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過去の公開講座

第76回 公開講座(2011年7月26日開催)報告
「今年も猛暑だ!! 夏バテを防ごう!!」

講師 : 東京急行電鉄株式会社 東急病院
糖尿病看護認定看護師 宗村 文江

1. 夏バテとは

夏バテの症状には様々なものがありますが、特徴的なものは以下の通りです。

  • 全身の疲労感 、体がだるい 、無気力になる 、イライラする
  • 熱っぽい 、立ちくらみ、めまい、ふらつき 、むくみ
  • 食欲不振 、下痢、便秘

2. 夏バテの原因

① 気温の上昇に対して、汗をかいて体温を下げようとしますが、多量に汗をかくことで体の水分だけでなく、ミネラル分も減ってしまいます。

② 暑さにより消化機能が低下し、食欲が減ることで、栄養が不足してしまいます。

③ 冷たいものや水分ばかりとるようになり、胃腸の温度が低下することで消化酵素の働きが低下し、胃腸障害(下痢や便秘、吐き気)を 起こしやすくなります。

④ 室内外の気温の変化により、自律神経のバランスが崩れてしまいます。

3. 夏バテしない体作り

① 睡眠をしっかりとって、体を休息させましょう。

ぐっすり寝るための工夫として

  • 寝る前の入浴(汗をかき過ぎず、疲れない程度に)
  • 寝室の温度は、28℃程度で、クーラーは直接風が当たらないように
  • 適切な除湿(ただし、冷房と除湿の電気代は機種によって違うそうです)
  • 軽い運動…体が温まり、汗から疲労物質が排出されて、血流が良くなる

② 栄養、水分補給…食事は栄養バランス良くとり、こまめな水分補給が大切です。詳しくは次号栄養士のコーナーで。

4. 熱中症

毎日の疲れなどから徐々に影響を及ぼす夏バテと違い、熱中症は急激に発症します。すぐに処置しないと生命にかかわる場合もあるので注意しましょう。

熱中症を予防するための日常生活の注意事項

① 暑さを避ける:適切な温度設定のために、家の外にはすだれなどを活用しましょう。

② 服装の工夫:帽子や日傘を使用して、日差しを避けましょう。
最近売られている、ドライ素材のシャツも活用しましょう。

③ こまめな水分補給:のどが渇いていなくてもこまめに飲む習慣をつけましょう。また、スポーツドリンクは 糖分や塩分が多いので注意しましょう。

④ 温度差に注意:日ごろ暑さに慣れていない人、急に暑くなった日は要注意です。

⑤ 暑さに備えた体づくり:日ごろから運動の習慣をつけて汗をかきやすいからだにしましょう。

⑥ 個人の条件を考慮:糖尿病や心臓疾患を持つ人は、熱中症になりやすいといわれています。
また、体調が悪いと熱中症になりやすいので、睡眠不足や飲み過ぎの時は、無理をしないようにしましょう。

第76回 公開講座(2011年7月26日開催)栄養士からのお話
「今年も猛暑だ!! 夏バテを防ごう!!」 ~食事編~

管理栄養士  山中けい子

1. 夏バテを防ぐ食事のポイント

① 1 日3食、決まった時間に食事をする

② ゆっくりよく噛んで食べる

③ 食後30 分は休憩する

④ 良質のタンパク質を摂る

⑤ 冷たいものを摂り過ぎない

⑥ ビタミン、ミネラルを十分に摂る

2. ビタミンB 群不足チェックリスト

ビタミンB1 不足は夏バテになりやすいです。

当てはまる項目はいくつありますか?

① 甘いものを摂ることが多い

② 夜ふかしや眠れないことが多い

③ 夏カゼをひいてしまった

④ 食欲不振で水ものばかり摂っている

⑤ 手足のむくみがある

⑥ やる気がなく身体もだるい

⑦ 少しの運動でもすぐに息切れがする

0~2個: 問題少ない  3~5個: 要注意  6個以上: ビタミンB群不足の危険あり

3. 水分について

脱水予防には水分をこまめに十分に摂りましょう。ただし、摂り過ぎは胃酸が薄まり、胃の機能低下を招き、食欲不振や胃もたれ消化不良を引き起こします。またジュースや炭酸飲料の飲み過ぎは、糖質の摂り過ぎとなり、食欲低下やビタミン不足を招き、肥満や高血糖、脂質異常症などの原因にもなることがあります。水分の中でもビールなどアルコールの飲み過ぎは中性脂肪や尿酸が増えたり、肝臓のトラブルの原因になり、また利尿により、かえって脱水になるので注意が必要です。

スポーツ時など多量に汗をかいた時は体温の上昇や過労などを引き起こしますので普段よりも十分に水分を補給が必要で、発汗によって水分とともにミネラル(塩分など)も失われる場合はスポーツ飲料がおすすめです。ただし、スポーツ飲料には糖類が意外と入っているため糖尿病や脂質異常症の場合は注意が必要です。

4. しっかり食べて予防~夏の不調、症状別の対策~

だるさ・疲労感

糖質をエネルギーに変えるビタミンB1(鰻、豚肉、ぶり、大豆、モロヘイヤ、玄米、ごまなど)、ビタミンB1の吸収を促進、効果を持続させるアリシン(ニンニク、ニラ、ネギ、玉ネギなど)、体内に貯まった疲労物質を素早く代謝させるクエン酸(レモンやオレンジ、グレープフルーツなど )自律神経を整えるパントテン酸(レバー、枝豆、落花生などの種実類)に効果があります。

食欲不振

すっぱいなどの酸味(梅干、酢の物、トマトなど)、ピリ辛などのスパイシーさ(唐辛子、カレー粉、生姜など)、香りや風味(紫蘇、胡麻、みょうがなど)で食欲増進を図りましょう。

消化力低下

消化吸収の良い食品や調理方法(豆腐、半熟卵、白身魚、脂肪の少ない肉、温野菜、とろろ芋など)、発酵食品(ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌など)で腸内環境を良くしましょう。

冷え

夏野菜も加熱調理で温め食材になります。また、唐辛子の辛味成分カプサイシンで体温アップ、血行促進にはビタミンE(鮭、鰻、アーモンド、南瓜など)、アリシン(韮、ニンニク、玉葱など)で生姜は、漢方薬のほとんどに含まれており薬効が高く体を温めます。

睡眠不足

脳の疲労を和らげるビタミンB群、ビタミンC(玄米、鰻、果物、野菜など)を摂りましょう。また、アミノ酸の一種であるトリプトファン(牛乳やバナナなど)はセロトニン(睡眠や精神を安定させる)の生成を高め、カルシウム(乳製品、小魚、大豆製品など)は精神安定効果があります。

肌トラブル

肌細胞の材料となるタンパク質や、コラーゲンの生成には必要なビタミンCが使われます。紫外線よって発生する活性酸素除去にはビタミンC、E、β-カロテン、リコピンなどの抗酸化物質が有効です。
【オススメ食材】 トマト、ゴーヤ、ピーマン、アボカド、南瓜、オクラなど

基本は1日3食、規則正しく、バランス良く食べることです。バランスの良い 食事とは毎食ごとに主食、主菜(肉、魚、大豆製品などのタンパク質食品)、副菜(野菜、海草、きのこ、蒟蒻など)をそろえ、1日の中で片手に乗る程度の果物と牛乳かヨーグルトを1カップ摂ることがお勧めです。