ごあいさつ
取締役社長の福田でございます。
日ごろから東急電鉄をご利用いただき、誠にありがとうございます。
当社は東京都西南部から神奈川県東部にかけて9路線を運営し、首都圏の交通インフラを支えてまいりました。都心と郊外を結ぶ鉄道ネットワークとして、多くのお客さまにご利用いただいております。今年度は2024年に策定した中期事業戦略の最終年度にあたります。この間、事業戦略の中で掲げた「移動の価値」を追求し、大きく3つの取り組みを進めてまいりました。
1. 安全で安心な移動の持続的提供
安全投資と成長投資の両輪による鉄道事業の持続的成長を目指し、鉄道施設の維持更新や激甚化・頻発化する自然災害への対応力強化、デジタル技術を積極的に活用し未然にトラブルを防ぐ仕組みの強化等を図ってまいりました。「安全・安心」は鉄道事業をはじめ、当社全ての事業の根幹にあたり、お客さまが当社に寄せる「信頼」の源泉であります。2025年10月に発生した田園都市線梶が谷駅列車衝突事故や過去の輸送障害等の再発防止を図るとともに、引き続きトラブルの未然防止対策、有事の際の初動対応の迅速化など、安全を最優先にすべての事業を推進してまいります。
2. 新たな移動の創出
QRコードを活用したデジタルチケットサービス「Q SKIP」では、沿線のお出かけ施設や地元の店舗利用チケットと乗車券がセットになったデジタルチケットなど、多様な商品サービスを展開しています。2024年5月からは「タッチ決済に対応したクレジットカードなどを使用した後払い乗車サービス」の実証実験を開始し、2026年3月には関東の鉄道事業者11社局にて相互利用が可能となりました。引き続き、対応改札機の増設を進め、よりシームレスな移動環境を実現してまいります。
ネットワーク拡充への取り組みとしては、東京都・品川区と協力して進める大井町線戸越公園駅付近の連続立体交差事業について、2026年2月に都市計画事業の認可を取得いたしました。約0.9kmの区間を高架化することで6箇所の踏切を除却し、交通渋滞の解消など社会課題の解決や地域の回遊性向上などに寄与します。今後も各種説明会を実施し、工事着手に向け関係自治体と連携していきます。
また、「新空港線」について、当社と羽田エアポートライン株式会社は、2025年10月に国土交通省から速達性向上計画の認定を受けました。渋谷・新宿・池袋などの副都心部や東京都北西部・埼玉県南西部と羽田空港とのアクセス利便性の向上、国際競争力の強化と沿線地域のさらなる発展を目指し、引き続き関係者と連携のうえ、手続きを進めてまいります。
3. 移動に伴う地球環境課題の解決
鉄道は、環境負荷の少ない移動手段として、持続可能な社会の実現に貢献する重要な役割を担っています。当社は日本初となる「再生可能エネルギー100%電力による運行」を全路線で開始し、鉄道の環境価値をさらに高めてまいりました。また、BCP強化や電力の有効活用などを目的とした大規模蓄電池の設置や再生可能エネルギー発電設備の拡充を進め、鉄道エネルギーの安定供給と環境負荷の低減を両立してまいります。
当社は安全と安心を基本としたさまざまな活動を通じ、沿線のみなさまの快適な生活環境の創造と笑顔あふれる社会の実現を進めていく決意を込め、「人へ、街へ、未来へ。」というスローガンを掲げています。通学定期の値下げを始めとした子育て世代への支援施策を通じた社会課題への対応や、街と一体化した都市開発などを進め、今後も街とともに進化し続け、「日本一の街の、日本一の鉄道」を創り上げてまいります。
引き続き、東急電鉄の事業活動にご期待いただくとともに、変わらぬご愛顧とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。