施設や鉄道、渋谷の街の象徴的なものをシールにし、仲さんの顔に貼るというユニークな演出を行いました。あまり前例のない演出なので、ご対応いただいた仲さんに感謝しています。
「働く・遊ぶ・暮らす」が
交わる、新しい発見に
満ちた渋谷へ

――まちづくりのプロモーションを通して、ご自身としてどんな価値や意義を感じていますか?
新里 嬉しかったことのひとつは、我々のプロモーションに対して社内外からお褒めの言葉を頂いたり、社内からもこの取り組みに共感をしてもらえたときです。なかでも、社内でこのプロモーションの内容に共感し、いくつか一緒にプロジェクトを検討しているものもあり、しっかりインナーにも響くものができたと手ごたえを感じることができました。このプロモーションを通じて広がる展開が私自身も楽しみです。
亀田 インナーモチベーションという観点からも、プロモーションはとても大事だと感じています。社員から「すごくいいね」と言ってもらえたり、社員がそのご家族や周囲から喜ばれ、自分の仕事を知ってもらうきっかけになったり——。会社の取り組みをきちんと表現することで、社員の仕事のモチベーションになり、東急で働きたい人が増えていくことにつながれば嬉しいですね。
――10月には「Playwork」篇の公開も控えています。今後のプロモーションの展望、渋谷の街についての展望があれば教えてください。
新里 今後も当社の取り組みなどを伝え、東急に共感してくださる方を増やしていければ嬉しいです。さまざまなエリアで進む再開発で、馴染みのある建物・施設が変わり、ともすれば少し寂しさを感じる面もある中、東急は街や地域の人にコミットしながらまちづくり・文化づくりを続けてきました。プロモーションの面で、渋谷駅周辺だけではなく、 Greater SHIBUYAでの東急ならではのまちづくりや取り組みも発信をしていきたいです。
亀田 世代や国籍に関わらず誰もが自分らしく過ごせる街、として渋谷がもっと発展し、その認知も高めていきたいです。渋谷は現在多くの人が働くオフィス街の側面があるにも関わらず、そのイメージをあまり持たれない理由として、自由な服装・髪型や、常識に縛られない発想で自分らしく働いている方が多いからであり、それは他の街にはない渋谷の強みだと思います。
「渋谷はオフィスから一歩外に出るだけでマーケティングができる街」と言われてきた特徴は、これからの時代、更に重要になるでしょう。スクランブル交差点のように、多様な人々やアイディアが交わって化学反応を起こし、新しいものが生まれるポテンシャルは唯一無二なので、その魅力を発信し続けたいです。
プロフィール

亀田麻衣
不動産運用事業部
価値創造グループ
渋谷アセットブランディング担当

新里 彩
不動産運用事業部
価値創造グループ
渋谷アセットブランディング担当