輸送の安全確保―人材育成

安全で快適な鉄道運行のために、ハードとソフトの両面から安全確保への取り組みを行っています。
お客さまの視点でリスクを把握し、各種安全対策を充実させるとともに、緊急時に迅速・確実に対応できるよう訓練を重ね、二次災害防止を図ります。

乗務員の養成と資質管理

お客さまの生命をおあずかりする立場として、乗務員の使命は重大です。当社では、運転士553名、車掌369名が乗務しています(2016年3月31日現在)。
当社には、「東急教習所」内に国土交通省の指定を受けた養成所があり、ここで多くの運転士を養成してきました。また、東急教習所内では車掌の養成も行っています。今後も、お客さまの「安心」「信頼」のために、「安全」を守る乗務員の養成に全力で取り組んでまいります。

運転士・車掌の養成

運転士・車掌の養成は、東急教習所内で所定の学科を学んだ後、各乗務職場に配属され指導運転士・指導車掌のもとマンツーマンで乗務しながら技能を習得していきます。
運転士は、列車を運転するために国家資格である動力車操縦者運転免許が必要であるため、約9か月間の講習を受けた後、修了試験(国家試験)に合格することで運転免許を習得することができます。また車掌は約3か月間の講習を受けた後、修了試験に合格しなければなりません。

乗務員の技能の維持・向上と資質管理

運転士・車掌になってからも定期的に適性検査や講習・訓練を実施しており、技能の維持・向上に努めています。また、各乗務職場の区長が乗務員指導管理者として運転士・車掌に必要な教育・訓練を実施するとともに、資質管理の状況を定期的に運転管理者へ報告しています。
そのほか、監督者が列車に添乗し乗務員が正則作業を厳守しているか確認しています。

車掌の基本動作訓練

ホームドア取り扱いの教習の様子

車掌は養成時に車掌シミュレーターを用いて、車掌のドア操作に関する基本動作や異常時の対応方法を訓練します。また、駅出発時の列車接触事故などの防止のため、日頃から乗務前に非常ブレーキ操作訓練を行っています。さらに、ホームドアの取り扱いについても、各車掌区での教育に加え、教習所内での教習も行なっています。

乗務員養成の流れ

アルコールチェックと健康管理

乗務前に必ず監督者による健康状態の確認を行うほか、全乗務員に対してのアルコールチェックを徹底しています。また、定期的に健康診断を実施しています。

乗務前にアルコールチェックを行い、監督者が管理を徹底しています。

点呼時には監督者が乗務員の健康チェックも行います。

安全をつくる意識向上と技術伝承

鉄道技術アカデミー

第3回鉄道技術アカデミー:異なる部門の社員間でも、活発な議論をとおして安全を創造するための技術提案を行っています。

鉄道事業の電気部門、工務部門、車両部門から選抜された技術員を対象に、2011年度より「鉄道技術アカデミー」を定期的に開講しています。鉄道技術アカデミーは、それぞれの専門分野外の技術知識や制度はもちろん、運転法規などの法令や制度、他社事例など多岐にわたる分野を学び、部門を超えた視野を身に付け、横断的な取り組みを起こせる人材を育成するために設立されました。(2015年度は「第3回鉄道技術アカデミー」を実施)
第3回鉄道技術アカデミーのテーマは、「技術発の安全創造」。自分たちの技術を使うユーザーである駅係員、運転士や車掌とも議論を交わし、ケーススタディ、経営層への提案発表をとおして得た気付きを、若手のリーダーとして、日々の業務においてさらなる安全や将来の取り組みに繋げていくことを目的としています。

技能競技会・技術競技会・コンクール

技術部門では、設備の更新に伴う機器の性能向上により、部品などの故障や劣化による取り替えが少なくなってきている現状をふまえ、組織の技術力強化やベテランから若手への技術伝承、従業員のモチベーション向上などを目的に、競技会や技能講習会を定期的に実施しています。また、運転部門では、車掌の技能コンクールを、駅部門では接客選手権を実施しています。


車両部門での技能競技会の一例:架線から電気を集電するパンタグラフの保守検査にて、作業の安全性や正確性をチームごとに競い合います。


電気部門での技能講習会の一例:線路と道路の両方を走ることができる軌陸車の脱線復旧訓練を行い、異常時に対応できるスキルを身に付けます。


運転部門(車掌)のアナウンスコンクール:アナウンス技術の伝承や異常時におけるお客さまへの適切な案内放送の定着を目指し、実施しています。


駅部門の接客選手権:お客さまに対して、心配りや機転を利かせたサービスをする姿勢をとおして、接客時の心構えと接客技術の向上を目的に行っています。