目黒川緑道を歩く!目黒川の起点から池尻大橋まで、暗渠と花と緑を楽しむ500メートル

東急公式サイト編集部

2025/6/30

散歩日和の5月某日、東急公式サイト編集部が訪れたのは「目黒川緑道」。お花見で定番の「目黒川」の起点があり、田園都市線の池尻大橋駅付近まで続く緑道なんです。そんな目黒川緑道の約500メートルの道のりを歩いてみました。

目黒川の起点と池尻大橋をつなぐ「目黒川緑道」

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緑道おさんぽマップ

目黒川緑道は、「北沢川緑道」と「烏山川緑道」という2つの緑道の合流地点から、目黒川の下流に向かってつくられた遊歩道。2つの緑道の合流地点が目黒川の起点にもなっています。

国道246号に突き当たる池尻大橋のあたりが終点で、緑道の全長は約500メートルです。上流(起点)側の大部分はほとんど世田谷区に属していますが、下流(終点)側の一部は目黒区。2つの区にまたがる遊歩道でもあるんですね。

ちなみに、目黒川緑道は「暗渠(あんきょ)」なんです!暗渠とは、地下に埋設されたり、フタをかけられたりした小川や用水などの水路のこと。反対に、地上に出ている場合は「開(かいきょ)」といいます。お花見などが楽しめるのは目黒川の下流から国道246号までの開渠部分で、国道246号よりも上流側は暗渠化されて目黒川緑道になったというわけです。

「目黒川起点碑」からスタート

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始まりの地

散歩のはじまりは「目黒川起点碑」です。終点側の池尻大橋を背にして上流側を見てみると、向かって左が「烏山川緑道」で、右が「北沢川緑道」。Y字に合流していることがよくわかります。ここから地下に埋まった川の上を歩いていくのだと思うと、なんだか不思議な気持ちです。

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緑道の脇を流れるせせらぎ
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再生水が利用されている

暗渠のはずの目黒川緑道に、小川があります。なぜ?と思い調べてみると、これは暗渠になっている目黒川とは別に作られた「せせらぎ」で、「烏山川緑道」と「北沢川緑道」からつながっているのだとか。新宿区にある落合水再生センターで処理された再生水の一部、つまり綺麗な水が流れています。

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カモが遊びにきていた
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鯉も気持ちよさそう

せせらぎには、カモや鯉の姿も。渋谷駅の隣とは思えないほど静かで美しい環境なので、きっと毎日穏やかに暮らしているのでしょう。

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自転車専用レーンがある

先に進むと、東仲橋のところで歩行者レーンと自転車専用レーンにわかれます。歩くだけではなく自転車でも楽しめるのが嬉しいですね。歩行者レーンには、散歩はもちろん通勤・通学中と思しき方など、たくさんの方が行き交っていました。

植栽を手入れするのはボランティアグループのみなさん

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緑道沿いに咲き誇るオックスアイデイジー
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ちょうど見頃のゴデチヤ
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凛々しく咲くハナショウブ

この目黒川緑道、植栽の種類が豊富ですし、ひとつひとつに花の名前や特徴が書かれたプレートもついています。とても丁寧に手入れされている様子がうかがえるけれど、一体だれがどうやって手入れを…?と思っていると、まさに植栽の手入れ中の方を発見!目黒川緑道の植栽を手入れしているボランティアチーム「グループ四季」のメンバーのおひとりということで、お話をうかがってみました。

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植栽を管理するのは「グループ四季」
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「グループ四季」のチーフを務める江藤さん(撮影:2024年10月)
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創設者 渡辺さん(写真中央)の引退セレモニーに集まったメンバーのみなさん(提供:グループ四季)

「グループ四季」は、世田谷区と管理協定を結ぶボランティアチーム。創設者の渡辺さんからバトンを受け取ってチーフを務める江藤さんをはじめとして、現在は数人のメンバーで目黒川緑道の植栽の手入れをしているのだそうです。一年草と多年草、草花と樹木など、色や形が異なる植物を200種以上も組み合わせながら、この緑道を歩く人を楽しませる植栽を作り上げています。

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目にも鮮やかな花々が歩く人を迎える
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目黒川緑道と「グループ四季」のシンボルでもある柳の木。チーフの江藤さんがフラワーアレンジに入っていた柳を挿したところ、15年ほどかけてこんなに大きくなったのだとか…!

なんといっても印象的だったのは、みなさんがいきいきと活動されていたこと。そのわけは、「メンバーそれぞれが自分のタイミングで緑道に来て、できることをする。そんな活動が心地よくて参加しているの」という言葉に詰まっているのかもしれません。メンバーのみなさんが、草花に目を留めた方と談笑される姿もたくさん見られました。

休憩にぴったりのひとやすみスペースも

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ちょっとした遊具もある
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屋根つきベンチ

約500メートルの緑道ですが、植栽を眺めながらじっくり歩くと、休憩したくなったりしますよね。道中にちょっとした遊具やベンチがあるので、ひとやすみに活用しない手はありません。

終点は都会の香り

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世田谷区と目黒区の区境もある
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かわいらしい花とのお別れが名残惜しい
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池尻大橋のマンション群と首都高

さらに先へ進むと、池尻大橋のマンション群と国道246号、首都高が見えてきました。いよいよ終点が近い…。緑道の最後の最後まで植栽が続くので、だんだんと名越惜しくなってきました。たった500メートルの緑道なのに、せせらぎのキラキラした水面や植栽の彩りや「グループ四季」のみなさんの笑顔がしっかり記憶に焼きついています。

目黒川の開渠部分をチェック

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緑道から国道246号に突き当たったところ
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地上に現れた目黒川

せっかくなので、暗渠と開渠の境目も見てみたい!ということで、国道246号を渡って、さらに先へ進んでみます。すると、ありました。目黒川です。たしかに開渠です。ここから東京湾まで、目黒川はまだまだ続いていくんですね。

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眼前に迫る大橋ジャンクション
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1970年当時の東急バス 大橋営業所

ちなみに、目黒川沿いにそびえる巨大な構造物は「大橋ジャンクション」。まるでコロッセオのような、円筒形のジャンクションです。もともとは東急玉川線 大橋車庫や東急バス 大橋営業所があった場所なのですが、2010年にジャンクションに生まれ変わっています。ジャンクションの上には「目黒天空庭園」という公園があるので、それはまた別の機会に散歩してみたいと思います。

地元でも愛される緑道で暗渠や自然を楽しんで

さて、今回は約500メートルの「目黒川緑道」を歩いてみました。四季折々の草花。言われなければ暗渠とはわからない美しい風景の中で、都会のオアシスを感じられる場所です。散歩にぴったりなので、みなさんもぜひおでかけしてみてください。

【目黒川緑道】
所在地:東京都世田谷区池尻4-24から池尻3-1先
https://www.city.setagaya.lg.jp/02075/9208.html

【グループ四季】

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■グループ四季 公式Instagram
https://www.instagram.com/groupshiki/
日々の活動の記録を投稿している公式Instagram。グループへの参加形態は「コアメンバー」と「カジュアルメンバー」の2種類。応募や問い合わせはDMから受け付けている。

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■グループ四季 植物図鑑
https://www.instagram.com/groupshiki_flowers/
グループ四季が育てる植物のまとめ。四季折々の草花の情報が投稿されている。

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取材・文:SABO(東急公式サイト編集部)

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