耳鼻いんこう科全般
耳鼻いんこう科領域の主要器官である耳、鼻、のどはそれぞれの働きがあり、それが障害されると各種の症状を呈します。
耳
耳の働き
- 聴力
- 外耳、中耳、内耳、聴神経の連絡
- 平衡
- 眼、脊髄、自律神経と協力し体のバランスに関わる。
耳垢について
耳清掃は耳の穴の外側3~4割でよく、そこより奥は痛みのもとになります。
耳痛について
耳痛の原因として中耳炎と外耳炎が考えられますが中耳炎は子供に多く、子供の風邪で耳痛の訴えがある場合の8割は中耳炎です。
難聴について
小児の場合は中耳炎が主な原因であり、老齢化に伴い老人性難聴と耳管狭窄症が原因の多くを占めるようになります。
耳漏について
乳児で風邪をひいている場合は中耳炎、風邪をひいていなければ外耳道湿疹の可能性が考えられます。外耳道湿疹は入浴時のお湯が耳に入ったり、ミルクが耳にはいったりして起こることが多いと思われます。
小児では中耳炎であることが多く、夏のみ外耳炎が増加します。
10才代以上では掻きすぎによる外耳道湿疹や外耳炎によるものが多くみられます。
めまいについて
めまいの原因は多々ありますが、一番多いのは内耳性のめまいで、良性発作性頭位眼振、メニエールが多くみられます。内耳性のめまいの特徴は意識障害がなく、偏奇傾向があり、閉眼でのめまいの増悪化があることなどで、浮動感→動揺感→回転感の順に悪化する傾向があります。

鼻
鼻の働き
- 呼吸
- 呼吸の通路、吸気の加湿、加温、除塵。
- 嗅覚
- 鼻腔の最上部にある嗅上皮の嗅細胞でニオイを感じます。
- 共鳴
- 音の通路となります。
鼻水(鼻漏)について
- アレルギー系
- 水溶性のものが発作的に出て長く続きます。
- 感染系
- 水溶性→粘性→白濁→黄濁→緑濁(青っ洟)の順に悪化します。治る時は逆の順で治ります。
鼻閉について
- 鼻中隔湾曲によるもの
- 鼻閉のみで他の症状がない場合に考えられます。80%位の人は鼻中隔が湾曲しています。
- アレルギー系
- くしゃみ、鼻水を伴います。
- 蓄膿症(副鼻腔炎)
- 鼻水の濁り、鼻のつけねや頬部の重い感じや、痛みを伴います。
蓄膿症の簡単な診断法~座位で頭を下げていくにつれ、鼻根部や頬部の症状が憎悪化します。
鼻アレルギーについて
- 花粉症
- 花粉症は診断が簡単です。季節性が明確であり、家庭内よりも外で増悪化します。
2~4月‥‥杉、ヒノキ
5~6月‥‥稲科植物(カモガヤ、ハルガヤ)
9~10月‥菊科植物(ブタクサ、ヨモギ)
発生源には近づかず、花粉を室内に入れないようにすることが肝要です。
- 通年性
- ハウスダスト、ダニが主な原因であり、症状は1年中ありますが、冬季(10月末~2月)に悪化します。家庭内で悪化し、起床前後に発作症状が出やすくなります。夏季でも冷房や温度差に反応して症状が出やすくなります。
鼻出血について
鼻中隔前下部、鼻孔より1~3センチの部位(キーゼルバッハ血管網)から鼻血の90%が出ます。大多数は静脈性であり、稀に動脈性のものもあります。2.5~3センチ位の棒状のタンポン(脱脂綿、テイシュ)を鼻孔より入れ、指で左右より5分間圧迫すると大半はとめることができます。興奮は血圧を上げ止血を難しくしますので、圧迫止血しながらゆっくり深呼吸などを行なってください。
咽喉頭
咽喉頭の働き
- 呼吸
- 呼吸の通路、吸気の加湿、加温
- 嚥下
- 第1期(口→咽頭)・・・随意運動
第2期(咽頭→食道)・・・反射運動
- 発声と共鳴
- 喉頭最下部の声帯で口腔の運動と協力し発声
- 扁桃
- 体の抵抗力(免疫力)をつくるとともに、鼻や口から細菌が気管や肺へ侵入するのを防ぐ働きをしています。
のどの痛みについて
- 咽頭・扁桃
- 嚥下時にのどの上部に強い痛みを感じます。
うがいが有効です。
- 喉頭
- 呼吸、発声に関与し、のどの下部に弱い痛みを感じます。イガイガ、ヒリヒリなどすっきりしない感じです。うがいは無効です。
のどの炎症による発熱
- 咽頭、扁桃腺による発熱
- 一般に睡眠後朝に熱が下がり、午後~夜と次第に上昇します。のどの痛みを伴います。
- 喉頭による発熱
- 一般に軽い発熱です。高い熱の時は重篤で息苦しくなります。
- インフルエンザによる発熱
- 時間帯に関係なく高熱が続きます。解熱剤の効果が切れると再び高熱が出ます。
当初のどの痛みを伴なわないことが多いです。
咽頭異物について
一番多いのは魚骨異物です。意外に多いのがうなぎの骨です。油断しているためかアジに続き2番目に多くみられますので注意してください。子供は扁桃腺が大きいためほとんど口蓋扁桃に刺さりますが食事で取れやすいです。
高齢者は嚥下時の反射速度が低下してきており、水様物を急いで飲むとむせるようになりますので、少量をゆっくりと飲むことを心がけてください。また正月のもちは小さくして食べ、もちによる窒息を予防してください。
かすれ声について
感冒時の大声、長話やカラオケは声帯ポリープ、声帯結節を生じる原因になりやすいので謹んでください。特に高齢の方は声帯を閉じる筋肉の力が低下してきているためかすれ声になりやすいのでお気をつけください。
