TOKYU CORPORATION 2011-2012
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東急グループは、鉄道というオンリーワンの事業を中心とした企業集団であり、最大の強みは、その総合力にある。鉄道事業は、50年、100年というスパンで見ても、そう簡単に模倣できるものではない。環境問題が深刻化する中で、鉄道事業が果たしていく役割は今後さらに増していくだろう。そうした事業環境下で目指すのは、東急グループが持つ総合力を最大限に発揮し、「三つの日本一」を実現することだ。東急線沿線を日本で一番「住みたい沿線」にすること、渋谷を日本で一番「訪れたい街」にすること、二子玉川を日本で一番「働きたい街」にすること――。90年間にわたり地域の皆さまの信頼を得ながら事業を続けてきた東急グループならではのオンリーワンの街づくりだ。――渋谷再開発への期待渋谷の再開発にあたって、三段階での議論を積み重ねてきた。まず、グローバルな視点で日本という国の立ち位置を捉え直す。次に日本の首都・東京を、空港や港湾といった交通インフラ、大阪・名古屋・札幌・福岡など地方都市との個性の違い、関係性や役割分担の観点などから再考する。その上で新宿、銀座、池袋など他の東京の街と比較して、渋谷の街の魅力、強みはどこにあるか、比較優位性を洗い出す。こうしてわれわれが導き出したのは「エンタテイメントと文化を核とした、クリエイティビティーを発信する街であり続ける街・渋谷」との結論であった。――東急文化会館のDNAシネコン、プラネタリウム、モダンな結婚式場など当時の先端的な流行や憧れのライフスタイルに触れる機会を提供した東急文化会館の開業(1956年)、NHK放送センターの移転(1964年)以来、渋谷はBunkamuraをはじめ数々の文化施設、映画館、ライブハウスなどが日本で最も集積している場所であり続けた。そして、2000年には渋谷マークシティ、さらに2001年にはセルリアンタワーと、大規模複合施設が誕生。渋谷に不足していたオフィス機能やホテル機能が充実し、渋谷を訪れる世代の幅が広がった。現在、2012年春の完成を目指し、当社と東急文化会館跡地の隣接街区の権利者が進めているプロジェクト「渋谷ヒカリエ」。渋谷から未来を照らし、世の中を変える光になるとの意志を込めて名づけた。3オンリーワンの街づくり――三つの日本一をめざす――訪れたい街「エンタテイメントシティしぶや」渋谷から世界へ渋谷が変わる、渋谷を変える東急グループにとってホームグラウンドといえる街、渋谷。その渋谷で今、街の歴史を受け継ぎながら、さらに国内外から注目される魅力ある街へと発展させていくための再開発が進んでいる。東急グループが総力を挙げて取り組む渋谷再開発のリーディングプロジェクトが2012年春に開業する「渋谷ヒカリエ」だ。たまプラーザ、永田町、二子玉川に続く大規模拠点開発の開業により、渋谷再開発は新たなステージへと進む。Project Story

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