TOKYU CORPORATION 2011-2012
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――「東急シアターオーブ」の果たす役割ヒカリエの中核施設となる宙空の劇場「東急シアターオーブ」。近未来的な球体の形状が特徴である。2012年夏のこけら落としには本場ニューヨークのブロードウェイから「ウエスト・サイド・ストーリー」を招聘し、その後も欧米を中心とした本物のライブエンターティンメントを提供していく。音楽、ダンス、振り付け、そしてドラマとストーリーに満ちた本格的なミュージカルが、ニューヨークやロンドンまで行かなくても渋谷で楽しめることが魅力だ。これを世界に広くアピールし、アジアを中心とした周辺各国からの集客を図るのが狙いである。――「ヒカリエ」はクリエイティビティーも追求もうひとつ注目してほしいのが、クリエイティブフロア「8/(はち)」である。クリエイティブな才能と社会をつなぎ、新しい文化を発信していくことを目指す複合スペースだ。文化や芸術を生み出す主体は、個人である。しかし個人には資金面など制約があり、作品を発表する機会が少ない。そういう優れた才能を持つ個人が自由度の高い表現活動のできる場所をつくり、提供していく。このフロアを、日本、さらにはアジアの中で一番ホットなアートに触れられる場所にしていくのが目標である。4――「ヒカリエ」のコンセプト「ヒカリエ」は、建物内での滞在性や回遊性も重視しているが、いわゆる駅ビルにありがちな1つのビルの中だけで完結する閉じた施設ではない。街の外へと人の流れをつなげるネットワークの役割も果たす。鉄道8路線と「谷」の街・渋谷を「ヒカリエ」の各フロアでつなぎ、人の流れをスムーズにする。それによって、周辺の青山や代官山、表参道からの人の流れが加わって「広域渋谷圏」を形成、さらに渋谷の街は魅力を増していく。シアターオーブが演出する世界の渋谷街をつなぎ、人をつなぐ「渋谷ヒカリエ」

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