渋谷駅周辺の基盤整備
鉄道施設や幹線道路などにより東西南北に分断され、また谷地形によって回遊しづらかった街を、全ての利用者にとって安全・安心かつ快適な街にするため、駅周辺の動線や滞留空間を整備しています。
アーバン・コアの整備
スリバチ状の地形である渋谷の縦移動を便利にするため、地下と地上を結び人々を誘導する、街に開かれた縦軸の移動空間「アーバン・コア」を各所に整備。エレベーターやエスカレーターによって多層の都市基盤を上下に結びます。


東口アーバン・コア周辺の将来イメージ図
歩行者デッキの整備
鉄道施設や幹線道路などによって分断された街をつなぐべく、駅周辺に広がる歩行者デッキを設置。これにより、スリバチ状の地形に建った複合施設同士を横軸で結ぶことができ、街の回遊性向上を図ります。

渋谷駅周辺デッキ整備イメージ
渋⾕駅東⼝地下広場を整備
安全で快適な空間を提供するとともに、交通結節機能としての強化を図るため、高い階層にある駅(JR線や銀座線)と地下にある駅(副都心線・東横線、半蔵門線・田園都市線)を結ぶ場所に渋谷駅東口地下広場を整備。2019年11月に供用を開始しました。
広場の地下2階部分には情報発信や観光案内機能を持つカフェ、地下1階には都営バス定期券発売所兼案内所、パウダールーム、多機能トイレを備えた渋谷区立渋谷駅東口公衆便所、コインロッカーを設け、にぎわいの創出や街への回遊を促します。


観光案内機能を持つカフェ
渋⾕川再⽣・移設⼯事
歩行者の滞留空間が不足しているという課題に対して、東横線線路跡地を遊歩道として整備するとともに、渋谷川上空に2つの広場を設置。あわせて、隣接する渋谷川の水の流れを官民連携のもと、清流復活水を活用した「壁泉(水景施設)」により再生し、快適な水辺空間をつくりました。
さらに渋谷駅東口地下広場の整備のため、2015年8月には渋谷駅東口の下を通る渋谷川を東側に移設するとともに、下水道施設に変更。この地下広場の頭上には、渋谷川の躯体を見ることができます。

渋谷川再生の計画概要

稲荷橋広場より渋谷川を臨む
渋谷駅東口雨水貯留施設の整備
浸水対策として渋谷駅東口広場の地下約25メートルの深さに、約4,000トンの雨水を一時的に貯水できる渋谷駅東口雨水貯留施設が2020年8月に完成しました。
1時間あたり50mm~75mmの強さの雨が降った際、雨水貯留施設に雨水を溜め、天候の回復後に古川幹線下水へポンプアップにより排水。スリバチ状の最も低い位置に駅があるため、この雨水貯留施設の整備により安全・安心なまちづくりが実現します。

渋⾕駅東⼝雨水貯留施設

渋谷駅東口側地下工事 断面図