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疾患等の紹介

肺結核などの呼吸器感染症 -身近にある肺結核-

はじめに

世界では結核で300万人の方が毎年死亡しています。日本でも32,000人の患者が新たに発生しております。1997年、結核の非常事態宣言がだされ、対策に力が入れられました。一時は減少しましたが、現在は横這い状態と言ったところです。結核はまだまだ過去の病気ではないことを知っておくことが大切です。

結核菌

結核菌は長さ1~4ミクロン、幅0.3~0.6ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)の棒状の菌で、表面は丈夫な膜で覆われ、いくつもの菌がくっつきあって房のようになっているのが特徴です。分類学的にはハンセン病を起こすらい菌とともに「抗酸菌」という仲間に属します。細菌としては酸やアルカリに対する抵抗性が強いわりに、日光の中の紫外線には弱いのが特徴です。増殖分裂の速度がのろく、1個の菌が2個になるには15時間もかかります(大腸菌では20分くらい)。そのため培養検査の結果を見るには4~8週間もかかります。感染しても発病までに半年以上かかるのはこのためです。

結核の感染

結核菌は主に肺に炎症を起こします。結核患者のセキで飛び散り、それを周りの人が吸い込むことによってうつります。(空気感染)

結核の発病

結核に感染しても、必ず発病するわけではありません。発病するのは10人に1人程度です。通常は身体の免疫機能が働いて、結核菌の増殖を抑えます。しかし、若い世代の多くは、結核菌に未感染のため、結核菌を吸い込むと感染しやすく比較的早い時期に発病する危険があります。(初感染発病)結核菌は強い菌で免疫力だけでは菌を完全に殺すことはできません。若い頃、結核が流行していた世代の人は、結核に既に感染している人が多く、高齢や糖尿病などで免疫力が弱まると、再び菌が増殖を始めて発病するというケースが増えています。(既感染発病)また最近では、新たな菌に再び感染し、発病するケースも出てきています。

特徴的な症状は

1.長引く咳、痰(2週間以上)

2. 長引く微熱

3. 長引く倦怠感、体重減少

4. 胸痛

結核の検査

ツベルクリン反応検査は感染したかどうかを判定します。結核に感染すると人体の中に結核に対する免疫ができるので、このアレルギー反応をみます。レントゲン検査は発病したかどうかを判定します。タンの検査はタンの中の結核菌の有無などを調べます。遺伝子検査は結核菌の核酸を調べる方法で、小量の菌でも数時間以内に検出することができるようになりました。

結核の治療(薬をきちんと飲めば治ります)

結核と診断されたら、4種類の薬を6ヶ月間毎日きちんと服用すれば完治できます。タンの中に菌が出なくなれば、外来治療も可能です。重症な患者さまも、結核の薬を飲み始めると、タンの中の菌は激減します。発病しても治療を始めれば、周りの人に感染させる危険性は少ないので、過剰に心配する必要はありません。

結核の予防

抵抗力のない赤ちゃんは、感染すると重症の結核を発病しやすく、生命にもかかわることがあります。これを予防するのがBCG予防接種で免疫の効果が15年程度続くと言われています。赤ちゃんは6ヶ月になる前に必ず受けましょう。 大人では、結核は抵抗力が弱まったときに発病します。日頃から十分な睡眠と食事、適度な運動などを心掛け、体調を整えていれば、感染しても一生発病しない可能性が高いです。

問題点

結核は過去の病気と思いこみ、症状があらわれていても本人も医師も気付かず、受診や診断が遅れ、集団感染を起こす事例が増えています。大都市の住所不定者など、発見や治療が難しい人々の間に結核が広がっています。世界ではエイズのまんえんにより拍車がかけられています。

まとめ

結核に関しての大筋を述べてきましたが、大切なことは結核の感染と発病について理解を深めて正しい認識をすること。決して過去の病気ではありませんが恐れすぎることなく、また油断をすることなく対処していくことが大切です。

結核が疑われる症状があるときには早めに医療機関を受診するとともに日頃の健康管理が大切であると考えます。