
健康診断などで、いきなり不整脈と言われ、訳も分からずに不安な日々を過ごされた経験はありませんか。ひとくちに不整脈と言っても、種類は様々で、原因も多様です。不整脈には、突然死につながる危険なものもありますが、多くは経過観察のみで問題とならないので、むやみに不安を感じる必要はありません。
心臓がポンプとして、全身にくまなく血液を送るためには、規則正しく拍動する必要がありますが、そのリズムをコントロールしているのが「刺激伝導系」です。右心房の上部にある洞結節は、天然のペースメーカで、ここから発せられた電気信号は、心房を刺激して収縮させ、もう一方で房室結節、ヒス束、左脚・右脚、プルキンエ線維へと伝わり、両心室の筋肉を収縮させます。
刺激伝導系では、安静時に、洞結節が毎分60回から70回の電気信号を発生していますが、この洞結節による規則正しい電気信号が、正常に末梢にまで伝われば不整脈は生じません。しかし、刺激伝導系のどこかに異常があると、命令系統に混乱を生じて心臓の拍動リズムは乱れてしまい、脈の不整につながるのです。
不整脈は、脈が速くなる「頻脈性不整脈」と脈が遅くなる「徐脈性不整脈」に大きく分けられますが、不整脈を生じる部位などによって、さらに細かく分けられます。


不整脈を正しく診断し評価するためには、いくつかの検査が必要です。以下に行なうべき検査を列挙しましたが、これらの検査によって、治療の必要があるのか経過観察でよいのか見極めることが大切です。
1. 安静時心電図検査
2. ホルター心電図検査
3. 心臓超音波検査
4. 運動負荷心電図検査
5. 電気生理学的検査(カテーテルによる)
近年、不整脈に対する治療法は大きな変貌を遂げています。米国で行なわれた大規模な臨床試験(CAST)において、心筋梗塞後の不整脈患者さまに対して、ある種の抗不整脈薬を用いると、薬物を投与しないグループより死亡率が高くなるという驚くべき結果が出ました。この致死的な不整脈を誘発する「催不整脈作用」が、一部の抗不整脈薬にあることが分かったことをきっかけとして、抗不整脈薬の使い方は見直され今日に至っています。
さらに1980年代に始まったカテーテル・アブレーション(高周波によるエネルギーで、不整脈の源を焼灼する治療)という治療法の安全性がほぼ確立されたことは、発作性心房細動を含めた不整脈治療に一石を投じることとなりました。この他、心室細動による突然死予防のための植え込み型除細動器、一般の人の使用も認められた自動体外式除細動器(AED)など、不整脈に対する非薬物療法への期待は、今後も大きくなるものと思います。
不整脈は読んで字の如く、脈が乱れた状態すべてを指すため非常に多岐にわたります。多くは経過観察のみで問題となりませんので、不安ばかりを膨らませず、余計な心配はしないでください。心理的ストレスが、不整脈を誘発する原因となることがありますので
1. 経過観察でよいか治療対象となるか
2. 注意すべきポイントは何か
不整脈→突然死
不整脈→脳梗塞・心不全
3. 基礎心疾患の有無(予後に影響する)
4. 治療法の選択