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疾患等の紹介

胃がん

日本人の死因の第一位はがんであり、がんの中での死因の第一位は肺がんです。しかし2年ほど前までは、胃がんが死因の第一位であり、がんの数では依然として胃がんが第一位です。

1980年代までは、早期がんと進行がんの比率は約3:7でした。しかし現在では6:4と逆転し、早期がんの方が多くなりました。これは、内視鏡の著しい進歩と、健康診断(人間ドックを含む)、および一般市民のがんへの関心の高まりなどが挙げられます。都心部では早期がんが多く、地方ではいまだに進行がんが多いようです。

現在早期胃がんであれば、95%以上の根治術が可能です。40才を超えた方や、祖父母、両親や兄弟、つまり血のつながった方に胃がんにかかった人がいる場合は注意が必要です。ぜひ胃検診、できれば内視鏡(胃カメラ)を勧めます。内視鏡の著しい進歩と、麻酔法により検査が楽に受けられます。

次にがんが見つかった場合のお話しです。がんと宣告されたからといって慌てることはありません。内視鏡および診断の進歩により早期胃がんが増えました。条件さえそろえば、お腹を切らず内視鏡で切除(内視鏡的粘膜切除術)、および腹腔鏡下胃切除術などが可能です。 さらに、開腹術であっても、縮小手術など(部分切除、機能温存、切除範囲の縮小)が行なわれます。

一方進行がんであった場合は、定型的胃切除、拡大切除、非治癒切除などがあります。非治癒切除の中には、原発巣を切除する場合とがんの減量手術、バイパス術があります。

また手術不能例であっても、現在化学療法(抗がん剤)の進歩により延命効果が期待できます。抗がん剤は種類が多く、使用方法(入院点滴、外来点滴、経口投与)も条件により(年齢、進行度、全身状態、社会背景など)異なります。副作用も強いため十分な吟味が必要です。

その他に免疫療法もあります。

胃がんと言ってもそれぞれステージ(程度)があり、それに見合った治療方法があります。ぜひ、ご相談ください。

なお日本胃癌学会より、“胃がん治療のガイドラインの解説”という、本が出版されています。こちらも、お読みになると良いと思います。

胃がん内視鏡治療の適応

I.はじめに

ポリープがんに対する内視鏡的ポリープ切除術に始まった胃がんに対する内視鏡的治療は、内視鏡的粘膜切除術(EMR)の手技の確立により広く認知されるものとなりました。さらに胆嚢摘出術に始まった腹腔鏡下手術の技術の進歩は、本邦における必然として早期胃がんにその適応を広げてきました。まず胃がんに対する内視鏡治療の現況を紹介してから、根治的治療と姑息的治療に分けて現在の適応と将来の適応拡大の可能性について述べます。

II.胃がんに対する内視鏡治療の現況

胃がんに対する根治的な内視鏡治療の第一選択としては内視鏡的粘膜切除術が広く行なわれるようになりました。2チャンネル法に始まり、キャップを用いた方法や増田らにより考案された食道静脈瘤結紮[けっさつ]用のデバイス(EVL)を用いた方法などが行なわれています。またわれわれの考案したEMR困難部位へのアプローチを容易にし、一括切除率の向上をはかるための経皮経胃壁内視鏡下粘膜切除術ー胃瘻[いろう]を用いた粘膜切除術(PTEMR)も行なわれています。

胃がんに対する腹腔鏡下手術は、まず自動縫合器による胃を楔状に部分切除することから始まり、次に大橋らにより腹壁から胃内に直接腹腔鏡と鉗子類を入れて粘膜切除を行なう腹腔鏡下胃内手術が考案されました。最近では、より根治性の高いリンパ節郭清[かくせい]を伴う腹腔鏡補助下幽門側胃切除術も行なわれるようになってきました。また切除不能胃がんに対しては 腹腔鏡下胃空腸吻合[ふんごう]術が行なわれます。

またレーザー治療に代表される組織破壊法も早期胃がんの治療に単独で用いられるばかりでなく、EMRで不完全切除に終わった場合の追加治療法として高く評価されています。加えて進行がんに対するQOLの向上をめざした姑息的治療としても有効であります。さらにはバルーンカテーテルを用いた拡張術、ステント挿入術なども行なわれます。

III.内視鏡治療の適応

このように早期胃がんの根治を目指した治療とQOLの改善をめざした姑息的治療のために様々な手技が行なわれるようになってきました。胃がんの内視鏡治療の適応はと問われれば、2次・3次リンパ節転移を伴い開腹術によってのみ切除が可能な進行胃がん以外はすべてが適応となります。もちろん技術的に可能なことが臨床的に有用であるとは限らず、内視鏡治療の適応も、とくに根治的治療については、広く受け入れられる合理的ものでなくてはなりません。しかし本来術式の適応は、適応が一人歩きするものではなく、患者さまそれぞれの身体的条件や社会的条件によって柔軟に対応できるものでなくてならないのは言うまでもありません。

IV.根治的治療としての適応

内視鏡的粘膜切除術については、「リンパ節転移のないと考えられる粘膜内に限局する高分化型腺がんー隆起型で20mm以内・陥凹型では10mm以内で潰瘍瘢痕を伴わない」が現在得られているコンセンサスであります。今後の方向としては、高分化型腺がんであれば表面隆起型(IIa)で30mm、表面陥凹型(IIc)で20mmまでは拡大可能でしょう。一括切除にこだわらなければ、現在の技術でこの適応の拡大は十分に達成可能であります。

問題は、低分化型腺がんであります。現在絶対適応からははずしている施設が多いですが、10mm以下であれば完全切除が可能と考えています。ただし浸潤範囲の同定が難しい場合があるので、十分に広範囲に切除する必要があります。またレーザー治療の追加も根治性を向上させるうえで有効であります。

深達度については、粘膜下層に微小浸潤であれば十分に根治が得られると思われますが、脈管浸潤を伴う場合や粘膜下層に広く浸潤する場合は、リンパ節転移の頻度が約15%あることを考えれば、なんらかの追加治療が必要となります。

腹腔鏡下胃部分切除術では、胃の全層切除が行なわれ、近傍のリンパ節の検索も可能であることから、粘膜切除術よりも適応の拡大がはかれます。つまり粘膜下層まで浸潤のみられる高分化型腺がんや潰瘍瘢痕を伴う陥凹型の早期胃がんそして低分化型腺がんも浸潤範囲が同定できれば対象となりえます。通常早期胃がんのリンパ節転移は一次リンパ節にみられることが多く、一次を飛び越していきなり二次リンパ節のみに転移することはまれであるので、一次リンパ節を術中に迅速病理診断に提出し、転移がなければ局所切除で根治が得られます。転移があれば、そのまま系統的リンパ節郭清[かくせい]を伴う腹腔鏡補助下胃切除術を行なうか、開腹術に変更します。腹腔鏡下胃部分切除術で注意しなければならないのは切除断端が外翻してしまうので、断端再発のチェックが難しいことであります。このためサージカルマージンは粘膜切除術の場合よりも大きくとらなくてはなりません。また胃の形態によっては術後の狭窄と胃内容の停滞に留意する必要があります。とくに前庭部では要注意であります。したがって腹腔鏡下胃部分切除術の場合、病変の大きさの面からの適応拡大は慎重を要します。

腹腔鏡補助下幽門側胃切除術の適応については、まだ議論の多いところであります。2次リンパ節である7番、8番の郭清[かくせい]も可能であることから規約上のD2郭清[かくせい]は可能となります。つまり理論的には1次リンパ節転移のあるN1症例までが適応ということになります。また漿膜浸潤のある場合や広範なリンパ節転移のある症例では、ポート部の再発を考慮しなければならず、リンパ節の問題だけで適応を決められるわけでもなさそうであります。今後の検討を要する問題であります。

V.姑息的治療としての適応

胃がんに対する姑息的治療としての内視鏡的治療は、患者さまのQOL改善のために行なわれます。すなわち出血部位や狭窄部に対するレーザー治療、バルーン拡張術、ステント挿入術などが行なわれます。また減圧目的あるいは経腸栄養のための経皮内視鏡的胃瘻[いろう]造設術も行なわれています。姑息的治療としての腹腔鏡下手術は、バイパス術としての胃空腸吻合[ふんごう]術、がん性腹膜炎に対する診断を兼ねた腹腔内抗腫瘍薬注入用リザーバー留置術などが行なわれます。

以上、胃がんに対する内視鏡治療の現況と適応について概説しました。議論のある点も多々ありますが、今後械器の進歩とわれわれの技術の向上により内視鏡治療はますますその適応を広げていくことはあっても、狭まることはないでしょう。

大腸(結腸・直腸)癌

大腸癌(結腸・直腸)の死亡率は、がん全体の中で、男性3位、女性1位です。

大腸癌が発見されるケースは、便潜血[べんせんけつ]陽性、下血、腸閉塞症状[ちょうへいそくしょうじょう](イレウス)など様々です。自覚症状に乏しくても、初期のサイン(便潜血[べんせんけつ]、下血)を無視せずに、大腸検査(通常は内視鏡検査)を行い、可能な限り早期で発見することが患者さまはもちろん、治療する医師にとっても重要です。病気の進行度(病期:stageステージ)は壁深達度[へきしんたつど](大腸壁内への癌細胞浸潤[しんじゅん]の深さ)、リンパ節転移の程度、肺・肝などの多臓器への転移の有無によって決定されます。

大腸癌は治療(手術、化学療法)による効果が非常に良好な病気ですから、異常に気づいたら怖がらずに早期に受診し、診断をつけ早急治療を行うことが重要です。

癌細胞が粘膜内にとどまった早期癌(stage 0、Ⅰ、Ⅱ)に対しては、腫瘍の大きさ、形態によって、内視鏡的治療から手術(腹腔鏡下[ふくくうきょうか]手術・開腹手術)まで様々な治療方法が選択可能です。しかしながら内視鏡的治療後の病理結果から、追加治療(手術)が必要となることもあります。いかなる場合も、個々の患者さまにより良い、体に負担の少ないかつ最適な治療法をご提案いたします。

進行癌・stageⅢに対しては手術(腹腔鏡下[ふくくうきょうか]手術・開腹手術)を第一に選択し、早期退院、早期社会復帰、早期補助化学療法が開始できるようにいたします。切除病変の病理診断結果から再発(局所、肺・肝転移)リスクが高いと判断される症例(リンパ節転移陽性やリンパ管または静脈に癌細胞が入り込んだもの)に対しては、患者さまと相談の上、最適と思われる術後補助化学療法(抗がん剤治療)をご提案いたします。

多臓器転移を伴うstageⅣ、あるいは再発癌に対しても、患者さまの病状、気力・体力に副った、より副作用の少ない化学療法を行い、病巣の縮小・症状の緩和に努めます。治療効果判定の後、切除可能と判断できる状況となれば、積極的な手術(肝切除、肺切除など)による治療もご提案いたします。

肝癌、転移性肝癌

肝臓癌の死亡率は、男性では3位です(女性では乳癌に次ぐ、6位です)。

肝臓にできる癌には、肝臓を作っている細胞から発生するがん(原発性[げんぱつせい]肝癌)と他の臓器のがんが転移してできたがん(転移性肝癌)の2種類があります。さらに原発性肝癌には、肝細胞が癌化する肝細胞癌と、肝内の胆管細胞が癌化する肝内胆管癌(胆管細胞癌)、およびその他の癌(肝芽腫[かんがしゅ]、未分化癌など)に区別されます。その頻度は肝細胞癌が95%を占め、一般に肝がんといえばこの肝細胞癌を意味します。

肝癌

①肝細胞癌

肝細胞癌(いわゆる肝がん)は、多く(約90%)がウィルス性肝炎(B型およびC型)を経て発生します。早期発見に結びつく特徴的な臨床症状はなく、基本的には肝炎ウィルス陽性のハイリスクグループに対して定期的な肝機能検査と超音波検査を行い、まず腫瘍の有無を確認することが、診断・治療の第一になります。

腫瘍の診断(精密検査)は、血液検査:腫瘍マーカー(AFP:アルファフェトプロテイン)や、超音波検査、CT検査、MR検査、血管造影などの放射線診断を組み合わせて行います。肝細胞癌は一般的に血流に富む腫瘍であるため、特徴的・典型的な画像所見が得られれば診断は比較的容易につきます。

治療は、大きく外科的治療(手術)と非手術的治療の2つに分かれます。治療法は、がんの進行度、大きさ、局在(肝臓のどの場所にあるか)、肝臓の予備力(肝臓の元気度)、安全性を十分に吟味したうえ、選択・決定していきます。具体的には肝切除、局所療法(エタノール注入療法、マイクロ波凝固術、ラジオ波焼灼術[しょうしゃくじゅつ])、肝動脈塞栓[そくせん]化学療法(TACE)、化学療法、放射線療法などのいろいろな治療法の中から、患者さまと相談しながら、患者さまが納得できる最適な治療法をご提案いたします。

②胆管細胞癌

胆管細胞癌(肝内胆管癌)は肝内に発生した胆管上皮細胞からなる悪性腫瘍です。原発性肝癌の約5%を占めます。病因としては、肝内結石症、原発性硬化性胆管炎[げんぱつせいこうかせいたんかんえん]、肝吸虫症[かんきゅうちゅうしょう]、トロトラストなどとの因果関係を指摘されていますが、詳細は明らかではありません。肝細胞癌と異なり、ハイリスクグループの同定が困難で、早期発見が難しく、腫瘍がある程度大きくなって発見されることが多いのが特徴です。臨床症状は、肝細胞癌と同様、特徴的な症状はありません。

診断は、肝細胞癌と同様に超音波、CTスキャン、MRI、血管造影などの画像診断です。肝細胞癌と異なる点は、腫瘍が血流に乏しいという点です。切除に際しては、胆管への進展度(胆管内・外の病変の進み具合)を評価するために、MRIを利用したMRCPや、直接胆管に造影剤を注入する方法(ERCP:内視鏡を用いた胆管造影、PTC造影:超音波下に、皮膚の上から胆管に細い管を留置し行う)を行うこともあります。

治療は、手術治療(肝切除)が最善の方法です。肝細胞癌同様、治療のために取るべき肝臓の大きさと、肝臓の予備力(元気度)、安全度を総合的に判断し、最善の方法をご提案いたします。

転移性肝癌

転移性肝癌の原因は、多くが大腸(結腸・直腸)癌ですが、他の胃癌、乳癌、膵臓癌[すいぞうがん]などにも見られます。術前に発見される場合(stageⅣ)もありますが、多くはもとの癌病変を手術によって切除した後に発見されます。したがって、様々な癌の手術後は定期的な全身のチェックを怠らないことが重要です。

治療は、原発臓器(もともとの病変:胃・大腸・膵臓[すいぞう]・乳腺)により方法に若干の差異があります。一般的に大腸(結腸・直腸)癌からの転移性肝癌に対しては積極的な肝切除を第一に視野にいれつつ、抗がん剤治療、経肝臓動脈的[けいかんぞうどうみゃくてき]化学療法など、患者さまの全身状態を考慮したうえで最適と思われる治療法をご提案いたします。他の胃癌、膵癌[すいがん]、乳癌などからの転移性肝癌は、一般に抗がん剤治療が原則となります。

いずれの治療におきましても、患者さまの早期退院、早期社会復帰を目指しております。

肝胆膵[かんたんすい]疾患と黄疸

黄疸とは

皮膚や目が黄色くなっている状態を黄疸といいます。一般に、尿は紅茶色から次第に濃い茶色に変化し、だるさやかゆみを自覚したり、便がクリーム色に変化することで異変に気づきます。この現象は、肝臓から分泌された胆汁(黄色・茶色い消化液)が十二指腸まで流れるルートのどこかがつまって(閉塞して)しまったために、胆汁が十二指腸に流れずに血管内に逆流して発生します(閉塞性黄疸といいます)。全身は黄色くなり、胆汁が腸管に流れないために便は白くなります。

原因は、胆石・総胆管結石[そうたんかんけっせき]、胆嚢炎といった良性疾患でも起こりますが、胆管癌、膵癌[すいがん]などが代表的です。症状を自覚する以前に、肝機能障害や高ビリルビン血症で発見されることもありますが、黄疸を放置すると様々な臓器障害を引き起こし、しばしば重篤な状態となりますので、黄疸の原因を検査しつつ、減黄処置(黄疸を改善させること)が必要となります。減黄処置には、針で体外から胆嚢や胆管の中に管を挿入して胆汁を外に出す(PTGBD、PTCD)方法や、胃カメラを用いて十二指腸から胆管内に管を留置して、本来の胆汁の流れ道を作る(ERBD)方法があります。当院では緊急度、年齢、状況によって、安全、最善な方法を選択します。

黄疸の原因を突き止めたら治療です。原因や程度によって、内視鏡的治療、手術(根治手術またはバイパス手術)、化学療法などが選択されます。肝胆膵[かんたんすい]専門外来で十分に説明を聞いていただき、患者さまの早期退院、早期社会復帰を第一に考えた治療をご提案し、納得できる治療を受けていただきます。

治療は悪性腫瘍の場合、病巣切除と術後の抗がん剤治療が基本方針となりますが、切除不能例に対しては、バイパス手術やメタリックステントの留置によるQOL(クオリティーオブライフ:日常生活の質)の向上を図っていきます。

膵癌[すいがん]

膵癌[すいがん]の死亡率は男性5位、女性4位です。

膵癌[すいがん]発見のきっかけとなる症状は、黄疸、糖尿病の悪化、腹痛・背部痛などですが、自覚症状がなく、たまたま行った超音波やCT検査で腫瘍が発見されて診断がつくこともあります。

腫瘍の診断は、血液検査、超音波検査、CT検査、MR検査、血管造影などを組み合わせて行いますが、膵癌[すいがん]の場合、胆管と膵管[すいかん]を直接造影するERCP(内視鏡を用いた胆管と膵管[すいかん]の造影)検査が非常に有効です。検査のための入院が必要となりますが、当院では消化器内科・外科、内視鏡室、放射線科の連携により可能な限り検査待ちを避け、早急に実施いたします。

一般に、膵臓癌[すいぞうがん]の診断は、直接に腫瘍細胞を採取する生検が困難であるため、術前の診断には限界があり、最終確定診断は手術に頼らざるを得ません。したがって術前に悪性と診断し、手術後の確定診断で膵炎[すいえん](良性)と診断されることも少なからずあります。患者さまには手術(肉体的・精神的に大変な思い)をして、病変が癌でなかったことを喜ぶには、複雑な心境かもしれません。しかし絶対避けなくてはいけないことは、良性に期待をかける余り手術を見送り、結果的に手遅れとなることです。膵癌[すいがん]は、後に悪性を強く疑う症状(強い背部痛や肺・肝腫瘍の出現)が出てきたときには切除不能の状況に陥っていることがしばしばです。当院では、肝胆膵[かんたんすい]専門外来で、病変の状況、良・悪性の可能性、現状での最適な治療法、そのリスク、治療後の社会復帰の目安などを詳細に説明することにより、病気に対する不安をできるだけ取り除き、患者さまが納得して治療を受けることができるようにいたします。

膵癌[すいがん]の治療は手術が第一選択です。手術で病巣が切除できなければ、患者さまの良好な治療経過は期待できません。手術方法は、部位、大きさ、進行度、悪性度により決定します。膵頭部[すいとうぶ]には膵頭[すいとう]十二指腸切除(PD)、幽門輪[ゆうもんりん]温存膵頭[すいとう]十二指腸切除(PPPD)、体部には膵体尾部[すいたいびぶ]切除(DP)、膵中央切除、尾部には膵尾部[すいびぶ]切除といった治療法があります。いずれの術式も膵臓[すいぞう]という臓器を切除・切離[せつり]することが、ほかの消化器癌手術とは大きく異なり、これに伴う膵[すい]手術に特有な合併症(膵液[すいえき]ろう、仮性動脈瘤)発生の可能性があります。合併症発生を恐れるあまりに手術に踏み切れないことがないように、手術治療の価値を十分納得していただいた上で、個々の患者さまに最適と思われる術式をご提案いたします。

膵癌[すいがん]は手術により病変が切除できても、その後の再発(局所、肝転移)の可能性が高いため、集学的な治療が必要となります。様々な治療が行われていますが、術後の化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法などが一般的です。当院では抗がん剤治療が可能です。

膵癌[すいがん]の抗がん剤治療は、内服によるものと、点滴によるもの2種類があります。それぞれに長所・短所がありますので、担当医とよく相談の上、選択していただきます。いずれにしても、途中からの休薬、変更も可能ですので、方法に固執する必要はありません。

胆石症

胆石症は、よく知られた病気です。胆石症の種類には、胆嚢内にできる胆嚢結石症と胆管内にできる胆管結石症と肝臓内にできる肝内結石症の3種類があります。それぞれの胆石のできる部位により治療法も異なってきます。

ここでは胆嚢内と胆管にできる胆石について述べます。胆嚢内にできる胆石症は、コレステロールからできる石が最も多く、次に胆汁色素であるビリルビンからできる石と黒い色素からできる黒色石などがよくできます。胆嚢は、肝臓で作られた消化液である胆汁を貯めておくタンクです。肝臓で作られた胆汁は、胆管という管に集められ肝臓をでて十二指腸まで流れていきます。この管ー胆管の途中に胆嚢という袋がついています。この胆嚢では、胆汁を貯めるとともに、胆汁の濃縮を行ないます。そして食事をするとこの胆嚢が収縮し、濃縮して貯めてあった胆汁を十二指腸に排出します。

胆石症の典型的な症状は、食事のあと、とくに油こいものを食べたあとにでる上腹部の痛みです。しばしば嘔吐を伴います。これを胆石発作といいます。このような激しい痛みがなくても、鈍い痛みや背中の痛みあるいは右肩の痛みがでることもあります。発作に伴って胆嚢自体の炎症が起こると、発熱がみられます。つまり胆石発作で熱が出た場合は、重症ということになります。

胆嚢結石の治療としては、薬による溶解療法、器械を使った破砕療法、手術療法がありますが、溶解療法と破砕療法は、その治療の対象となる胆石症の状態に制限があり、どんな石でも治療できるわけではありません。手術療法は、すべての胆石症が適応となります。また胆嚢炎をおこした胆石症の場合は、手術が必要となります。

胆嚢結石症の手術は、1990年から内視鏡を使った手術、腹腔鏡下胆嚢摘出術が始められました。従来の開腹手術と異なり、臍部(へそ)と上腹部とわきばらの4ヶ所に3mmから12mmの小さな穴をあけて、そこからおなかの中を観察する内視鏡と細くて長い手術器械をいれて、手術を行ないます。手術は、石をとるのではなく、胆嚢自体を切除します。これは、胆石を生じたような病的な胆嚢を取り除いたほうがよいという考え方です。術後は、経過が順調であれば、3日から1週間で退院となります。

胆管に結石がある場合は、あらかじめこれを胃カメラのような内視鏡を使って、十二指腸から胆管内の結石を取り除く手術を行なってから、腹腔鏡下胆嚢摘出術を行ないます。 症状のない胆石症は、手術する必要がないことが多いのですが、胆嚢自体に変化がある場合や、胆管結石を合併する場合は、手術が必要となります。

胆嚢・胆管癌

胆嚢・胆管癌の死亡率は男性8位、女性7位です。

発見のきっかけとなる症状は、黄疸、腹痛・背部痛などですが、早期の胆嚢癌のように自覚症状がなく、たまたま行った超音波やCT検査で腫瘍が発見されて診断がつくこともあります。

腫瘍の診断は、血液検査、超音波検査、CT検査、MR検査、血管造影などを組み合わせて行いますが、病変の進展を見極め、必要十分な切除範囲を決定するためには、膵癌[すいがん]と同様にERCP(内視鏡を用いた胆管と膵管[すいかん]の造影)検査が非常に有効です。

胆嚢・胆管癌の診断も、胃癌や大腸癌に比べて病変の生検は困難であるため、確定診断に至らないこともありますが、胆汁細胞診や擦過[さっか]細胞診(胆管をブラッシングする)で癌細胞が認められれば、診断は確定します。

胆嚢・胆管癌の治療も手術が第一選択です。手術で病巣が切除できなければ、患者さまの良好な治療経過は期待できません。この病気の治療の特徴は、病変の部位、大きさ、進行度、悪性度より術式が多岐にわたることです。

胆嚢癌は単純胆嚢摘出術から、胆管切除+リンパ節郭清[かくせい](病変に関係するリンパ節を取ってくること)、肝切除+胆管切除+リンパ節郭清まで術前診断や術中所見によって変化が生じます。また胆嚢癌の場合、病理診断確定後の結果によって、胆嚢摘出のみでは不十分とされ、追加手術が必要となることもあります。

胆管癌は、下部・中部胆管であれば、(幽門輪[ゆうもんりん]温存)膵頭[すいとう]十二指腸切除、中部胆管であれば胆管切除+リンパ節郭清[かくせい]、上部胆管・肝門部胆管[かんもんぶたんかん]・肝内胆管であれば、肝(右・左葉)切除+リンパ節郭清[かくせい](+胆管切除)まで、術前診断によって変化します。

いずれにしても、胆嚢・胆管癌の手術は1時間程度で終わるのもから、10時間以上を要するものまで、その難易度も合併症の発生リスクも異なります。吟味を重ねた術前診断により、過大な侵襲[しんしゅう](患者さまの肉体的精神的負担)にならない、個々の患者さまに適切な術式を選択することが大変重要です。当院、肝胆膵[かんたんすい]専門外来では、患者さまにご自身の病態をしっかりご理解いただいた上で、最善な治療法をご提案すること(セカンドオピニオンや、他の病院への紹介を含めて)をお約束いたします。

肛門外科 -肛門について-

痔の歴史

痔の歴史をたどっていくと古くは紀元前の古代エジプトの文書や、バビロニアのハムラビ法典に肛門病の治療が行なわれていた記録が残されています。

紀元前400年頃有名なヒポクラテスは医学史上最も初期の文献において、痔の診断と治療に関する記述を残しています。また、古代ローマ帝国の属国であり、現在のナポリ近郊に存在するヴェスビオ火山噴火の惨劇のポンペイの遺跡より肛門疾患の診断、治療器具が発見されています。中世においては、朕は国家なりと言った太陽王ルイ14世、イングランドの王ヘンリー5世が痔瘻[じろう]を患っていたという話は有名です。

1835年にロンドンにセントマークスという大腸肛門の専門病院が開設されてから本格的な近代医療が始まったとされています。

しかし近年においても、痔核手術においてホワイトヘッド法という方法が繁用され、後遺症に悩む人は多く、手術成績が安定してきたのは最近になってからになります。

本邦では華岡青州の痔瘻[じろう]手術の記録がありますが、明治時代になっても肛門病の治療は門外不出の秘伝とされていたという話です。

日本の歴史上で、痔に悩まされていた記録が残っている人が居ます。

松尾芭蕉は奥の細道を旅する道中も、出血などで悩んでいたそうです。

軍神乃木大将は普段から脱肛に悩まされ、実は自害された時にも死後に脱出しないように普段より念入りに当て物をしていたそうです。書簡の中で「僕の手術は乃木大将の自殺と同じくらい苦しみあるものと御承知ありて、崇高なる御同情を賜はり度候」と書いたのは夏目漱石です。未完の遺作、明暗でも、主人公が痔を治療しているところから物語が始まります。このように、様々な場面でお尻に悩む人々を見つけることができます。

肛門周囲の解剖

本来人間の体はこういった平面構造では表現しにくいのですが、あくまで図に描いた模式的な図です。

図解:肛門周囲の模式図

歯状線[しじょうせん]

肛門の出口から約1.5cm程度奥にあるのこぎりの歯の様に見える境界部分のことを言います。痛みを感じる部分と感じない部分の境界線です。歯状線[しじょうせん]より奥を直腸、手前を肛門と呼んでいます。下に凸の部分には肛門陰窩[いんか](肛門小窩[しょうか])というくぼみがあり、この部位から細菌が侵入し感染すると、肛門周囲膿瘍[のうよう]→痔瘻[じろう]となります。

外肛門括約筋

意識的にしめることができる筋肉です。この筋肉を手術などで大きく損傷すると、便漏れなどの後遺症の原因となることがあります。

内肛門括約筋

直腸の壁を作っている筋肉の下端にあたり、自律神経支配のため意識によって動かすことはできませんが、意識しなくても肛門を閉じていてくれるのもこの筋肉の役割です。

肛門クッション

この部分が膨れたものを痔核と呼びますが「ここまでは正常でこれ以上大きいと痔核」というような境界はありません。水のような便でも漏れないのは、柔らかい血管の集まりが肛門の出口で『パッキン』の働きをしているからです。

内痔核

いわゆる「いぼ痔」です。

自覚症状は、脱出・出血です。痛みを伴うことは比較的少ないです。

以前は肛門の痔静脈という組織がうっ血を来たし、次第に拡張し静脈瘤という状態になったものが痔核であるという考えが長く信じられて来ました。

現在最も支持されているのは、肛門のクッションといわれる組織が肥大化し滑脱してきたものが痔核であるという考え方です。原因としては、長時間の怒責、便秘、加齢による結合組織の脆弱化と断片化などがあげられています。内痔核は脱出の度合いに応じて以下のように分類されています。(Goligherの分類)。第1期・2期は保存的療法、3期・4期は手術を考慮します。

第1期 初期で、内痔核は怒張し、小さく腫張。出血のみが唯一の症状。拡張した血管は圧縮性が有り、指診では触知できない。肛門外への脱出(脱肛)は見ない。

第2期 中間期で、内痔核は排便時に下方へ引きずられて肛門外へ脱出(脱肛)すること多いが
排便終了時(腹圧が消失)には自然に肛門内に還納する(戻る)。
痔核は、血管の拡張や結合織内への滲出液貯留のため大きく腫張する。

第3期 末期で、脱肛した内痔核を用手整復(肛門外へ出た痔核を手で肛門内へ還納できる状態。

第4期 末期で、脱肛した内痔核を用手整復しても容易に脱肛したままの状態になる。

図解:内痔核(いぼ痔)の模式図

外痔核

外痔核は基本的に機械的ストレスが発生原因とされています。また、内痔核が進んでくると、外痔核を伴うようになります。外痔核は、肛門歯状線[しじょうせん]の体表側に発生します。

自覚症状として、出血は少ないのですがとにかく痛いのが特徴です。

痛みの原因は、血の塊が皮下に形成されることによるのですが、これは、いわゆる血豆とほとんど同じです。基本的には手術など行なわず、保存的に治癒することが知られていますが、切開し、血栓を取り除くこともあります。

裂肛

裂肛というのは肛門が裂けてしまった状態です。詳しくは、肛門開口部の粘膜に疼痛を伴う断列をきたしたものであるとされています。

自覚症状は痛み、出血です。

硬い便が原因となることが多く、便秘の人に多く見られます。女性の患者さまが多いことが知られています。また、ほとんどが肛門の後ろ側に発生します。これは、便の通り道である直腸の角度と、便を排出するための筋肉の力の方向が原因です。

基本的には便秘の防止など内科的治療を主体としますが、慢性化し、難治のものは手術の適応となります。手術の考え方は狭い肛門を広くして便の通りを円滑にすることを目的とすることで、括約筋伸展術、括約筋切開、皮膚弁移動術などがあります。

図解:裂肛(切れ痔)の模式図

肛門周囲膿瘍[のうよう]

自覚症状は高熱や、強い鈍痛です。

原因は、肛門陰窩といわれる誰にでもある肛門内のくぼみに最近が入り込んで、炎症を起こし、これが周囲に広がって膿の溜りを作ります。膿の溜りを膿瘍[のうよう]といいます。肛門周囲の膿の溜りだから、肛門周囲膿瘍[のうよう]です。男性に多い病気です。怒責の力が強いからといわれていますが、証明はされていません。この膿のたまりが肛門の周囲の皮膚までトンネルを作ってしまった状態が痔瘻[じろう]です。痔瘻[じろう]となると自然治癒することはほとんどありません。怖いのが、痔瘻[じろう]は長い年月が経過するとがんが発生することがあるということです。痔瘻[じろう]がんは10年以上経過した症例の報告しかありませんので、早めに相談してください。

痔ろうの治療は、基本的に手術治療です。手術の方法は痔瘻[じろう]の状態により様々で、重症の場合は、人工肛門を造らなくてはならない場合があります。

図解:肛門周囲膿瘍(あな痔)の模式図

内痔核の手術療法

痔核結紮[けっさつ]切除術

最も標準的な手術療法で、手術室で麻酔をして行ないます。痔核に血液を送っている痔核動脈を縛り、さらに痔核自体を切り取る方法です。

切り取ったところは縫って閉じてしまうと化膿してしまうので、半分縫って残りは開放しますが、自然にふさがって治ります。痔核は切り取られるので、最も確実な方法ですが、術後に肛門痛と出血が数日間伴いますので、当院では5日間から1週間の入院加療で行なっています。

痔核硬化療法 ALTA(ジオン)注射療法

肛門注入軟膏などの内科的治療でも、排便時出血や脱肛といった症状が改善しない内痔核に対して、従来は痔核結紮[けっさつ]切除術などの外科的治療が必用でしたが、2005年頃より注射による治療が普及し始めました。これは、痔核を切り取る手術と違って、痔核の痛みを感じない部分に注射するので「傷口から出血する」「傷口が傷む」ということが少なく、入院期間の短縮が可能になりました。

ALTA(ジオン)注の有効成分は、硫酸アルミニウムカリウム水和物とタンニン酸というもので、これを内痔核に直接注射することで、痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして癒着・固定させてしまいます。

図解:痔核硬化療法 ALTA(ジオン)注射療法の模式図

具体的には図のように、ひとつの痔核に対して4ケ所に分けて注射します。

これは痔核に薬液を十分浸透させるための方法で、四段階注射法といいます。

麻酔は局所麻酔でも可能ですが、当院では、麻酔指導医が下半身だけに効く脊椎麻酔を行い、肛門周囲の筋肉を十分緩め確実に注射できることで、安全かつ少しでも苦痛が少ない方法で行なっています。日帰りでも可能とされていますが、安全面を考慮し、当院では2泊3日の入院治療を原則としています。

PPH(自動吻合[ふんごう]器)

PPH (Procedure for prolepses and hemorrhoids)は、それ自体は商標で、環状縫合器を用いて下部直腸粘膜を切除して痔核脱肛の症状を治癒させる手技を示します。

痔核脱出は痔核クッション組織の肛門外への滑脱という考えから、痔核そのものは切除の目的とせず、そのすぐ口側の直腸粘膜を環状切除して上直腸動脈分枝の血流遮断と滑脱する痔核組織の吊り上げ固定を目的とするものです。

アメリカでは、多くの施設での研究により痔核手術の有用な方法として最終的な評価がなされたとされています。従来の方法(痔核結紮[けっさつ]切除手術療法)と比較し術後疼痛の軽減、早期社会復帰、再発率が他の手術方法と差がないという点で、現在有力な手術方法と考えられています。

自動吻合[ふんごう]器(PPH)を用いた手術
図解:内痔静脈叢がはれて肛門の外へ脱出している状態

内痔静脈叢[ないじじょうみゃくそう]がはれて肛門の外へ脱出している状態です。

図解:自動吻合器(PPH)の挿入

自動吻合[ふんごう]器(PPH)を挿入してしばります。

図解:糸を引っ張り、痔核を引き込んでいる状態

糸を引っ張り、痔核を引き込みます。

図解:痔動脈といっしょに内痔核の一部をリングのように切除した状態

痔動脈といっしょに内痔核の一部をリングのように切除します。

痔核に対する外科的治療の比較(当院比)
  痔核硬化療法 痔核結紮[けっさつ]切除術 PPH
入院期間 3日間 5~7日間 5~7日間
治療費 48,000円 63,000円~75,000円 75,000円~90,000円

※:3割負担の場合で、入院費も含めた総額

最後に

痔の基本治療は保存的方法によります。

しかし、生活習慣が変わらなければ、保存的に軽快したとしても根本的な原因が除去されていないので再発の恐れがあります。

保存的に治療を行なうとともに、このように改善していくと、二度と悩まなくてすむ可能性が高くなります。

まず、清潔を保つこと。

毎日お風呂に入ることは、清潔を保つうえに、体が温まるために血行の改善にもなります。逆に冷えは血行不良の原因になるばかりでなく、下痢の原因となることもあり、よくありません。排便後は、できるだけきれいにしましょう。紙でごしごしこする事は避け、ウォシュレットのようなもので、よく洗ってください。洗浄後は、ちゃんと乾燥させてください。カビや細菌の繁殖の原因となることがあります。

次に、便秘・下痢はよくありません。

紙で強くこするのと同じで想像しやすいと思いますが、便秘をして硬い便を排泄する時に、肛門を傷つける可能性もあり、また強くいきまなければならなくなります。痔瘻[じろう]は、下痢を契機として発症することがあります。また、肛門周囲の不潔の原因となります。

トイレの習慣も意外と重要です。

あまり我慢すると、便秘を招きます。強くいきむ習慣がある男性は痔瘻[じろう]になる可能性が高くなりと考えられています。必要以上にいきんだりせず、トイレはなるべく短くすませてください。

食事はもちろん刺激物は避け、便秘にならないように、繊維質を多くとることがよいのは、皆さまご存知であると思います。

また、水分が必要ですから、水分を十分取ることはもちろん、アルコールやカフェインなど利尿作用のあるものが含まれている飲み物の飲みすぎもよくありません。

肛門へうっ血をきたすことがないように、お仕事の最中でも座りっぱなし、たちっぱなしを避け、一定時間ごとにストレッチなどを行なってください。気分転換にもよく作業効率も上がると思います。

早めに対処すれば、手術を避けることは十分に可能ですし、こういった生活習慣の改善のみでかなりの方が改善を示します。しかし、習慣を変えることが、薬を使うより実は一番難しく、しかも自覚がないことが多いです。症状が軽い場合は、これらのことを思い出し、考えていくことこそ治療の第1歩といえます。