1.東急グループ代表 野本弘文 年頭あいさつ (東急グループ各社トップに対する年頭あいさつ)
(1)日 時 2026年1月5日(月) 8時45分
(2)要 旨
年末年始に大きな事故もなく、無事に新年を迎えたことを、皆さまとともに喜びたいと思います。ただ昨年は、田園都市線梶が谷駅構内における列車衝突事故などが起き、大変残念に思っています。安全を事業の根幹に置く私たちは、常に安全第一ということを意識しておかなければならないことを、改めて皆さまに言っておきたいと思います。リスクに対する「事前の想像、事後の行動」を今一度かみしめてほしいと思います。
さて、今年の干支は丙午で、諸説ございますが、丙午は太陽のような明るさと行動力、情熱や変化を象徴する年といわれており、活発に動けば動くほど運気を呼び寄せるとのことです。今年が東急グループにとってさらなる飛躍の年になってほしいと願っています。
東急の本拠地ともいえる渋谷の街も、工事がさらに進展し、渋谷駅周辺の完成像も見えてくるのではないかと思います。「日本で一番訪れたい街・渋谷」を掲げて10年余り、2022年に初めて日本に来た外国人が一番多く訪れた街になりました。続けて次の年も、次の2024年も、3年連続してその地位を保っています。実に多くの方々の努力の結果だと思いますが、さらに継続することは、よりハードルが高くなります。今まで以上にグループを挙げて知恵を出し、努力が必要だと思います。
そして来年3月19日からは「2027年国際園芸博覧会」が横浜の上瀬谷地区で開催されます。南町田グランベリーパークにも近く、交通面・商業面など色々と考えているとは思いますが、準備にあと一年しかないため、しっかりと取り組んでほしいと思います。東急グループはこの博覧会に、「Urban GX Village」への出展が内定しており、グループの存在理念である「美しい生活環境を創造し、調和ある社会と、一人ひとりの幸せを追求する」を体現する絶好の機会と捉えています。「グループの存在意義」を示すまたとないチャンスでもありますので、確実に準備を進めていただきたいです。
また、各社それぞれ進めている事業については、スピード感をもって取り組んでほしいと思います。今日の事業環境の変化はますます速く、大きく、かつ複雑になっていますが、このような環境下だからこそ、新たな価値を生み出すチャンスでもあります。固定観念にとらわれることなく、お客さまに選ばれるもの、社会に必要なものをしっかり見極め、事業を推進していただきたいと思います。
「アジア太平洋小売業者大会」は、1983年の第一回大会から、二年に一度開催され、今回が22回目となり、日本小売業協会が主催します。この日本小売業協会は、今は私が会長を務めていますが、もともと五島昇会長が48年前、小売業の地位向上と発展のため、百貨店やスーパーマーケットなど業態を超えて設立を主導され、二代会長を務めています。現在では各団体の会員を合わせると約6,500社を超える企業が所属しています。ECが台頭し、また小売の業態と業際の区別がなくなっている今だからこそ、本大会が、これからの小売業の在り方など、将来に向けて考えるよい機会になるものと思います。大会には、中国、インド、タイ、インドネシアなど18ヵ国の小売業トップが来日し、4,000人規模の国際会議と1万人規模の展示会が開催される予定です。東急グループにとってもよい機会であり、小売業はメーカー、卸売業、ITベンダーから、ホテル、観光、飲食などのサービス業まで、大変裾野の広い産業です。複合施設のテナントミックスや、まちづくりの戦略を考える上でも、商業を知ることは重要であり、よい機会だと思います。この歴史ある国際会議は、リテール事業のみならず、多くのお客さまと接点を持つ東急グループにとって、その強みを発揮できるまたとない機会になると思います。ぜひ、皆さんにも大いに意識していただき、事業に活かしてほしいと思います。
皆さんは、今年は・・、今年こそは・・といった、さまざまな「夢」や「希望」を持っていることと思います。私もよく入社式や講演などでも話をしていますが、『「夢」や「希望」は誰もが持つことができるが、「志」を持って、自ら考え行動しなければ、決して「夢の実現」はない』ということを、改めて胸に刻んでほしいと思います。今年は午年でもあり、馬にちなんだ名前で有名な人物と言えば坂本龍馬ですが、その坂本龍馬の有名な言葉に、「世に生を得るは、事を成すにあり。」があります。「人がこの世に生まれてきたのは、何かを成し遂げるためである」という意味です。私の好きな言葉の一つですが、皆さんも大なり小なり違いはあっても、一国一城の主です。自分は何をもって事を成したいのか、自分の目的は何か、使命は何かを改めて自問し、自分が登りたい、登るべき山をしっかりと見定めてほしいと思います。
坂本龍馬が結成した「亀山社中」は日本最初の「カンパニー」と言われています。この「カンパニー」の語源は、ラテン語の「com(コム、共に)」と、「panis(パーニス、パンを食べる)」を組み合わせた言葉で「一緒にパンを食べる仲間」という意味とのことです。一人で登る山も素晴らしいが、多くの仲間と一緒に登る山は、さらに楽しく素晴らしいものであると思います。今年は、干支にちなんで、グループ一丸となって、皆で明るく楽しく行動力に満ちた、そうした一年であってほしいと願っています。
2.東急(株)取締役社長 堀江正博 年頭あいさつ (東急㈱社員に対する年頭メッセージ)
(1)日 時 2026年1月5日(月) 9時30分
(2)要 旨
まずは、年末年始に大きな事故、災害がなく、こうして新年を迎えることができたことに感謝いたします。安心安全親切は東急ブランドのコアの提供価値です。今年も、そして来年以降もずっと、安心安全親切を第一に、それぞれの仕事に取り組んでいただきたいと思います。
さて、今年は実行に移す(Execute & Procure)年にしたいと思います。中期経営計画を発表した際、"Creative Act."のうち"Act."は、Activeであり、Actionであると説明しました。そして昨年の年頭には、これに"Proactive"を加え、積極的、能動的に取り組んでほしいと付け加えました。今年は、Creativeに、Proactiveに産み出した、思い付いた発想やアイディアを「実行に移す(Execute & Procure)」年にしたいと思います。優れたアイディアであっても、実行が伴わなければ価値を産み出しません。既に実行・実践が習慣づいている方には、周りの人達の実行実践の手助けをしてほしいと思います。
また、インバウンドのお客さまを大切にしたいと思います。昨年は過去最高の業績を上げた当社ですが、インバウンド市場の回復に支えられている部分も大いにあります。地政学的要因のみならず、為替相場もインバウンド需要を左右します。そうしたダウンサイドリスクを抑制するポイントは3つあります。1つ目は、マイナス局面にあっても、インバウンドから「選ばれる東急」になってリピーターを増やすことです。価格のみならず、「価値ある体験」を提供することが大切です。2つ目は、国内市場を継続的に開拓することです。3つ目は、マーケットの状況に応じたコストコントロールを素早くできるようにすることです。
さらに、もう一つの「ショク(職)の東急」を提案します。食べ物の「食」に加えて、「職業の職の東急」を目指したいと思います。「働くのなら、東急で働きたい」と思ってもらうことです。そのためには働きやすさや諸条件を整備する必要があります。東急で働きたいと思う人が、入社後教育を受け、より良い働き方をしてくれれば、それは個人と会社の成長の原動力になります。「職の東急」は、個人が東急に就職して働くことのみならず、取引業者に「東急の仕事をやりたい」と思ってもらうことも含めています。あらゆる分野の取引先があってこそ、当社は事業を絶えることなく続けていられることを肝に銘じていただきたいと思います。「二つのショクの東急」を実現していきましょう。
今年、アクセルを踏みたいことは、渋谷や沿線への人口誘致です。首都圏への人口流入は続きます。人口の集積は効率性を向上させ、またイノベーションをもたらし、経済成長を牽引します。したがって、自然体に任せず、積極的な人口誘致を図ることが何よりも重要です。洗足、田園調布、多摩田園都市の開発は、人口誘致の歴史でもあります。今日、重要なことは、居住人口は勿論のこと、勤務人口、訪問人口、宿泊人口を増やすこと、関係人口の誘致です。沿線の関係人口が増えれば消費支出も増えます。また、住む人、働く人の収入が増えれば、さらに沿線の消費支出は増えるでしょう。既存サービスの価値を向上させて購買頻度を高め、そして新規のサービスを提供します。これによりマーケットシェアは大きくなります。つまり、関係人口の誘致により消費規模を拡大させ、さらに当社のマーケットシェアを拡げていきます。
沿線外では、大きく分けて、沿線からの染み出しエリアと、地方都市で拠点と呼んでいるエリアに分けられます。また、ホテル、NewWork、ツギツギ、109シネマズなど、全国展開するビジネスモデルもあります。いずれのエリア・事業においても、そこで展開する事業や各社間で連携しながら、沿線より高いROAを実現したいと思います。中でも、各拠点におけるグループのネットワークを活かさない理由はありません。そして事業を複数展開する拠点では、フィービジネスを中心に、当社連結グループの各種事業やソリューションを提供したいと思います。一方で、地方の人口と労働力の減少は深刻であり、対処すべき大きな課題です。地方交通事業にあっては待ったなしの状況です。インバウンドを含めた観光需要の開拓と同時に、既存事業の枠組みの大胆な見直しやリエンジニアリングに真剣に取り組んでいきます。
また、金利が上昇してきましたが、ポイントは、金利負担の増加以上に営業利益を積み上げていくこと、これを実現できるかどうかです。これを内部成長でカバーすることが重要です。金利上昇が実体経済の好況と活性化による「良い金利上昇」であれば、収益を伸ばすことが可能であるし、そうしなければなりません。そうした利益を拡大させる手立ては、皆さんの手中にあります。既存事業には隠れた内部成長のネタがあります。クリエイティブな発想とスピード感を持って、全社挙げて金利上昇に立ち向かいましょう。