輸送の安全確保―人材育成

安全で快適な鉄道運行のために、ハードとソフトの両面から安全確保への取り組みを行っています。
お客さまの視点でリスクを把握し、各種安全対策を充実させるとともに、緊急時に迅速・確実に対応できるよう訓練を重ね、二次災害防止を図ります。

乗務員の養成と資質管理

お客さまの生命をおあずかりする立場として、乗務員の使命は重大です。当社では、運転士661名、車掌436名が乗務しています(2019年3月31日現在)。
当社には、国土交通省の指定を受けた養成所として「東急教習所」があり、ここで多くの運転士を養成してきました。また、東急教習所では車掌の養成も行っています。今後も、お客さまの「安心」「信頼」のために、「安全」を守る乗務員の養成に全力で取り組んでまいります。

運転士・車掌の養成

運転シミュレーターを使った訓練

運転士・車掌の養成は、東急教習所内で所定の学科を学んだ後、各乗務職場に配属され指導運転士・指導車掌のもとマンツーマンで乗務しながら技能を習得していきます。
運転士は、列車を運転するために国家資格である動力車操縦者運転免許が必要であるため、約9か月間の講習を受けた後、修了試験(国家試験)に合格することで運転免許を習得することができます。また車掌は約3か月間の講習を受けた後、修了試験に合格しなければなりません。

乗務員養成の流れ

乗務員の技能の維持・向上と資質管理

車掌養成における現車教習

運転士・車掌になってからも定期的に適性検査や講習・訓練を実施しており、技能の維持・向上に努めています。また、各乗務職場の区長が乗務員指導管理者として運転士・車掌に必要な教育・訓練を実施するとともに、資質管理の状況を定期的に運転管理者へ報告しています。
そのほか、監督者が列車に添乗し乗務員が正則作業を厳守しているか確認しています。

車掌の基本動作訓練

車掌シミュレーターを使った訓練

車掌は養成時に車掌シミュレーターを用いて、乗務における基本動作や異常時の対応方法を訓練します。また、駅出発時の列車接触事故などの防止のため、養成時から非常ブレーキ操作訓練を行っています。さらに、ホームドアの取り扱いについても、各職場での教育に加え、教習所内でも教習を行っています。

アルコールチェックと健康管理

乗務員は、乗務前に必ず監督者による健康状態の確認を受けるほか、アルコールチェックの実施を徹底しています。また、定期的に健康診断も実施しています。

乗務前にアルコールチェックを行い、監督者が管理を徹底しています
点呼時には監督者が乗務員の健康チェックを行います

安全をつくる意識向上と技術伝承

危険体感研修

危険体感研修は、墜落制止用器具(安全帯)の装着や高所歩行、高所からの工具落下や感電などの体験を通して、作業上発生しうる危険のポイントを伝える訓練です。若手社員の事故防止のための意識向上を図ります。

高所歩行体験で高さ1.6メートルの狭隘通路を歩行する若手社員と、危険動作がないように見守る講師陣
教育用のモックアップ車両を使用した技能士による屋根上への昇降訓練風景

競技会・講習会

技術部門では、設備の更新に伴う機器の性能向上により、部品などの故障や劣化による取り替えが少なくなってきている現状をふまえ、組織の技術力強化やベテランから若手への技術伝承、従業員のモチベーション向上などを目的に、競技会や講習会を定期的に実施しています。

電気部門での技術競技会の一例:架線が切れたことを想定した復旧を行っています。高所作業での復旧はチームワークが必要になります
技能競技会:クレーンを利用したモーター揚重作業
保線部門での技術伝承の一例:夜間作業で活躍する保守用車について万が一のトラブルに備え、年に2回脱線復旧訓練を実施し、異常時に対応できるスキルを身に付けます
保線技能研修:線路を補修する技能を磨き向上させる研修です