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田園都市線における輸送障害を踏まえての緊急安全総点検結果等のご報告

2018年4月29日

 昨年の度重なる田園都市線輸送障害では、多くのお客さまにご迷惑をおかけしましたこと、あらためてお詫び申し上げます。
 昨年11月18日以降、田園都市線全線の安全総点検を実施するとともに、輸送障害の未然防止策や発生時の影響最小化策を進めてまいりました。その経過を昨年12月15日、本年2月9日にホームページや駅ポスターでお知らせいたしましたが、この度重要箇所の点検が終了し、見直しや強化を図りました諸施策を実施しておりますので、あらためてご報告させていただきます。


                             記

1. 田園都市線の安全総点検について
  地下区間(渋谷~二子玉川間)の点検は昨年12月に、地上区間(二子玉川~中央林間間)の重要箇所の点検は本年3月に、
  それぞれ完了いたしました。
  その結果、緊急性の高い不具合箇所はございませんでした。ただし、電気ケーブル類の設備表面に傷等が確認されたため、
  補修等の予防保全措置を実施し、健全性の向上を図りました。
 詳細は以下のとおりです。

(1)地下区間(渋谷~二子玉川間)の安全総点検
  ◇期  間  2017年11月18日~12月13日
  ◇要 員 数  延べ2,120人
  ◇点検対象  [電気設備]電線類、信号ケーブル、機械室
         [土木施設]トンネル、排水側溝、ホーム天井
         [ 線 路 ]レール、分岐器
         [ 車 両 ]運転台機器、パンタグラフ周囲、床下機器
  ◇点検結果  ① 緊急性の高い不具合箇所は無し
         ② 表面的な傷の補修、付着物除去等の予防保全措置を実施
         [電気設備]ケーブル類における傷(281カ所)
         [土木施設]ケーブル類への漏水、埃や汚れなどの付着物確認(43カ所)

 (2)地上区間(二子玉川~中央林間間)の安全総点検
  ◇期  間  2018年1月11日~3月23日
  ◇要 員 数  延べ1,890人
  ◇点検対象  電気設備におけるリスク箇所(ケーブル接続部等)を中心に点検を実施
  ◇点検結果  ① 緊急性の高い不具合箇所は無し
         ② 表面的な傷の補修による予防保全措置を実施
         [電気設備]ケーブル類における傷(299カ所)

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                   電気ケーブル点検状況(地下区間)

2. 輸送障害の未然防止策について
  未然防止対策として、点検方法などの見直しやハード面の改修を行い、重大な運行支障につながるリスクを低減いたします。

(1)地下区間の環境特性を踏まえた重要設備の点検方法や点検頻度の見直し(4月1日から実施)
  ① 点検方法の見直し
   電気ケーブル類の表面に傷等が生じやすい接続部や湾曲部を十分に確認できるよう、既存の目視点検に、触手点検を追加
   ※ケーブル接続部はケーブル径が太く、列車走行振動によりケーブルラックとの摩擦が生じて傷等が生じやすい

  ② 点検頻度の見直し
   き電・高圧配電ケーブル支障の早期発見に向け、精密点検頻度を、「5年に1回 」から「2年に1回」に変更
   ※き電ケーブル:変電所から架線(電車線)に電力を供給するための電気ケーブル
  
  ③ 施工時品質管理の強化
   電気ケーブル類の表面に傷等が生じやすい接続部や湾曲部を中心に、施工時や竣工時の品質チェックを徹底

 なお、田園都市線以外の路線の地下区間においても同様の点検方法・点検頻度・施工管理にて実施

(2)ハード面での未然防止対策強化
  ① ケーブルとラックの非接触化
   田園都市線地下区間(渋谷~二子玉川間)における、き電ケーブル接続箇所(47カ所)の非接触化を実施
   (2018年6月末完了予定)

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            ケーブルとラックの非接触化

  ② 重要設備(信号設備電源)の二重化
   三軒茶屋信号機器室の電源の二重化を実施(2017年12月)
   
  ③ ITによる故障リスクの早期発見
   転てつ器の状態監視装置を長津田車庫、元住吉車庫に設置(2018年3月)
   
  ④ 建築設備の老朽化更新
   田園都市線における建築設備のトラブルによる運行支障を防止するため、消防設備や排煙設備の更新を推進


3. 輸送障害発生時の影響最小化策について
  輸送障害が発生した際の復旧時間短縮が図られるよう、初動体制を強化するとともに、お客さまご自身が行動選択しやすいよう提供情報の充実を図っております。

(1)輸送障害発生時の早期原因究明・早期復旧策
  ① 駅要員配置の見直し
   田園都市線地下区間各駅(渋谷~用賀)にお客さま案内や情報伝達を指揮する現場監督者を配置
   (以前は渋谷駅・三軒茶屋駅の2駅のみに配置)
   (2018年2月から当面の期間)
 
  ② 技術系事務所の新設
   田園都市線地下区間で早期に支障発生箇所へ到着し、迅速に対処できるよう、池尻大橋に技術部門を中心とした現場事務所を
   新設するとともに、桜新町に詰所を設置
   (2018年4月)

(2)お客さまへのご案内の強化
  ① 駅でのご案内強化
   輸送障害発生時における迂回経路等のご案内を強化するため、田園都市線地下区間各駅に朝ラッシュ時の案内係を配置
   (2017年12月)

  ② 近隣の鉄道・バスご案内
   近隣路線の駅までの徒歩ルートや近隣バス停のご案内などを掲載した駅周辺マップを作成(現在、池尻大橋駅から梶が谷駅の10駅)。
   当該駅での配布のほか、ホームページや東急線アプリに掲載(2017年12月から順次)。
   本年度中に田園都市線の宮崎台駅からつきみ野駅までの13駅、その他東急線各線の駅周辺マップも順次作成。
   (世田谷線・こどもの国線を除く)

  ③ 迂回ルートのご案内
   田園都市線主要駅から他路線やバスを利用して迂回する場合のルート図を作成。
   主要駅での配布のほか、ホームページや東急線アプリに掲載(2018年2月から順次)。
   本年度中に東急線各線の主要駅からのルート図も作成。(世田谷線・こどもの国線を除く)

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    左:近隣の鉄道・バスご案内(三軒茶屋駅の例)           右:迂回ルートのご案内(長津田駅の例)

  ④ 情報配信頻度の向上
   東急線アプリや運行情報メールにおける情報配信頻度を向上。


今後も、きめ細やかな安全対策に努め、より信頼される東急線を目指してまいります。